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青月の薔薇  作者: あをに
3/9

月と蝋燭

「さあ、とりあえず、シャワーを浴びてきなさい。」

「…しゃ、わー?」

「…おや、シャワーも知らないのか?」

「…」コクコク

「…そうなのか。じゃあ、教えてあげよう。」

かかった。

エーベルハルトとかいうこの人も、結局は雑魚の分際か。

難しい…?何が?ユリア。

少年愛好家には、俺はたまらない逸材だろ。

「…寒い…」

「ああ、すまない。早く行こうか」


「ここをひねるとお湯が出る。これで体を洗うんだ。わからないことがあったら、言ってくれればいい。私は、ドアの前で待っているから」

「…え」

一緒に…入らないだとっ…!


〜レオンの勝手な想像〜

「さあ、次はここを洗うよ」

「そっそこはぁ…自分で洗えます…」

「駄目だよ。シャワー、知らないんだろう?さあ、×××を××して?」

「い、いやぁっ…」


ってことになる予定だったのに…!

…まあいい。案外貴族サマが紳士だっただけだ。

まだ時間はある。

さっさとシャワーを浴びよう。


「あ、ありがとうございました…」

「ちゃんと浴びれたみたいだな?」

「はい…あの、ありがとうございました。めいわく、かけて、スミマセンでし、た…」

「いいのさ、これくらい。…あ、お腹空いてないか?」

「え?おなか…?」ギュルギュルギュル〜

「…」

「…っす、すみません…//////」

「あはは、いいじゃないか健康で!さあ、こっちにおいで。」

「本当にすみません…」

これは、チャンスか?

薬か何か盛れるといいな。


「さあ、遠慮なく食べてくれ。」

「あ、はい。ありがとうございます…」

夜。生憎、満月ではないが、屋敷の側の湖には、ゆらゆらと月が写っている。

その淡い光が分かるくらい、部屋は暗かった。

部屋には、手元が見える程度の蝋燭の光しかない。

「少し暗いかい?」

「!!」ビクッ

なんだこいつ、超能力者かよ…

「すまない、私はこの窓から見える月が好きでね。とくに、晴れた日の満月なんか最高なんだ。」

「そ、そうなんですか」

「まあ、だからと言って遠慮はいらないよ。思った事があったら、何でも言ってくれればいい。」

かすかな月光に照らされた貴族サマは、信じられないくらい、優しい顔をしていた。

__違う。俺の知ってる貴族サマはこんなんじゃない。

…いや、あの時を思い出すのはもう止めよう。

今はこいつの暗殺の事に集中だ。

…でも。

今だけは、この美しい月を楽しむとしよう。

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