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16 第一次部屋内大戦~少年の苦労、少女知らず~

タイトルがいつもと違ってます。・・・いいタイトルが浮かばなかったので・・・


今回もまた、レンが大変な目に遭います。レンは何も悪くない。なのに被害が及んでしまう。


・・・一応言っておきますが、レンが悪いとするならば、精霊少女達を意図せぬうちに落としていること・・・ですかね?そうじゃなかったら知りません(笑)

「・・・んっ・・・!」



深夜。精霊達が眠っている頃。レンは1人課題をこなしていた。課題内容は・・・人と精霊の共存までの歴史をまとめるもの。



「昔人間は精霊を道具のように扱い、また人型の精霊に限って人体実験の道具として使ってきた・・・その後の精霊暦319年、精霊が人間に対して反乱をおこし、第一次人霊戦争勃発・・・」



少なくとも1時は回った現在、レンは未だにレポートを書き続けていた。



「・・・ふぅ、これでやっとまともな文になった・・・書きなおして5回目だよ・・・」

「お疲れ様」



不意に聞こえた声に振り向くと、そこにはシンシアがいた。



「あれ、シンシア?いつもならもう眠ってるはずなのに・・・」

「今日に限って目が覚めただけ。ずっと目を覚ましていた、なんてことはないわ」

「そっか」



シンシアはレンの手元を見た。そこには期限にはまだ余裕があるレポートがあった。



「・・・レン、このレポート・・・まだ期限には余裕があるはずよ?」

「そうなんだけど、やれる時にやっといて少しでも楽できたらなって思って」

「ふぅん・・・」



シンシアは少しだけ考える。考え終わったシンシアは後ろからレンに抱きついた。



「わっ!?し、シンシア!?」

「少し頭を休めた方がいいわよ。あまり根詰めてやって変なもの出来上がるってのも嫌でしょう?」



後ろから抱きつかれたレン。頭にはシンシアが自分の周囲を冷気で冷やしているための涼しさと、シンシア自身の温かさ(とシンシアの胸の柔らかさ)を感じていた。



「だから、今日はもう寝ましょ?暑いなら私が冷やしてあげるわ」

「そ、それは・・・お、お願いしようかな・・・」

「ふふっ、仰せのままに」



シンシアはレンがベッドにもぐりこんだのを確認した後、レンのいるベッドに入り込んだ。頼まれた通り、レンを冷やすため・・・なのは建前で、実の目的はレンと共に寝るためだった。









































「こらーっ!!」

「うわぁっ!?」



朝一番、リリティアの怒鳴り声でレンは目を覚ました。



「・・・なによ・・・朝から騒々しいわね・・・。・・・レン、おはよ♪」

「おはよ♪じゃないのーっ!!レンは私の旦那様だって何度言えば分かるの!?」

「・・・あら、気にくわない言葉が聞こえたわね・・・」



朝からリリティアとシンシアの言い合い勃発。起きてきたシルディアはいそいそとキッチンに逃げ込んでしまい(レンのことは気になるが、レンと契約している2大強力精霊が言い合っているのを見ると、やはり怖いということがあった)、ルナーリアはと言うと・・・



「ごしゅじんさまー♪」



相変わらず2人に物怖じすることなく抱きついていた。



「・・・こうなったら一度本気で決着付けた方が良いみたいだね・・・」

「・・・そうね、一度白黒つけた方がよさそうね。どっちがレンに相応しいか」



ついにリリティア・シンシアの間に火花が散った。最早臨戦態勢なのは間違いなく、互いに睨みつけ合っていた。



「え、えーっと・・・2人とも・・・仲良く・・・ね?」



レンが2人の間に仲裁に入っていった・・・が。



「ふぎゅっ!?」

「レン、私の体の方がふにふにで柔らかくて気持ちいいよね!?」

「レン、私の体を自由に弄ってもいいのよ?」



突然2人にサンドイッチにされたレン。珍しく顔が挟まっていないという状況だが、左右から抱きつかれているため、少女2人の柔らかさはしっかりと感じていた。



「私がレンの一番だもん!」



左からはリリティアのメロンが押し付けられ。



「私がレンの一番よ!!」



右からはシンシアのスイカが押し付けられていた。・・・その上・・・



「ごしゅじんさまのいちばんはわたしだもーん!!」



真正面からルナーリアのワンランクサイズアップしたスイカが押し付けられた。



「うー・・・」



シルディアだけは何もできずに唸っていた。ホントは何かしたい(抱きつきたい)が、恥ずかしいのと周りの圧倒的戦力(主に胸とか胸とか胸とか)のせいで動けずにいた。



「ちょ、皆、止め・・・」



レンは必死になって3人を宥めようとした。・・・が。



「レンと結婚して赤ちゃん産むの私なのー!!」

「それは私よ!貴方達のようなお子様じゃ子どもを産む以前に育てられないわよ!」

「るなーりあがなるのー!!」



ついに3人の発言は将来の自身の出産レベルにまで至っていた。



「え、えと、あの、出産って・・・その前に堕ちちゃわないですか・・・?」

「そ、そうだよ!わぷっ、皆が堕落するのは嫌だよ!?」



堕落・・・精霊がある(悪い方向の)条件を満たした時、その欲望に忠実となり、それだけしか考えられなくなる状態のことである(既にあの3人はそうなっていてもおかしくないのだが・・・それはまぁ・・・愛が成せる奇跡ということで?)。


シルディアがその忠告をしたが・・・



『そんなの気にしない(よ/わ/もん)!!!』

「ご主人様のために気にしましょうよ!!」



シルディアが引き剥がそうと必死になるが、力及ばず振り落される。そして・・・



「・・・こうなったらみんなまとめてるなーりあがやっつけちゃう!」

「そう簡単には・・・やらせないよ!!」

「私が・・・皆蹴散らしてあげるわ!」



一斉にレンから離れた瞬間だった。



「すべてをやきつくせ、ぐれんのほのおのたつまきよ!」

「仇為す者、その全てを闇にて汚せ!」

「凍てつく風よ、その全てを包みて砕け!」

「えっ!?」



3人が同時に詠唱を始めた。・・・その詠唱は・・・明らかに精霊魔法。レンが気がついた時には既に時遅し・・・



深淵の布アビス・クロス!」

「ばーんさいくろん!!」

氷結葬フロストアウト!」











































瞬間、レンの部屋は大きく揺れた。無理もない、最上位と準最上位、そして最上位以上の魔力を持つ下位精霊がほぼ同時に強力な精霊魔法を発動したのだから・・・











































巨大な音に慌てて現れた教師たちが見たものは、小さい術を連発して打ちあう3精霊と、氷、黒焦げ、何かよく分からない物質の3つで彩られた(というのもおかしいが)レン、そしてそのレンを必死に癒すシルディアだった。











































その頃。



「・・・どう・・・なったんですか・・・?」

「・・・はっきり言います、今のあなたは・・・昇格して上位の精霊となっています。搬送されてきた頃より力が増したからでしょうね」



1人の少女が話を聞いていた。自分の状況を聞いていたのだ。



「それに、もう影響は見られないようです。・・・今後、どうされますか?あなたの意思を尊重しますよ」

「・・・それなら・・・」



少女は大きく息を吸って、告げた。



「1つ・・・お願いがあるんです」

「はい、可能な限りこちらで対処しますよ」



その一言にほっとしたのか、安堵のため息を漏らした彼女。そして、本心を告げた。









































「ボクは・・・どうしても契約したい人がいるんです。・・・ボクの命を・・・精霊としての命を・・・身を呈して救ってくれたあの人と・・・」

次回は・・・なんとなーくフラグが立っていたあの子が再登場!


性格については・・・多分類を見ないものになるかと・・・思いますん(どっちやねん)。

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