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#1 少女
雲ひとつない青空。今日は快晴だとラジオの天気予報が伝えている。
カーテンの隙間から太陽の光が差し込み、寝ている少女の顔に当たった。
「…もう朝か…」
そう言うと少女は起き上がり伸びをした。
カーテンを開け、昨日からつけっぱなしのラジオを止めて時計を見た。時計の針は九時半を指している。
「…もう九時かぁ…時が流れるのは早いなぁ…」
そう言いながら、またベッドにごろんと寝転がると同時に少女の携帯が鳴った。
気だるそうに携帯を取り確認すると、メールのようで、送り主は少女が会員登録しているスーパーからのものだった。
「仕事までずいぶん時間あるからな〜…暇だし買い物行くかぁ…」
携帯の電源を切ると、近くにあったバッグの中に放り込み、着替え始めた。
少女の名前は、風波 冴。
一週間前からとある喫茶店で働き始めました。