表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「役立たずの荷物持ち」と勇者パーティを追放された幼女(10歳)ですが、実は世界システムの「管理者(アドミニストレータ)」でした。  作者: NN


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/30

第29話 鋼鉄の乙女(ロボ)と、究極合体

「行くわよ、プリティ・ガーディアン! 『ラブリー・ミサイル』発射ですわ!」


 エレオノーラがコックピット(玉座)で叫ぶと、巨大ロボの肩部装甲が開き、無数のピンク色のミサイルが発射された。

 弾頭はすべてハート型だが、着弾すれば物理的に痛い。


「避けて! 当たると『メロメロ状態(行動不能)』になるわよ!」


 私は叫びながら横っ飛びに回避する。

 ドカァアン!

 床が大爆発し、ハート型の煙が上がる。ふざけた見た目だが、破壊力は本物だ。


「くっ、このままじゃジリ貧だぞ! 対抗手段はないのか!」

 ヴェルがPCを盾にしながら叫ぶ。


「あるわよ! こっちもロボットを出せばいいのよ!」

「は? そんなもの持ってるのか?」

「今から作るのよ! ……『System Command: Material_Synthesis (物質合成)』!」


 私は周囲にあるものをスキャンした。

 破壊された猫耳ゴーレムの残骸、厨房の冷蔵庫、ヴェルのゲーミングPC、そしてカイルが持っていた伝説の剣。


「これらを全部くっつけて……合体ッ!!」


 ガシャン、ガシャン、ギュイーン!

 光の中でガラクタたちが融合していく。


 そして完成したのは――。

 冷蔵庫の胴体に、ゴーレムの手足が生え、頭部がゲーミングPC(RGB発光)になった、歪な人型ロボットだった。


「……ダサい」

「うるさいわね! 性能はいいはずよ! 乗りなさい!」


 私とヴェル、カイル、フリージアの4人は、無理やりコックピット(冷蔵庫の中)に乗り込んだ。

 狭い。冷たい。キムチの匂いがする。


「アリス様、狭いです……!」

「我慢して! 起動するわよ! 『System Boot: Junk_Warrior (ジャンク・ウォーリアー)』!」


 ブォンッ!

 冷蔵庫ロボの目が七色に光り、立ち上がった。


「あら、何ですのそのゴミの塊は? わたくしの美学に反しますわ!」

 エレオノーラが嘲笑う。


「美学なんて関係ない! 勝てば官軍よ! 行くわよみんな!」

「おう!」


 ジャンク・ウォーリアーが走り出す。

 プリティ・ガーディアンが巨大なステッキ(鈍器)を振り下ろしてくる。


「『冷蔵庫シールド』展開!」

 ガキンッ!

 左腕のドアが開き、冷気が噴出してステッキを受け止める。


「カイル、剣を使って!」

「了解! 『エクスカリバー・ソード』!」

 右手に持った伝説の剣が輝き、ロボットのパワーで増幅された斬撃が放たれる。


 ズバァアン!

 プリティ・ガーディアンの装甲が切り裂かれ、フリルが舞い散る。


「きゃあっ!? わたくしの可愛い機体が!」

「今だヴェル! ウイルスを流し込んで!」

「任せろ! 『トロイの木馬カオス・バージョン』注入!」


 ヴェルが機体制御PCから直接ハッキング攻撃を仕掛ける。

 接触した箇所から、黒いノイズがプリティ・ガーディアンに侵食していく。


『警告、警告。システムに重大なエラーが発生。可愛さ数値が低下中……』


「いやぁあ! 画面がブルースクリーンに!? 再起動しませんわ!」


 エレオノーラのロボットが機能を停止し、膝をつく。


「トドメよ! 『アルティメット・ジャンク・クラッシュ』!」


 私たちのロボットが空高くジャンプし、全重量を乗せた踵落としを炸裂させた。

 ドガァアアアンッ!!


 プリティ・ガーディアンはバラバラに砕け散り、コックピットハッチがパカンと開いた。

 中から、煤だらけになったエレオノーラが放り出される。


「きゃふっ……」

 彼女は目を回してダウンした。


「……勝った」

「勝ったけど……」


 私たちは冷蔵庫から這い出した。

 勝ったはずなのに、なぜか敗北感があるのは、乗っていた機体がダサすぎたせいだろうか。


 ともあれ、OS戦争は終結した。

 ピンク色の結界が消え、聖女宮に本来の青空が戻ってくる。


「これでやっと、アップデート地獄から解放されるわね」


 私はホッと息をついた。

 しかし、倒れたエレオノーラの胸元から、何かが転がり落ちた。

 それは、黒い封筒だった。


 見覚えがある。

 かつて私が魔王から受け取ったものと同じ、招待状だ。


「……これ、もしかして」


 私が拾い上げると、中にはこう書かれていた。


『拝啓、管理者各位。

 予選通過おめでとう。

 そろそろ「本戦」を始めようか。

 ――世界システム創造主ゲームマスターより』


「……は?」


 私とヴェルは顔を見合わせた。

 予選? 本戦?

 どうやらこの戦いは、もっと大きな「何か」の手のひらの上だったらしい。


(第30話へ続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ