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第六十七話

「……ははは!」

「……ふふふ」


 成功……しました!


「やったよリブラ!」

「はい!」


 私たちは成功を嚙み締め、お互いに抱き合った。


「ふぅー……全く、怖かった……」

「大胆でしたが……成功しましたね」

「姉さん……考えることが凄すぎる……」


 物陰に隠れて見守っていたお父様とお母様、そしてレオが出てきた。


「け、怪我はないだろうね!? とても心配だよ……」

「貴方、見れば無傷だと分かります、それにカグラ様ですよ? 傷を負わせるようなことはしません」

「はい……」


 お父様は心配されているようだった、でも確かに、この計画はかなり不安だった。

 まず、お父様が、「王族の方がいらっしゃるので全員外に出ないように」と領民の皆様に伝える。

 次に、里の人に芝居を打つように協力していただく……正直、こんなに多くの方に協力していただけるとは思わなかった。

 そして私とカグラ様、そして協力者の皆さんが森の入り口まで行き、アトラス様を待つ。

 次に、カグラ様に、「吸血鬼が外で活動するための薬品」と「カグラ様の血液」を混ぜたものを口に含んでいただき、待機してもらう。

 そして、アトラス様がやってきたところで、私が飛び出し、芝居を打つ。

 ……失敗する可能性が大いに高かったが、上手くいきました。


「よかった~」

「これで里に平和が戻る……」

「私の演技も捨てたもんじゃないね!」


 里の皆さんは、皆安堵しているようだった。


「さ、森に行こう、ママに結果を伝えに」

「……はい!」


 私たちはそのまま森の中に入った



「上手くいきましたか」

「はい!」

「そうですか……正直不安でしたが、これで一安心ですね」


 盟主様の城の中……そこで、私たちは結果を伝えた。

 私たちの周りには、「長老」と言われている皆様がいらっしゃる……全員見た目は若そうですけどね……。


「恐らくこれで、この森には手を付けないでしょう」

「里の皆様の協力のおかげですね」


 お父様とお母様がそう伝える。

 お二人とも、かなり落ち着いている様子だった。


「そういえば、この機会にご紹介を、こちら、私の息子で、次期伯爵家の当主、レオ・コーヴァスです」

「初めまして、ご紹介にあずかりました、レオ・コーヴァスと申します。今後ともよろしくお願いします、盟主様」

「なるほど、そのお姿……ベガの生き写しですね」


 お父様がレオを盟主様に紹介した。

 レオは礼儀正しくお辞儀をしている……昨日不安がっていた様子とはまるで違いますね。

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