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解説 聖婚
今回は聖婚について解説します。
神々の結婚というていの儀式であり、豊穣を願うものです。
とくに有名なものはイシュタル神の聖婚です。
豊穣神でもあるイシュタルはこんなところでも顔を出します。
当時の人々は不作、凶作だった時、神々に何かあったのではないかと考え、神々の生命力を回復させるために、当時の王とイシュタル神に扮する神官が結婚することによって豊作を祈るというものです。
……冷静に考えると浮気な気がしますが、まあイシュタル神ですので細かいことは気にしないでしょう。
この聖婚は比較的資料が残っており、ダム挽歌などに記され、ウルクの大杯などの土器に刻まれています。
なお、大杯は次回の解説に掲載する予定です。