新しい部隊結成!!
「どうなるんだろう…俺」
昨日のボーナスで新しい部隊を作ると言った後に総統は
「時間がかかるから明日まで待ってくれ」
そう言うと総統はどこかへと消え去っていった
…こんな時ばかりにやる気を出さないで仕事にやる気を出せよ…
…そろそろ行くか
「天川〜至急総統のプライベートルームに来なさい」
呼び出してきた…
「つーか俺が来たタイミングで放送って何でわかるんだよ」
エスパーか?
「あの…
総統は一時間前からずっと二分おきに放送していましたよ」
斉藤君が教えてくれた
つーかバカだろ!総統!
「天川です」
「どうぞ」
…あれ?
総統ではなくて副総統の声がしたぞ
ここプライベートルームなのに…
「いらっしゃい」
プライベートルームは真っ赤な絨毯に大型テレビ、シャンデリア、高級なソファー、さらには虎の毛皮が敷いてあった
…無駄遣いしすぎだろ!!
その部屋の真ん中に副総統がいた
だけど副総統だけで総統が影も形も…
「うわっ!!」
余りに驚いて声が出てしまった
だって赤い絨毯のところどころに血痕が…
しかも見た感じ数分前の血痕だぞ…
「…総統は…どうなったんです…?」
「本当に知りたい?」
全力で首を横に振った
聞いたらトラウマになる予感がしたからな…
「天川君
昨日は私が知らなかったとはいえごめんなさいね」
「い、いえ!
気にしてないです!」
「あなたの部隊を作る話だけど…
総統が許可して書類まで作っちゃったし、じきじきにハンコまで押してるからもう取り消せないの…
まったく…こんな時だけ仕事して…」
…本当に総統は偉いんだなって今実感した
無駄に力があるな…
「全く…あのバカは…総統の仕事をさぼってるくせに楽しそうなことには本気を出すんだから…
しかもこんな時だけは行動迅速でいい仕事をするって舐めてんの!?」
「あの…副総裁…?」
完璧に愚痴だけになってるよ
「ん?
ああ!ごめんなさいね!
新部隊の件だけど、仕事の説明をするわね」
仕事か…
まともなのだと良いな…
「あなたは仕事を掛け持ちしてたでしょ」
「そうですけど」
強制的にな!!
「それでね
オールマイティーに出来る君を活かすために…
助っ人の仕事をして欲しいの」
「助っ人?」
「うん
基本的には要請のあった部隊に手伝いに行くの
そういうのが無いときは備品整理とか壊れている備品を修理したりの雑用をしてもらうの
分かった?」
「はい
でも俺一人だけだとキツくないですか?」
「ああ
それなら大丈夫
他の部隊で希望する人を募ってるから」
「へー…
ところで部隊の名前は何ですか?」
「それがね…まだ決まってないの…
考えてるんだけど…後で良い?」
「別にいいですよ」
「じゃあ部隊の希望者から入れる人を決めるわよ
書類は私がいる事務室にあるからついて来て」
事務室についたら何人かの人が働いていた
「何で事務を紹介しなかったんですか?」
「基本的に人手が足りているなら紹介はしないの
人手は足りているから事務は紹介しなかったの」
「へー…
そうなんですか」
話が終わったら奥の方に案内された
「これだけの人が希望してるわよ」
「うわっ!」
数人ほどだろうと思っていたら希望書が何十枚とあった
「じゃあ私は総統に仕事をさせてくるからあなたは候補を決めといて」
そう言うと副総統は総統の居るであろう方向に行った
さて…決めるか
「まずは…葵ちゃん!?」
いきなり知り合いの紙が!
「うーん…やっぱり知り合いがいると心強いからな」
よし!候補に決定
「次は…堂背か…除外」
これは即決定
「次は…」
そのペースで二十枚ほど見たが、あまりいい人はいなかった
「次は…斉藤君か」
まさか希望してくれるとは…
彼の運の良さは絶対役に立つ!
候補に決定!
「次は…エリスさん!?」
いやいや!!
あの人は主任だろ!
でも…まあ候補に入れておくか…
「次は…」
そのペースで続けていき、何人か気になった人を候補に入れておいた
「こんなもんかな?」
副総統が帰ってくるまで待っておくか…
「お待たせー」
副総統が帰ってきた
…服に返り血が付いている…
こえぇぇぇ!!
改めて副総統の怖さを知ったよ!
「どれどれ…
結構選んだわね…」
そして副総統がみていき
「渡辺…館薙…楢川…
まずはこの人達は除外ね
あまりこの部隊じゃあいい仕事は望めないから」
なんて的確な指摘!
やっぱり仕事が出来ると違うな〜
怖いけど…
「うーん…
エリスは…悩むわね〜…
いろんな意味で」
「いろんな意味?」
何のことだろう?
「まさか…あなた気づいていないの!?」
「何をですか?」
「あーあ…
エリスちゃんと葵ちゃんが可哀想…」
可哀想?
何でだろう?
俺が何かしたのかな?
「俺…エリスさんと葵ちゃんに何かしましたか?」
「…あんた…たちが悪いわね…
自分で気づきなさい」
うーん…
頑張って気づこう!
「これはエリスを入れないわけにはいかないわね…」
「エリスさんは決定ですか」
「あと斉藤、香咲、萩原、金上ね」
残りの二人はまだいちども会ったことがない
うーん…
どんな人だろ…?
「後は部隊の名前ね」
そうだった
名前をまだ決めていなかったんだ
「どんな名前にしますか?」
「[あなたの心の隙間を埋め隊]はどう?」
「謹んで断らせてもらいます」
ネーミングセンス0!!
いくら何でも酷いだろ!!
「自信作だったんだけどね…」
あれで自信作!?
「次はもう一つの候補よ
[そんなあなたを助け隊]!
これでどうだ!」
「嫌だよ!!
それにそんなあなたってどんなのだよ!」
「うーん…これもダメか…
困ったわね…」
「そ、それなら…こんなのは…どうだ…?」
「「総統!?」」
いきなり総統が現れたよ!
しかもボロボロじゃん!
副総統がよけい怖くなったよ!
…でも期待はしてみるか
「[総統モテモテ部隊]…どうだ…?」
副総統はどこからかバットを出して
グシャッ
…なんのためらいもなく総統に振り落とした…
総統はかろうじて息があるみたいだ
副総統…マジで怖い…
「副総統…名前は自分で決めます」
総統に期待した俺がバカだった…
「じゃあどんな名前にするの?」
うーん…
以外と悩むな…
「[請負部隊]ってのはどうでしょう?」
「別にいいんじゃない?」
何か投げやりだな…
やっぱり自分の考えた名前がダメだったからかな?
まあ…原因がそれでも名前は変えないけどね…
いくらなんでも嫌すぎるからな…
「じゃあオフィスに案内するわね」
「はい」
案内されたのは…
「ここ…総統のプライベートルームじゃん!!」
「うん
良い機会だと思ってね
無駄なものをリサイクルする事にしたの」
まあ…確かに総統のプライベートルームは無駄なものだよな
「うーん…
虎の毛皮とシャンデリアは回収しとくわね
電灯は蛍光灯にしとくわ」
「あの…絨毯もカーペットに変えてくれませんか?」
血痕がべったりとついた絨毯なんか使いたくないし…
「良いわよ
じゃあまずは請負部隊主任の初仕事!
選ばれたメンバーに通達してきて
私は総統に仕事をさせるから」
「わかりました
…あっ!萩原さんと金上さんはどこに居るんですか?」
「萩原は戦闘部隊
金上は看護部隊にいるわよ」
どちらも問題なく通達出来るな
…じゃあ行くか
「まずは…看護部隊にいくか」
看護部隊のオフィスに葵を発見した
「葵!」
「あっ!朔さん!」
そう言うとこっちへとすぐさま寄ってくる
なんか犬みたいで可愛いな…
「葵は新しい部隊に希望してたろ?」
「はい
そうですけど」
「明日から新部隊の請負部隊に来てもらうから
よろしくな!」
「は、はい
よろしくですー!!」
「ところで…金上さんはどこかな?」
「金上さんは後ろにいますけど…」
「うわっ!!」
確かに葵が言った通りに後ろにいた…
身長が俺よりも高くガリガリな体をしていた…
後ろにいたのに気配も感じなかった…
何者だよ!
「…どうも…金上幽と申します…
請負部隊ですか…
まあ…がんばります…」
そう言うとスッとどこかへと行った
なんか幽霊みたいだな…
まあ、悪い奴じゃ無さそうだし別に良いか
「次は…戦闘部隊にいくか」
斉藤君はトレーニングをしていた
「斉藤君」
「わっ!
あ、天川さん!」
「明日から新部隊の請負部隊に来てもらうから
よろしくな!」
「はい!よろしくお願いします!」
うーん…良い奴だな…
まともだし…
「萩原さんを知らないかな」
「あちらの部屋にいますけど…」
「わかった!ありがとう」
その部屋に入ってみる
中は簡素な部屋で机には長い髪にキリッとした顔のお姉さんがいた
「萩原さん…ですか…?」
「ああ!
オレが萩原名残だよ!
話は聞いている!
あんたが新しい部隊のリーダーなんだろ?
よろしくな!」
「よ、よろしくお願いします」
「オレは作戦やらそうゆう頭を使う役職なんだ
まあ考慮しといてくれ」
「は、はい」
なんか男勝りな人だったな…
次が最後の科学発明科だな…
「エリスー!!」
「ひ、久しぶりだな天川
あ、会いたかったぞ!」
「久しぶり
今日はお知らせに来たんだ」
「お知らせ!?」
「うん
明日から新部隊の請負部隊に来てもらうから」
それを言うとエリスは
「選んでくれたか!
う、嬉しいぞ!天川!」
そう言うと
「だが…仕事が立て込んでな…
新しい部隊に行くためにも今日中に終わらせるから…
今日はサヨナラだ」
そう言うと少し寂しそうに研究室に向かっていった
「今日はこれで終わりか…
新しい部隊で頑張るかな」
そう言って天川は帰ることにした
「…うう…仕事したくないよ…
お家に帰りたいよ…」
「まだまだ残ってるわよ!
サボってたツケです!
キリキリ働いてください!」
結局、総統が帰れることになったのは三時であった…
ちょっと用事があるので、次話の更新が遅れるかもしれません
ご迷惑をおかけします