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解説 アサグ
アサグとはルガル (王、という意味)神話に登場する怪物です。
恐ろしい容貌を持つとはされているものの、姿かたちははっきりしないようです。病、特に頭の熱病を起こすとされ、いわゆる悪霊に属します。
天空神の夫婦であるアヌとキによって生まれたわりに子供を産むのは山と交わるといういまいちキャラづけがはっきりしない怪物です。
というのもこの怪物、低地に住んでいたメソポタミアの人々の山、あるいは山に住んでいる人々への恐怖から想像されたようです。
都市に住んでいない人々を見下しているわりにこんな怪物を生み出してしまうあたり、メソポタミアの人々の『外界』に対する恐怖がうかがい知れます。