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「役立たずの荷物持ち」と勇者パーティを追放された幼女(10歳)ですが、実は世界システムの「管理者(アドミニストレータ)」でした。  作者: NN


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第15話 尋問(ティータイム)と、世界のバグ

 灼熱地獄と化した砦の一室。

 私はシステム権限で『業務用クーラー』を設置し、ガンガンに冷房を効かせていた。


「あぁ……涼しい……生き返る……」


 元・氷結の魔女フリージアは、クーラーの吹き出し口の前でへたり込んでいた。

 彼女のトレードマークだった氷のドレスは溶けて半袖になり、今は私が貸してあげたジャージを着ている。威厳ゼロだ。


「さて、尋問を始めます。正直に答えたらアイスコーヒーをあげるけど、黙秘したら暖房28度にするから」

「ひっ!? 答える! 何でも答えるから熱気だけはやめてくれ!」


 フリージアは涙目で首を縦に振った。

 チョロい。魔族って意外と素直なのかもしれない。


「まず、魔王の狙いは何? なんで私を勧誘してきたの?」

「そ、それは……魔王様が『世界のことわり』に気づかれたからだ」

「理?」


 私が首を傾げると、フリージアは声を潜めた。


「この世界には、絶対的な『管理者』がいる。魔王様はそう仰っていた。勇者が急に強くなったり、ありえない天変地異が起きたり……全ては管理者の気まぐれだと」

「……鋭いな」


 隣でアイスを食べていたカイルが呟く。

 私も少しドキッとした。

 魔王ヴェルドラゴ、ただの脳筋ラスボスかと思っていたけど、もしかして『システム』の存在を感知してる?


「魔王様は、その管理者の力を手に入れ、魔族にとって不公平なこの世界を作り変えようとしているのだ。……お前がレオンとかいう勇者を赤子に戻したあの日、魔王城の『運命観測器』が異常数値を叩き出した。『あそこに管理者がいる』とな」


 なるほど。

 私が派手に管理者権限を使ったせいで、位置バレしたわけだ。


「じゃあ、私が勧誘を断ったらどうするつもり?」

「……総力戦だ。残りの四天王、そして魔王様ご自身が、お前を『捕獲』しに来るだろう」


 フリージアは震える声で告げた。

 私はため息をついた。

 やっぱり、穏便に済ませるのは無理そうだ。


「アリス、どうする?」

「どうするも何も、向こうが来るなら迎撃するしかないでしょ。……私の平穏な日常のために」


 私は残りのアイスコーヒーを飲み干し、立ち上がった。


「フリージア。あなた、今日から私の『秘書』ね」

「は? 秘書?」

「魔王軍の情報提供と、あと部屋の掃除とかお茶汲みとか。働かざる者食うべからずよ」

「な、なんだその扱いは! 我は誇り高き四天王だぞ!」


 私がリモコンを手に取り、暖房ボタンに指をかける。


「あ、やります! 秘書やります! コピー取りでも何でもさせてください!」


 こうして、私のパーティに『元・四天王(ポンコツ秘書)』が加わった。

 戦力としては未知数だけど、とりあえず夏場の冷房代わりにはなりそうだ。


 その時。

 私のタブレット端末が、けたたましいアラート音を鳴らした。


『Emergency Alert: System Hacking Detected.(緊急警報:システムへの不正侵入を検知)』

『Location: Demon King's Castle (魔王城)』


「……え?」


 私は画面を凝視した。

 誰かが、私の『管理者権限』にアクセスしようとしている?

 そんなことができるのは、私と同じ『転生者』か、あるいは――。


「……面白くなってきたね、アリス」


 カイルが珍しく真剣な目で笑った。

 どうやら魔王城には、ただの魔物以上の『何か』がいるようだ。

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