本棚
一冊ふえて二冊へと
もう一冊ふえて三冊へと
三冊にふえたら四冊へと
棚に並んでいく本たち
誰が作り誰を渡ったのか
今ぬくもりは感じなくても
触れていた多くの手や心
大切なものだと私は思う
四冊にふえたら五冊へと
二冊ふやしたら七冊へと
もっと増やせば何冊へと
棚を占領していく本たち
埃をかぶり風邪をひく
暗いところに入れられて
ボッと赤い光で燃えていく
それが者だと私は気づかない
一冊ふえたら何本と
二冊になれば何本と
三冊になると何本と
棚で成長をやめない木たち
水もなく陽もないのに
生きることを諦めない
芽吹く日はきっと来る
私はそれを視られない
本はものであり
本は者でもあり
本は可能性を秘めている