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解説 聖娼
聖娼について解説しましょう。神殿娼婦という呼び方もあります。
神の力を授かるための儀式として性交渉を行う職業です。
俗っぽい言い方をするならエロいことをしてレベルアップと言ったところでしょうか。人間の考えることって数千年たっても進歩しませんね。
もちろん本人たちにとっては神聖な儀式だったようです。
歴史家のヘロドトスもこのヒエロドゥルについて、メソポタミアの女性は古代メソポタミアにおいて神殿で盛んに売春が行われていたなどと言及していますが、いささか話を盛りすぎである可能性は高いです。いつものヘロドトスです。
ただし粘土板などにもヒエロドゥルについて言及はしていますので、職業として存在していた可能性は高いと思われます。
主にイシュタル神を信仰する女性が担当していたようです。
ちなみに少なくともシュメール文明は一夫一妻制ですが、奴隷を妾とすることは認められていたそうです。
一方で子供を授かることができなかった夫婦にヒエロドゥルを購入し、子供を産んでもらう、ということはあったようです。今でいう代理出産みたいな感覚でしょうか。




