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第四十七話

「カグラ様……」


 やはりもう二度と会えないとなると、悲しくなってしまう。

もしかしたら、これは夢で、起きたらカグラ様が隣にいらっしゃるのかもしれないとも考えた。

目が覚めたら、あの美しい街並みに、美しい景色、そして美しいカグラ様。

それが嫌というほど見ることができる。

……だが、それは妄想に過ぎない、そんなことは分かっている。

でももう、そんなことは言ってられない。

 私はコーヴァス伯爵家の令嬢、リブラ! 早く立ち直って、新たな婚約者を見つけなければ!

カグラ様! 見ててください! 私は貴方に認められるような女になって見せますわ!



「あら、アトラス様」

「突然申し訳ない、『フェリス殿下』」


アトラスはとある屋敷に到着していた。

それも裏口から……所謂お忍びでの訪問だった。

この屋敷はアントリア子爵家の屋敷、アトラスの前に現れた女性は、そこの令嬢の「フェリス・アントリア」だった。


「来てくれて嬉しいですわ」

「俺も、君に会えてとても嬉しいよ」


2人はお互いに近づき……唇を合わせた。


「すまないが、今日は夕方には帰らせてもらう……いいかい?」

「えぇ、構いませんわ、アトラス様……」


王族の人間ならば、複数の人間と関係を持つのは悪ではない。

だが彼は、複数の女性に対し、すぐに終わるかも分からない、脆い関係を築いていた。


「今日はお父様もお母様もいないので……いいですよ」

「いいのかい? 嬉しいねぇ」


2人は裏口から入り、屋敷の中へと消えていった。

しかし、2人は気づいていなかった、一連の流れも見ていた人物がいたことに……。


「アトラス様……そんな……」

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