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ブレインキラー  作者:
42/80

第三ゲーム 『ロール』 その6

 守衛室と呼ばれる部屋は狭かった。二畳ほどのスペースだろうか。隅に置かれた机の上には二枚のカードが置かれている。その奥にはエレベーターがぽつりと設置されていた。どうやらこれで上のフロアーへと上がるようだ。

 純也は机の上のカードを一枚手に取り、端末に読み込ませる。

 ピッと端末から音が鳴り、読み込み完了。

 純也は第三ゲームの詳細を開いてみた。


  第三ゲーム ロール


  あなたの役職は【王】です。


  詳細 圧政を強いる暴君。民からの反発も強いが、それを力で抑え込んでいる。

     自身の地位に強く固執しており、王の座を奪いかねない王子と王女の存在を恐れている。


  スキル 圧政

     発動するスキルを一度だけ無効化出来る。

     その際、スキル使用者を殺害出来る。


  勝利条件 一 王子と王女の殺害

       一 王の証を所持し、玉座への到達


  

  残りターン  三十



  次へ                                 』



 表示されたのはこれだけだった。


「王……」


 それが自分の役職。圧政を強いる暴君。

 スキルが何を意味しているのかは不明だが、何より目を引くのは勝利条件のところだった。


「王子と王女の殺害……」


 殺害とは何を意味しているのか。まさか本当の殺人を意味しているわけではないだろうが、物騒な言葉だった。

 扉は九つある。つまり役職も各々違ったものになっている可能性がある。

 王子と王女の役職は誰なのか。

 次へ、と書かれたところを選択してみる。

 すると画面がスクロールし、新たな説明文が表示される。



『     スキル一覧


 【王】  圧政

      発動するスキルを一度だけ無効化出来る。

      その際、スキル使用者を殺害出来る。


 【王子】 謀殺

      隣接するエリア内に存在する役職を殺害出来る。         


 【王女】 聖女

      指定した役職の死を自身が引き受ける。


 【騎士】 忠誠

      【王女】が指定した役職を自身の命を代償に殺害する。


 【平民】 魔女狩り

      【魔女】が同エリアに存在するとき【魔女】を殺害出来る。


 【魔女】 身代わり

      指定した役職の死を一度だけ無効化出来る。


 【妖精】 悪戯

      指定した役職を一度だけ入れ替える。


 【狩人】 狩猟

      【魔物】を殺害出来る。


 【魔物】 悪意の牙

      同エリア内にいる役職を殺害する。


                                          』


 表示されたのは各役職の持つスキル一覧だった。

 王、王子、王女、騎士、平民、魔女、妖精、狩人、魔物。計九つの役職。

 つまり【王】である純也を除けば、後の八人は【王】以外の役職のどれかについているということになる。

 ざっと目を通し、スキルを把握した純也は、次にもう一枚のカードを端末に読み込ませる。

 確認音の後、ソフトの項目欄に更新マークがついた。ソフトを選択すると、MAPの他に新たな項目が増えていた。


「メール?」


 表示されていたのは、メールという項目。試しに項目を選択してみるが、条件を満たしていないため使用できませんの文字。

 他にカードがないか探してみたが、この二枚以外には見つからず、純也は先に進むためにエレベーターのボタンを押した。

 ポンという電子音がして、すぐにドアが開く。

 中は人二人が並んで立てるかというほどの広さだ。階層を表すボタンのところには、守衛室と王国と書かれたボタンが上下に並んでいる。

 王国と書かれたボタンを押すと、エレベーターが上昇を始める。

 これから始まる第三のゲーム。他のメンバーはどんな役職に就き、どういう勝利条件を持っているのか。

 やがてエレベーターの上昇が止まり、ドアが開かれる。

 純也を出迎えたのは、正方形の形をした小さな部屋だった。

 東西北にバルブのついたドアが設置されている。方角が分かるのは、ドアの上に方角を示すアルファベットが書かれているからだ。


『一ターン目です。プレイヤーは行動を選択してください』


 やはり天井に設置されたスピーカーから、妖精の声が発せられる。

 こうして、第三のデスゲームが幕を開けた。

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