風邪には注意を!
「ゴホッゴホッ」
…風邪を引きました
「あー…ツラい…」
風邪なんて何年も引いてないのに…
「…園音に頼むか
園音ぇ!」
ドゴォ
「呼んだー?」
「…風邪引いたみたい
会社に今日は休むって伝えておいてくれないかな…」
何でか園音は不思議そうな顔をして
「…壁を壊したけど何も言わないの?」
「…うん…気にしてない…」
「こりゃ大変だ!
ツッコミがツッコまないなんて!
毎回壊したときのツッコミを楽しみにしてたのに!」
「…わざとだったの…?」
「うわー!!
そんな風に聞いてくるなんて!
いつもは
「わざとだったのかよ!!」
ってツッコんでくるのに!
いったい何度熱があるの!?」
園音は近くにあった温度計を使って俺の熱を計った
「…四十度!!
これは…大変なのかな?
あたしはこれぐらいの熱だったらフルマラソンできるけど…」
「…一般人は高熱だよ…」
「うーん
会社に行ってくるからきちんと寝とくんだよ!」
そう言ってもの凄いスピードで園音は走っていった
…あー…ツラいな…
ピンポーン
「…はい…開いてますよ」
ガチャ
「朔さーん!!
大丈夫ですか!?」
「天川!!
心配したぞ!」
「天川さん!
お見舞い持ってきました!」
「うーん…
これはインフルエンザかもしれないわね」
「うわー
それは大変だ!」
「久々に出番だーー!!」
「うん
私も久々だ」
さ、騒がしい…
上から葵、エリス、斉藤君、白河さん、白夜さん、長瀬さん、唐木さんがやって来た
「大丈夫かい」
「白夜さん…ありがとうございます…」
常識人がいるありがたさがよく分かる…
「…ってみんな…!
仕事は…?」
「私は萩原さんに簡単な仕事を貰って、さっさと終わらせましたー」
「私も同じような感じだ」
「僕はお見舞いに行きたいなーって思ったら仕事がなぜか無かったんで」
「私は仕事の一貫ね
天川君を診察するから」
「みんなが無茶しないか見張るために副総裁直々に命令を貰ったんだ」
「私は…出番が欲しいから…
あと病人食を作るのも理由の一つね!」
「私は薬の処方だね」
心配してくれるなんて…ありがたいな…
でもみんな…理由にそれぞれ…個性がでてるな
斉藤君は…相変わらず運が良いな
仕事って…アフターケアみたいなものかな
あと…出番って…
「みんな…ありがとう…」
「じゃあ診察するわね」
そう言うと聴診器を当てたり粘膜を取ったりした
「…うーん
ただの風邪みたいね」
「そうなんですか…」
「暖かくして寝ておくのよ
じゃあ私は帰るわね」
そう言って白河さんは帰っていった
…本当に診察だけなんだ…
「朔さん!
何か食べないといけないと思ってコレを作ってきましたー!」
「…コレ…なに…?」
緑色でなぜかウニュウニュと動いている物体が置かれた
「お粥ですー!」
…お粥って緑色で動くっけ…?
「…食べようかな…?」
「いやっ!!
天川!!止めろ!!
明らかに食べ物ではないぞ!!」
エリスがそう言って俺は気づいた
…本当だ…なんかの生物だ…
「エリスさん!!
嫌がらせですか!?
朔さんに食べてもらおうと思ったのに!!」
「貴様はこれを食べ物と定義するのか!?
バイオ兵器でもこんな物はないぞ!」
「た、確かに見てくれは悪いですけど…」
「動いている時点で食べ物な訳が無かろうが!」
葵は悔しそうな顔で持ってきた食べ物?をしまった
「天川
私も作ってきたぞ!
エリス特製お粥だ!」
今度はまともな色をしている
「…いただきます…」
まずは一口
…美味しい
「エリス…」
「ん?
何か問題があったか!?」
「…ありがとう…美味しいよ…」
そういった途端にエリスが真っ赤になって
「わあぁぁぁぁぁぁ!!」
と叫びながら部屋を出ていった
…どうしたんだろ…?
「…うん
天川君…すごい破壊力だ」
「あれはいたたまれなくなりますね」
「弱った顔でのあのセリフ…
エリスが本当に珍しく動揺したのを見た」
「…私も言われたかったですー…」
みんなが何かを話しているがよく聞こえない…
「天川君!!
私がお粥を多めに作っておいたからお腹が空いたら食べるんだよ」
長瀬さんはそう言って他の人と雑談を始めた
「天川君はモテモテだね!!」
「そうですね
羨ましい限りです」
「私は婚約者がいるから良いですけどね」
「婚約者いたんですか!?」
「はい
今年で二十二歳の彼女ですよ」
「良いなー!!」
「…長瀬さん…そう言えば帰らないんですか?」
「久々の出番を逃すとなかなか出られないからね!!」
「「「…」」」
うーん…なんだか眠く…なって…来…た…ぞ…
「うーん…!」
気づいたら夕方になっていて体が楽になっていた
「うーん
何とか調子はよくなったなー」
良かった良かった
明日からは仕事に出れるな
「元気になって良かったね!!」
「長瀬さん…まだ居たんですか!?」
あれから何時間もたっていたのに
「ははは
私だけじゃないよ!」
長瀬さんが指を指した方を見ると
「くー…」
「…ムニャムニャ…」
葵とエリスが寝ていた
「あの二人はずっと看病をしていてくれたんだよ
感謝しないとね」
…心配かけたな…
「ありがとうな
葵、エリス」
病気になって改めてみんなの良さを再確認できたな…
「…これからもよろしくな…」
葵とエリスは起きて少しゆっくりした後長瀬さんと共に帰った
長瀬さんは帰り際まで
「出番がー!!」
と叫んでいた…
「…コレ…どうしよう」
部屋で這っていて通った後に水たまりができるナメクジみたいな物体…
葵が作ったお粥?が部屋に転がっていた
…どうやって処理しよう…
皆さんも風邪には気をつけて下さい
インフルエンザは本当に大変です…(作者は四十度ぐらいの熱を出すので本当に死にそうになります)