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ブレインキラー  作者:
34/80

インターバル2 『休息』 その3

「みんなで、か……」


 純也と美耶子の会話を聞いていた伊月は、思わずそう呟いていた。

 そんな伊月のところへ、同じく二人の会話を聞いていた留美が近寄ってくる。


「美耶子君の言う通りだね。月村さんを助けられなかったのは、伊月君のせいだけじゃない。あたしたち、みんなの罪だ。だから伊月君が一人で背負い込むことじゃない。あたしたちにも背負わせてくれないかな?」


 留美はそう言って微笑む。

 伊月はどう答えたらいいのか悩み、頷きだけを返した。

 純也と美耶子は今は眠っている。扉にもたれかかり静かに寝息を立てる純也と、彼の肩に頭を乗せて眠る美耶子。

 そんな二人を見つめながら、このグループの中にいて良かった。素直にそう思えた。

 人を騙し、殺さないと生き残れないゲームの中で、人を信じて支えあっていこうとする、そんな尊いものを感じることが出来たから。

 だからこそ思う。

 この輝きを燻ぶらせてはならないと。

 恐らく今後のゲームはより過酷になっていくだろう。その中で人を傷つけ、殺さなければならない状態が出てくるかもしれない。

 そのときは彼らの代わりに自分がやろう。

 この子供たちの純真さを汚してはならない。そういうことは大人がやるべきなのだ。


『あの子たちを、お願い』


 そう託した玲子の言葉を思い出す。

 玲子は伊月に全てを託した。だから自分が子供たちを守らなければならないのだ。

 そのためなら――


(田嶋、次のゲームでお前を殺す……)


 伊月はそう心に決めたのだった。


 そして休息は終わり、次なるゲームが始まる。


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