表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブレインキラー  作者:
5/80

第一ゲーム 『ロジックキューブ』 その5

 カチリ――

 そんな音がして、南京錠が外れる。

 純也は転がり出るようにドアの向こうへと飛び出した。

 残り時間は二十五秒を切ったところで止まっていた。


「た、助かったのか……」


 ピッと端末が鳴る。純也は心臓が止まるのではないかと思うほどに驚き、そして端末に視線を落とす。


『 おめでとうございます。

  あなたはロジックキューブをクリアーされました。

  次なるゲームがお待ちです。

  そのまま広間へとお進みください。

                               』


 次なるゲーム。こんなゲームがまだ後三つも存在するのか?

 軽い眩暈を覚え、純也は壁に寄りかかった。

 壁は冷たいコンクリート製で、人が二人並んで歩けるほどの通路がまっすぐに伸びていた。

 通路の先は闇に包まれていて、何も見えない。

 まるで大きな怪物の腹の中にいるようだ。

 そんな感覚がして、ぞっと肌に粟が立った。

 しかしここでこうしていても仕方がない。

 生きてここから出るには、残りの三つのゲームをクリアーするしかないのだ。

 そこでふと純也はあることを思い出し、端末を操作した。

 選択したのは『ソフト』という項目。

 『ソフト』というのは、この端末に備わった機能のことだろう。

 もしかしたらこの建物の地図などが入っているかもしれない。そんな希望を胸に純也は『ソフト』を選択したのだが、

 ピピピッという短い電子音の後、端末に文字が表示される。

 


『あなたの端末にはソフトがインストールされていません。

 インストール後、再度選択してくだい』


 と表示された。

 純也はため息をつき、端末をポケットにしまった。


「とりあえず道なりに進めばいいのかな?」


 ごくりと唾を呑み込み、純也は通路を歩く。

 純也のいた部屋とは違い、通路はしっかりとした造りになっていた。

 歩くたびに、コツンコツンと低い音が反響する。


「迷路だな、まるで……」


 どこまでも続く壁、壁、壁。

 途中にいくつか部屋を見つけたが、中は物置になっていることがほとんどで、人のいる気配は感じられなかった。

 どれぐらい歩いただろうか。

 やがて開けた場所へと出た。

 円状に広がる空間、中には年齢性別がばらばらな十二人の人間がいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ