プロローグ
昔々、世界は突如として誕生した。二人の神は四人の神を生み出し、その四人の内の三人は自然界三大神と呼ばれ、あとの一人は大いなる力を持つ神として崇められた。
やがて、自然界三大神と大神が協力し、一つの惑星が誕生した。美しき惑星は神々を魅了し、虜にしていった。
そんなある日、大神が四人の神を生み出し、世界のパワーバランスを調整するために世界四大神という役職に付かせた。
事件は突如として起こるものだ。そして突発的に発生した事件は不幸を呼び、世界を変えた。大神が重い病気にかかり、誤って生命の種を美しい星、ウロボロスに撒いてしまったのだ。その結果、ウロボロスには様々な生命が生まれ、その一つに人間というものが誕生した。自ら進化を繰り返し、知識を求め、文化を発達させる。人間は神々に近しいものがあった。だが、その力の差は歴然。神々はすぐさま人間を滅亡させてしまおうと考えた。だがその脅威が分からない以上、すぐに殺してしまうのは悪いという意見もあり、自らの志願で太陽の神と月の神が調査のために下界へ降りた。
不幸は連続で起こるものだった。誤って二人の神が人間に見つかってしまったのだ。人間は即座に二人の神を囲い、そしてその神々しい輝きとオーラに平伏した。だが、ここで二つの人間が生まれてしまうことになる。そう、神を崇め奉り守る人間と、神を自分の物にして隷属させるという人間だ。この二つはやがて光の戦士と闇の戦士とに分かれ、一つの戦争を勃発させてしまった。
それが第一次光闇戦争と呼ばれるものだった。
そして、それが次なる戦争の引き金になってしまうことになる。
美しい星は闇に染められ、心を闇に喰らい尽くされた人間は我を忘れ戦いを続けた。だが、真っ黒な惑星にひと握りの光があった。光の戦士の生き残りと子孫だ。彼らはクロノスという組織を立ち上げ、行動を開始した。さらにそれを目撃した太陽の神と月の神が協力し、何とか光の戦士は闇の戦士に立ち向かうことが出来た。だが、そこで邪魔が入った。そう、闇の神と暗黒の神。この二人が何のためか闇の戦士に加担し、対抗してきたのだ。結果は相当な被害を生み出したが、それでも何とか勝利を収め、闇の戦士は漆黒の門の向こう側の空間へと封印された。
だが、時は既に遅かった。怒りを抑えきれなかった神々がその力を持って進撃してきたのだ。人族と神族は互いに争い、第一次神人戦争を引き起こした。
初代十二属性戦士……。それは、十二属性戦士が一番初めに誕生した時につけられたもの。しかし、実際のところ彼らが本当に初代なのか、それともそれよりも以前から存在していたのかは定かではない。さらに、その当時では十二属性戦士などとは呼ばれておらず、伝説の戦士としておとぎ話のような扱いで人々に知られていた。惑星『ウロボロス』に広がる大地。そこに、大きな四つの帝国と七つの小国があった。四つの帝国は大きな力を持ち、均等なバランスを保っていた。しかし、ここ最近ではその均等なバランスも崩れつつある。
大きな四つの帝国は各々『フレムヴァルト帝国』、『ウォータルト帝国』、『リーヒュベスト帝国』、『エレゴグルドボト帝国』となっており、それらを治める四つの一族もあった。順に、『鳳凰一族』、『霧霊霜一族』、『嵐一族』、『鎧一族』だ。中でも鎧一族は悪い噂が絶えず、評判はとても悪い。
十二属性戦士には、七つの小国の一つ夢鏡王国の上空に存在すると言われる『神王族』の血縁関係――即ち、『神の力』を持つ者がなれるとも言われている。しかし、その他にも様々な条件があったりなかったりもしている。
そして、初代十二属性戦士についての過去が今、明らかになる……。
いよいよⅣ始まりました。第一話早々にもう事件勃発なのでお楽しみに。