約束
デュートはその場にしゃがみ込み、力なくつぶやいた
「おわったよ、メイサ」
「お前の剣は取り返した」
「こんなものの為に・・・」
「この剣さえなければ」
デュートの語気は自然と強まっていった
「見つけなければ良かったんだ、こんな剣!」
「メイサ、お前がいなかったら」
「何を手に入れたって意味が無いだろ!」
「うおおおぉ!」
デュートは『響狼の剣』を持って立ち上がり、力を込めて地面に叩きつけた
響狼の剣は小さな音を立て
まるで自分からそうしたかのように
美しい光を放ち
剣身は2つに分かれた
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デュートは涙ぐみ、ただそこにたたずんでいた
剣の輝きが消えると、彼の横にうっすらとメイサの姿が浮かび上がった
「デュート・・・」
「聞こえる?」
デュートには、すぐ隣に立っている彼女の姿が見えなかった
前を見たままデュートはこたえた
「メイサ?」
メイサは彼の声を聞くと言葉をつづけた
「ありがとう」
「私、あなたと冒険できてよかった」
「本当よ」
「あのとき、誘ってくれてうれしかったな」
「私、あの村ではずっと何かのキッカケを待ってたような気がするの」
「不自由のない生活を送っているのに、なにか足りないって思ってた」
「あなた、私を旅に誘うときに言ったわよね」
『運命は自分で切り開くもの』
『与えられた幸せじゃ満足できない』って
「本当だね」
「この旅に出るまで知らなかった」
「命をかけて何かに打ち込むことが、こんなに素敵だなんて」
「ねえ」
「知ってた? デュート」
「あなたが、伝説上の存在『永遠に失われることのない宝物』を探すんだって言ったとき
「私、信じることにしたんだ」
「宝物があることじゃなくて、あなたのことを…」
「私の旅はここで終わり」
「でも、」
「ねえ、デュート」
「私、生まれ変わっても」
「またあなたと冒険をしたいな」
「『永遠に失われることのない宝物』見つけてね」
デュートは心の中でメイサに思いをつたえた
「ありがとうメイサ」
「2人の夢をかなえたら」
「そうしたら会いにいくから」
「それまで待っててね」




