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十二属性戦士物語【Ⅳ】――初代の戦い――  作者: YossiDragon
第二章:鎧の帝王の陰謀阻止篇
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第四十一話「大切な人」・2

「グゥオォォォォッ!!!」


 回転のかかった渦潮はオドゥルヴィアの土手っ腹を直撃してそのまま壁に向かって突っ込み激突した。


「ぐはぁッ!!? ここまで来てこの我が押される……だとッ!? そんなこと、何故だ!?」


 理解できない。あまりにも規格外の出来事が連続して脳の思考回路の処理速度が遅れているのかもしれない。だが、厳密的にはそれは違う。実際にはそれを理解出来るだけの力、即ち知識が不足しているのだ。まだ自分には知らない事が多いと、この時オドゥルヴィアは痛感した。知らしめるはずが、逆に知らしめられた。

 これでは自分がバカみたいに妄言めいたものを言葉にしていただけではないか。そう思うと、恥辱を味わされた気がしてどうにも気に入らなかったオドゥルヴィアはさらに激しい負の感情を抱いた。その心の闇に反応したのだろう。漆黒の門から未だに溢れ出ている闇のオーラがオドゥルヴィアの体に纏わりついた。


「まずい、また闇がオドゥルヴィアの野郎にッ!! ……邪魔すんじゃ、ねぇッ!!」


 引き金を引いて銃を発射する暗冷。その弾丸はオドゥルヴィアに向かって直進する。だが、そこで紫音が声を荒げた。


「ば、馬鹿じゃないのかい! さっきそれであの子がやられたじゃないかいっ! またやられたらどうすんのさ!?」


「へっ、そん時はそん時だ。覚悟はできてる! どけ! 鉛玉喰らいてぇのか!!」


 暗冷は身を案じる紫音と側にいた青嵐を押しやり離れさせた。すると、オドゥルヴィアが案の定その弾丸を跳ね返してきた。


――くっ……オレもここで終わりかよ。ケッ、結局鈴華のやつには目にもの見せてやれなかったな。くそ、あいつにも昔のあれの仕返しをしときたかったのによ!



 心の中で悔やんで瞑目した次の瞬間、暗冷は心臓を撃ち抜かれて――。


「あ、……? ど、どうなってやがんだ? 死んで、ね――」


ドグォッ!!


「ぐふぉッ!?」


「クックック、貴様は今……自ら死のうとしたな? 愚かな考えだ。この我がそう安々と貴様らを殺すはずがなかろうッ!! 貴様らは我にこれほどの手傷を負わせたのだ。その罪は背負ってもらわなければならんッ!! 無論貴様ら伝説の戦士は三十一人で一つ。つまり、連帯責任だッ!! せいぜい恨むのならば仲間を恨むのだなッ!!」


 そう言って暗冷に向かって鋭い拳を繰り出した。


「がッ――」


「きゃああああ! いやああ、暗冷くん!?」


 その瞬間、青嵐が多大なショックによってアルドニアによる後遺症から目覚めた。


「あれ!? 何がどうなってるの? どうしてうち、ここに……? って、それよりも暗冷くん! どうしてそんな……嘘、嘘よ! いやだ、死んじゃいけないわ! 逝ってはダメなの! あなたは四帝族の一人、この世界のパワーバランスを守るために存在しないと! お、お願い! お願い目を開けて!!」


 必死にすがりついて涙を流す青嵐。今までの記憶が曖昧なのだろう。どうしてこの場に自分がいるのか理解できない青嵐は、錯乱状態のような感じで必死に自分が仕える主、暗冷の名を懸命に呼び続けた。だが、そこで邪魔が入る。


「どけ、邪魔だ小娘。此奴にはまだ用があるのでな。さぁ、起きろ若造……。まだ貴様には痛みを与えきれておらんぞ? まだ、こんなものでくたばりはせぬだろう?」


 そう言って再び拳を振るうオドゥルヴィア。一発目が頬で次は顔面。


「ぐふっ!」


 暗冷は抵抗もままならず、脳を揺さぶられて意識が朦朧としていた。そして、そのまま地面に倒れ伏して起き上がれなくなった。


「これで終わりか……。一人目に次いで二人目も弱くて失望したわ。……このようなものなのか? 帝族とは。これではその上を行く皇族も話にならなそうだな。それよりもむしろ、まだ民族である貴様ら伝説の戦士に興味が湧きそうだ。まぁ、所詮は神王族から受け取っただけの授かりものの力に過ぎぬだろうが、それでも最初の力が強い帝族の二人よりは長く生きているのだ。これは誇るべき事に値する。さぁて、次は貴様の番か? 弱き主に仕える哀れな小娘よ」


 自分の事かと顔をあげる青嵐。涙はとめどなく流れ続けていて、目も充血していた。だが、言葉を理解して何を思ったのだろう。地面に突いていた手をギュッと強く握り締め再び俯く青嵐。すると、青嵐の肩が震えると共に何やら真っ黒なオーラが見えた。

 それを確認するや否や、まだ無事の伝説の戦士が声をあげる。


「神力の暴走!?」


「くっ、青嵐もかよ!」


「暗冷……を思って」


 乱火、砕狼、そして紫音が歯噛みしながらそう口にした。すると、突然青嵐が声を発した。だが、その声はその場にいる全員をビビらせるほど、予想だにしていなかったものだった。


【……ハハ、ヒヒッ……イヒヒヒハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!! 殺ス、コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス殺シテヤルゥゥゥゥゥゥゥ!!! 死ネェェェェェェェェェェ!!! キャハハハハハハハハッ! アハハハハハハッ!! 力……力ガ溢レテクルゥゥ~、コレサエアレバ殺レルッ!! 暗冷クンヲ殺ッタコイツヲッ!!】


 泣き腫らした目をこすり、目の前の敵を強く睨む青嵐。突如、その場に風浮の倍はあろうという巨大な竜巻が四つ形成された。


「な、何ィッ!?」


 信じられない現象になびく髪の毛に手を添えながらオドゥルヴィアが目を見開く。


【アハハハッ!? ソウダ、コノ力ダァ! オ前ハ絶対ニ手ヲ出シテハイケナイ人ニ手ヲ出シタンダァ!! 報イヲ受ケナケレバナラナイノハ――貴様ダァァァァァァァァァァァ!!!!】


 絶大な魔力を放出して竜巻を操る青嵐。そして、それを一気に自身の手足のように操りオドゥルヴィアに向けて放った。完全に錯乱しきっていて、その瞳は見開かれて獣のように歯をむき出しにする青嵐。


「まずい、このままだと俺らまで巻き込まれる!」


「一旦下がれッ!!」


 乱火が後ずさるのを見て、月牙が急いで皆を後退させる。全員が後退したのを確認すると、オドゥルヴィアを見た。向こうは青嵐が放った四つの竜巻から身を守ることに精一杯でこちらのことなどお構いなしだ。これならしばらく様子見しながら今の状況を整理出来る。


「斑希、今神力の暴走を引き起こしている人数は何人だ?」


「え? えと……最初に天照が神力の暴走を引き起こして、そこから連続的に彪岩さん、翡翠、鋼鉄、風浮、霧矛、靄花、青嵐が暴走したから――八人よ!」


 指折り数えながら確認した斑希が即座にそう月牙に告げる。


「八人か……今のところ瀕死状態で倒れているのが水恋と雷落と光蘭の三人。つまり、合計で十一人か。そして、残っているのが二十人。この八人の攻撃に巻き込まれるのを避けながらオドゥルヴィアを追い詰めるってのは、少し無理があるな」


 月牙は、人数を確認して残っているメンバーの人数を確かめ終えると、顎に手をやり思案した。いろいろと考えてみるが、やはりどれもリスクを伴っていて死の危険と常に隣り合わせという感じになっている。


「むぅ、やはり我々はここでも出番なしか……」


「そうだね、兄さん」


 ガックシと肩を動かして大きく嘆息する俊龍と聖龍。慧もその後に続いてため息をついている。


「このままじゃマズイよ、月牙くん? 未来を見てみたけど、どの未来も暗い未来しか待っていない。どうする?」


「お先真っ暗ってか……。ふっ、まぁ始めから未来が悪いって分かってたらその分気合は入るよな!」


「え? どうして?」


 よく分からないという顔で未來が首を傾げて尋ねる。


「未来が明るいと頑張ってもどうせ明るくなるんだろってなるだろ? でも、もしも未来が悪い方向ならいい方向に変えていい未来にしたいっていう目標ができるじゃねぇか! そういうことだよ!」


「ああ、なるほど」


 納得とばかりに手を打つ未來は、表情をパァッと明るくさせて陽気な顔を浮かべた。その顔を見て、月牙も先程までの深刻そうな顔を少しだけ和らげていた。


「月牙、あれを見て!」


 言われて月牙が声のする方を見れば、そこには鋼鉄球を弾き飛ばしている何者かの姿があった。それは雷落だった。頭部から血を流し、目を真っ赤にしている。体表から溢れ出ている禍々しいオーラから神力の暴走を引き起こしていることは容易に理解できた。つまり、九人目だ。


「ど、どどどどどどうしよう月牙くん!」


 ただでさえ女性恐怖症をこじらせている刻暗が、ここでまた一人女子メンバーが凶暴化したことにより萎縮して体を縮こませて震えた。その姿を見ながら暗冷が嘆息しながら口を開く。


「ったく、てめぇ少しは成長しやがれッ!」


「ひぃぃぃぃ! む、無理だよぉぉ! 僕にはとても……女性恐怖症を治すなんてことは」


「チッ! だったらせいぜいオレらの足でまといにはなんなよな!!」


 暗冷がそう冷たく言い放ち拳銃を構えてオドゥルヴィアに向けた。向こうもこちらには気づいているようだが、未だに攻撃をやめない神力の暴走状態の戦士を相手にしていて手が出せなかった。


「そういえば、光蘭は!?」


 鋼鉄球と壁との間に挟まれたのは雷落だけでなく光蘭もだったはず。しかし、光蘭の姿がない。つまり、神力の暴走を引き起こしてはいないということ。だとすれば、まだ近くにいて気絶しているのかもしれない。だとすれば、暴走状態の雷落の側にいさせるのは危険だ。

 そう判断した斑希は危険を顧みず、電撃を周囲に向かって迸らせている雷落の横を通り過ぎて光蘭を救出しに向かった。


「斑希ッ! くそ、あのバカッ!!」


 斑希を止めようと声をかけるが、その声は届いておらず自分も追いかけようとしたところに、雷落の電撃攻撃によって阻害される。


「こうなったら相性的にもこちらの方が有利だし……砕狼! 砂唯! 雷落を食い止めてくれッ!! 少しでも暴走しているやつらの相手をしないように数を減らす! そのためにも傷つけずに倒すんだ!!」


「うへ~!? ムリムリィ~、そんな器用なこと、わたしにはムリだよぉ~!」


 泣き言を言ってその場にペタンと座り込む砂唯。しかし、そこで砕狼が叱咤する。


「甘えんな! お前約束しただろ? もうあの約束忘れたのか? いいか? 嘘ついてた方が相手の言うこと、何でも聞くんだからな?」


「わ、わかってるよ! 言われなくても……。見ててよ、ガローくん? わたしが弱いって照明してあげる!」


 そう言って砂唯は荒れ果てた大地にその手を触れた。

 刹那――ザバァァァァンッ! と地面が砂と化して砂唯の支配下に堕ちた。


「いっけぇええええ!」


 まるで手足のように砂を操る砂唯は、一気に雷落を拘束した。


「ふぅ~どんなもん――は! し、しまったぁあああああ!」


「ほ~れ見ろ! やっぱり嘘じゃねぇか!!」


「ち、違うんだよ! こ、これはその――そう! これは何かの陰謀に違いない! そうだ、そうなんだよガローくん!」


 どうにかして自分がやったのではないと主張したいらしい砂唯だが、はっきりいってそれは苦し紛れの言い訳にしか聞こえなかった。それは周囲にいる誰もが思った感想で、それをわざわざ口にするほどのことはしなかった。

 それに、そのようなことをせずともトドメは砕狼がさしてくれるから。


「ま、言い訳はいいから。てことで、お前は嘘をついたから俺の言うこと何でも聞くってことで!」


「そ、そんなあああああああ! お願い、お願いだから優しいお願いにして!」


「まあそれは俺の気分次第ってことで……。てことで、とりあえずお前は雷落を捕らえたままにしとけよ?」


 ビシッと人差し指を鼻先に突きつけて命令する砕狼。まだ十代前半である砕狼も、砂唯に対しては強気だった。まぁ、一番扱いやすい相手であり、近しい関係でもあるわけなので無理もない。

 とりあえず砂唯は命じられたままに雷落を拘束し、野放しのまま暴走を引き起こしているのは八人に戻った。


「何とかして、八人の魔力を途切れさせずに元に戻したいけど、そのためには幾分かオドゥルヴィアの体力を削ってもらっていないといけないし……。そんな複雑な作戦、通用するの?」


 いまいち無理があるだろうと眉を下げる凛。だが、月牙はそれでもあとには引けないという面持ちで言った。


「通用するかどうかじゃない。通用させるしかないんだ! そのためにも、暴走を引き起こしていない俺達で暴走しているやつらを上手く誘導させるんだ!」


「誘導? それはどういうことなんだい、月牙くん?」


 刻暗の質問だ。なるべく女性陣から離れた位置に立ったまま、不安そうに片方の肘をもう片方の手で掴んでいるという格好。月牙はその質問に周囲のメンバーにも聞こえるような声量で応えた。


「いいか? 今持っている俺たちの情報だけじゃ神力の暴走を引き起こしているこいつらの手綱を操るのは至難の業だ。だから、今回は力を使わせるのを無理やりじゃなくて向こうからやりたくなるようにするんだよ」


「ん? どういうことだ? 月の坊主、よくわからんぞ?」


 顔をしかめて妖燕が腕組みしたまま唸る。


「なんて言えばいいんだ? えと、俺たちが囮になってあいつらが放った攻撃をオドゥルヴィアに当てさせるんだよ」


「なるほど、そうすればオドゥルヴィアにダメージが蓄積するわね」


 納得とばかりに斑希が手を叩く。だが、それだけではまだ問題があった。その点を癒宇がここぞとばかりに追及しようと口を開く。


「よろしいですか? もしもオドゥルヴィアに当たらなければどうなるのでございましょう?」


「うぐっ……今言ったとおり、そこが問題なんだ。どうにかして強制的に技を当てたいんだが、そう上手くいくとも思えない。だから、これははっきり言って賭けに近い。せめて暴走しているやつらに自我があれば操れるんだが、どうやらあいつらは俺たちとオドゥルヴィアの見分けがついてないみてぇだし」


「てことは、俺らも敵に見られてるかもしれねぇってことかよ!?」


 砕狼が目を見開いて問い詰める。


「ああ、……かもしれない」


 顔を俯かせて月牙は静かに応えた。


「でも、こうしている間にも仲間が強制的に魔力を周囲に撒き散らされて苦しんでいるんだよ? 助けないわけにはいかないよ」


 未來が眉を釣り上げて真剣な面持ちで言う。その言葉に他のメンバーもゆっくり頷いた。

 手段を選んでいる暇はない。事は一刻を争うのだ。いざとなれば差し違えてでも倒す覚悟で挑まなければ、あの最狂にして災厄の存在、魔豪鬼神オドゥルヴィア=オルカルト=ベラスを倒すことはできない。

 そう思うと必然、覚悟を決めるしかなかった。ゴクリと息を飲み喉を湿らす。拳を強く握り、暴走している伝説の戦士に攻撃されまくりながらもそれを全て躱しているオドゥルヴィアを睨み敵の位置を確認した。


「しょうがない、いっちょやるか!」


 乱火が手のひらに拳を打ち付けて気合を入れる。他のメンバーも武器を携えて構えを取り、戦闘態勢に入った。

 すると、僅かながらに殺気を感じ取ったのだろう。オドゥルヴィアがこちらを一瞥して二十人の伝説の戦士を見つめる。


「よもやここまでの力を秘めているとはな。ただの人間に慰みの力を授与されただけだと思って油断しておったわ。クックック、しかし……それでもまだ我には届かぬ。現にまだ我はこうして立っておるのだからな。くっくっく……さぁ、貴様らの力は如何程のものか我に確かめさせてくれ」


「けっ、残念だがオレらは負けねぇ! 負けんのはてめぇの方だぜオドゥルヴィアッ!!」


 暗冷がメンチを切るようにいかつい顔を作り、銃口をオドゥルヴィアの顔面に突きつける。


「クッ!? この我に銃口を向けようとは何という愚かな……! こうなれば、貴様らも覚醒に陥らせてくれよう。人数が減れば減るほど貴様らへの被害も大きい。負けるのはどちらなのか、はっきり見せつけてくれるわッ!! グッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」


 そう言って姿を消すオドゥルヴィア。どこかへ逃げたのは確実。二十人の伝説の戦士は慌てて周囲を見渡し不意打ちされないように武器を構えた。必然的に円形の形になり、互いに背中を向ける。

 と、その時、よからぬ敵が現れた。そう、仲間である伝説の戦士だ。神力の暴走を引き起こしているため、無論こちらの事は分かっていない。そのため、容赦ない攻撃が遅いかかってくる。そして、その標的は刻暗だった。


「ひぃッ!」


 目の前に迫り来る敵影を確認し、その正体を知るや否や悲鳴をあげる刻暗。無理もない、攻撃してきたのは女子の戦士だったのだから。


「くそッ! あいつら、ホントに自我ねぇのか? 何で刻暗のところにばかり女子が攻撃していくんだよ!!」


「ヒヒッ、なめられているんじゃあないかい? それに、鎖神くんは女性恐怖症だということを表に堂々と出し過ぎているからねぇ~。現にあの顔色っぷりを見れば一目瞭然としか言いようがないよ。ヒヒッ、これでは襲われてしまうのも無理ないねぇ」


 身長の低い猛辣が相変わらずの不気味な笑い方に付け加えてメガネを怪しく光らせ口の端を吊り上げる。


「刻暗、逃げろッ!!」


 月牙にそう言われて慌てて足をもつれさせながら女性戦士に背中を向けて逃げ出す刻暗。すると、その逃げる先にオドゥルヴィアが待ち構えていた。


「うっ!?」


 慌てて立ち止まり引き返そうとする刻暗。しかし、後ろからは霧矛や靄花達伝説の戦士の少女メンバーが迫ってきている。

 刻暗は逃げ場所を失ってしまった。急いで助けに向かおうと他の伝説の戦士が歩を進めようにも、仲間ではあるものの暴走状態にあるメンバーに邪魔されて助けに行けない。


「みなさん、しっかりしてください」


 葡豊が暴走状態にある鋼鉄や彪岩、風浮、雷落達に声をかけるが向こうはガルルルと歯をむき出しにしてこちらを威嚇してくるだけだ。ただ、不思議と攻撃はしてこなかった。それが何故なのかは分からなかったが、極力攻撃して傷つけることだけはしたくなかったこちら側としてはありがたかった。

 一方で刻暗はオドゥルヴィアに翻弄されていた。

というわけで、二部めですが瀕死に陥っていた伝説の戦士までもが神力の暴走を引き起こして暴れだしました。いやはや、オドゥルヴィアは容赦ないですね。さらに、今度はその矛先が刻暗に向けられると。

というわけで、三部に続きます。

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