〇〇がやって来た!上
ふー…
今日も疲れたな…
風呂でも入ってさっぱりとするか
ガチャッ
「ん?お帰りなさーい」
「…」
バタン
…えっ…?
なんであいつが居るんだ…?
…これはもしかしたら幻覚かもしれない…
疲れてるからな
ガチャッ
「もう!…いきなり閉めるなんて失礼だよ!
でも久しぶりだけど相変わらず…」
そして天川の顔をみてニッコリとほほえんで
「貧乏くさい顔だねー
居るだけで気分が滅入ってくるよ…
なるべく人と関わらない生き方をしないと迷惑だよ
兄さん」
「…静…相変わらず口が悪いな…」
「ひどーい!
事実を言っているのにそんな事を言われるなんて…
兄さんは最低な男だね…」…この口の悪い泣き真似をしている女は天川静
俺の妹なんだけど兄を全く敬ってくれない
それどころか暴言を言われるし…
「…つーか静…なんでここが分かったんだ…?」
「園姉さんに貰った手紙に書いてた」
園音ぇぇぇ!!
なんでお前は厄介事ばっかり持ってくんだよ!
「それにしても元気で良かったね」
…心配してくれてたのか…
やっぱり良い妹だったん…
「元気だったら金を持ってるよね!
ここまでくるのに使った電車代払って!」
…前言撤回、やっぱり兄を敬ってくれない悪い妹だ
「金はないよ」
「やっぱりニートの兄さんじゃダメか…」
「ニートじゃねぇぇぇ!!
ちゃんと働いてるわ!!」
「なんて会社?」
「ブラックリングだ」
…よく考えたら秘密結社だから言ったらいけないんじゃ
「園姉さんと同じ所なの!?
試験官は風邪でも引いてたの!?」
「…本当に兄を何だと思ってるんだ」
つーか園音も教えてんのかよ
ドゴン
「静ちゃん久しぶりーー!!」
「園姉さん!
久しぶり!」
…この二人はやけに仲が良い
「綺麗になったね!静ちゃん!」
「園姉さんもトップアイドルみたい!」
「そうかなー?
そういえば学校のリーダー何だよね?」
「うん!」
リーダーか…さすが優等生だな
「スゴいね!でも修行はきちんとしてるの?」
「うん
毎日欠かさずやってるよ」
「よーし!私が修行の成果を見てあげる!」
ビュッ
…風を切る音が聞こえて園音のパンチが放たれたと分かった
「ひゃー!
相変わらず凄いキレのあるパンチ
でも私も強くなったんだよ!
園姉さん!」
明らかに音速を超えてそうなパンチを受け流して静は回避した
正直静は俺よりも強い
園音を力としたら静は技だ
静は主に防御や返し技を得意としていて園音と良い勝負をしている
そんな二人は俺の部屋で少年マンガのようなバトルを繰り広げている
…人間じゃねーな…あいつら
一時間後
「…痛い…」
とばっちりを食らってノックダウンされた…
…激しすぎだよ
全く攻撃が見えないし戦いの影響で壁がボロボロに
…俺が払うの?
「うーん!
強くなったねー!」
園音にそう言われて静は嬉しそうにしている
「…相変わらず強いな…」
俺も誉めてみる
「うるさいなー
弱い人に言われても嬉しくないし」
…俺って本当に兄なんだよな?
「それにしても…どうしていきなり遊びにきたの?」
聞く順番が間違ってるけど確かにそうだ
静は高校二年生で学校では優等生として通っている
なのに何で平日の今日ここにいるんだ?
「親子喧嘩をしちゃって…
どこに行こうか悩んでたら園姉さんを思い出して…
だから園姉さんの住んでる場所を探しにきたの」
「親父と喧嘩か?」
「うん
過保護でウザすぎる父さんから逃げてきたの
何でかいきなり私の婚約者を探して連れてきたし…」
「婚約者!?」
「うん
なんか悪い虫が付く前に結婚しろって連れてきたの」
…あのバカ親父…何考えてんだ…?
「母さんは止めなかったのか?」
「驚く私を見て爆笑してた」
…そうだった
他人の不幸は密の味が座右の銘の母さんだからな…
つーかそんな母親はどうなんだよ…
「園姉さん!
あのバカ父さんが反省するまでここに置いて!
お願い!」
「いいよー」
「軽っ!」
ノリが軽すぎだろ
「つーか学校はどうすんだ!?」
「しばらく休みますって連絡しといたし」
それで良いのか!?学校!!
「園姉さん!よろしくね!」
…そんなこんなで静は泊まることになっな
…あのバカ親父…早く反省して連れて帰ってくれ…
次の日
ピンポーン
朝飯を食っているとチャイムが鳴った
こんな朝早くに…いったい誰だ?
「兄さん」
何故か静が家の前にいた
「…なんか用か?」
「ちょっとお願いがあるんだけど…」
俺の頭の中で警報がなる!
静が頼んだ事はいつもろくな事にならないからな…
「連れていって欲しいところがあるの…」
…連れていくだけなら問題はないか
「いいぞ
どこに連れていけばいいんだ?」
「ブラックリングにつれてって!」
…
「何ぃぃぃぃぃ!?」
続く
続きます
二〜三話ぐらいで終わる予定なんで楽しんでください