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~+Pictures+~  作者: Nako
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僕~Ryuki Ohmiya~

 【東京都立桜葉特別支援高等学校 芸術科 クラス編成】

 目の前に大きく貼り出されている紙。その中から僕の名前を見つけるのに、そんなに時間はかからなかった。

 

 ここ、【東京都立桜葉特別支援高等学校】は、身体に障害を抱える、いわゆる『障害者』たちが何かを専門的に学ぶための高校。

 『障害者のための高校』であることに間違いはないが、普通の高校といたって変わらない、と僕は思う。

 今日からこの高校の生徒となった僕。名前は大宮龍稀。かっこいいのは名前だけ。僕と言えば外見も中身も冴えない普通の15歳。そしてもちろん、ここに入学したのは僕にも障害があるから。

 小学生の時、いじめに遭い、そのストレスで耳が聴こえなくなった。

 医者には「ストレスが原因だからいつか聴こえるようになるよ」と言われ、早8年。正直、すでに諦めている。

 こんな僕にだって夢はある。笑っちゃうかもしれないけど、僕の夢は『この世で一番美しいものを写真に残すこと』

 ずっと、『この世で一番美しいもの』を探し続けていた。でも、答えは見つからなかった。この高校に通えば、少しはヒントが見えてくるかもしれない。そう思い、ここを受験した。

 誤解しないでほしいんだけど、『プロの写真家になりたい』とは思っていない。憧れてない訳じゃないけれど、耳の聞こえない僕が『プロの写真家』になるなんて無理に決まっている。

 『写真家』っていうのは、瞳に映っているものを撮るだけじゃない。耳で音を感じて撮る、というのも必要だ。瞳、耳、鼻、そして身体全体で感じて、それで初めていい写真が撮れるのではないか。身体から何か一つ欠けてしまっては、どんなに努力したっていい写真は撮れないんじゃないか。なんて、あくまで素人の意見だけど。

 この高校に入学して、本気でプロを目指している人には申し訳ないけれど、障害者がいくらプロを夢見て頑張っても、その夢が叶うことは絶対にない。そう思う。


――――こんな僕の心に優しい明りを灯してくれたのは、君だった

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