【短編】その恋はオレンジ色
新作短編公開!!
カクヨム
【短編】その恋はオレンジ色
琵琶湖3411M
本編
恋ってなんなんだろう?
俺はそう思っていた。
なぜなら、本物の恋をというものをしたことがなかったからだ。
しかし今なら答えられる。
その答えは、
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早速だが簡単に自己紹介をしよう。
僕の名前は彩要人。高校2年生の16歳だ。
好きな食べ物とかはどうせ知っても本編に関係ないのでカット()
とある日の放課後、先生の用事に付き合わされた僕が偶然目撃したのは、僕の幼馴染の松坂夕花が見知らぬ男子に告白されているシーンだった。
「夕花さん、あなたのことが好きです!僕と付き合ってください!」
「ごめんなさい、私、心から好きな人がいるの。」
僕はなぜかこの幼馴染の告白シーンに立ち会ってしまうことが多い。今日で3回目くらいか。
そのシーンを見るたびになぜか胸の奥がチクチクする。なんでなんだろう。
それを見知らぬふりで家に帰っていると、もう夕日が沈みかけている。
自宅への帰宅路の途中、河川敷の上を夕日が沈むのと同時に歩いていた最中、後ろから
「か〜な〜とっ!」
と声をかけてきた女の子こそ、夕花なのだ。
「夕花、やほ〜」
「要人、今日どうだった?」
「体育きついて...いくら温水とはいえ冬に水泳やるか...?」
「それはきついね...私も体育嫌だな...」
「夕花勉強できるだけいいだろ」
「要人も勉強したらいいじゃん」
「めんどいて...」
とこんなふうな会話をすることなんてほぼ毎日。夕花とは同性の友人以上によく喋る。
「あ、今日このあと用事あるんだ!じゃあね〜要人!」
「あ、ああ、じゃあな」
夕花が去った後、1人静かに河川敷を歩く。
さっき夕花と話した時、もう自分の中で一つの考えに至った。
俺、夕花のことがとても好きなんだ。友人としてではなく、1人の女の子として。
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私は松坂夕花。高校2年生の16歳。
幼馴染の要人と帰ろうかなと思っていたら、要人が急用で呼び出されて少しショックになりながら靴をは着替えようとしたら、下駄箱に一枚の手紙が入っていた。
内容は「今日の16時30分に体育館裏に来てくれないでしょうか?」まあ察するのは容易だよね。
でも行かなかったらその子に行かなかったってことがばら撒かれる可能性があるから、私は時刻1分前に着いた。
「夕花さん、あなたのことが好きです!付き合ってください!」
「ごめんなさい。私、心から好きな人がいるの。」
この返しはもう決まり文句。
なんで本当に好きな人は私に告白してくれないんだろう...と告白されるたびに胸がチクチク痛む。
その後私も急用があることを思い出して、急いで帰っている帰宅路の途中、河川敷で幼馴染の要人を見つけた。
「か〜な〜と!」
「夕花、やほ〜」
「要人、今日どうだった?」
「体育きついて...いくら温水とはいえ冬に水泳やるか...?」
「それはきついね...私も体育嫌だな...」
「夕花勉強できるだけいいだろ」
「要人も勉強したらいいじゃん」
「めんどいて...」
とこんなふうな会話をすることなんてほぼ毎日。要人とは同性の友人以上によく喋る。
と、用事があることを思い出して、
「あ、今日このあと用事あるんだ!じゃあね〜要人!」
と急いで帰る。去り際に
「あ、あぁ、じゃあな」
と言っているのが聞こえた。
この河川敷の会話で私はわかってしまった。
私は、要人のことが好きなんだ。
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時は変わって高校2年の春。もうすぐ高3を迎える僕たちは、今日も河川敷を歩いて帰宅しようとしている。
もう、このタイミングを除けば、言おうとは思えないだろう。僕は覚悟を決めた。
「夕花、大事な話があるんだ。」
「何?」
「夕花、君のことが俺は好きだ。もちろん親友とかの類ではなく、1人の女の子として。」
そう伝え終わると、俺の心臓は急に心拍数を増し、頬は急に紅潮した。恥ずかしいな...
夕花を見ると、あまりの衝撃にまだ固まっているみたいだ。
「要人、それって私のことを恋愛対象として見てるってこと?」
「ああ、そうだよ。俺は夕花のことが好きなんだ。」
夕花は声にならない声を出して顔を赤くしている。
「じゃあ私からも言うね。要人、男の子として、大好きだよ!」
その言葉と同時に夕花は俺の胸に飛び込んできた。
『これからもよろしく、』
「夕花!」「要人!」
恋ってなんなんだろう?
その質問に俺は今なら答えられる。
大好きな人と、友人を超えられるチャンスだと。
恋は決してピンクや赤色じゃない。
俺にとって、恋はオレンジ色だ。
「その恋はオレンジ色」 完
ご視聴ありがとうございました。
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ではまたお会いしましょう。