第三十一話
「私? そうだなぁ~」
カグラ様はしばらく考える。
私はその間、「のぼせていた」
「……うーん」
「……」
カグラ様は考える。
その間で、私は自分のことを後悔した。
あって数時間しか経っていない、しかも吸血鬼からしてみれば得体のしれない存在である人間が、自分の趣味嗜好を聞いてくるなんて、普通に考えたらどうなのでしょうか?
カグラ様は真剣に考えているようですが……私はが逆の立場だったら、回答に困って、適当なことを言ってしまうかもしれない。
「好きと言えば好きだし、嫌いと言えば嫌い」のような。
普通ならば、そのような曖昧な答えを言うしかないだろう。
私はカグラ様の答えを待ち続けた。
「ま、私は別に、愛があればどっちでもいいかな? ありきたりな答えだけど」
「愛があれば……?」
「うん、その人を好きだって思うのは、男性にも女性にもあるわけだし、それの対象が異性だろうが同性だろうが、私は別にどちらでもいいかな?」
「と、いうことはカグラ様は……?」
「ま、興味はあるね、同性も」
「そ、そうですか……」
私は気分が晴れたような気がした。
そうだ、別に愛があれば、その対象が異性だろうが同性だろうがどうだっていい。
カグラ様、私は……。
「さ、そろそろ上がろうか、他の使用人も入れなくなるだろうし」
「は、はい!」
私たちは湯船から上がり、浴場の出口へ向かう。
「あれ? なんか表情明るくなった?」
カグラ様が、私を見てそう言った。
「そ、そうですね! えぇ!」
私は率直な気持ちをその時言った。
「ふふふ、私はリブラの笑顔、好きだよ」
「え……?」
それはどういう……?
「さ、行こ!」
「あ、はい!」
私たちは、外に出た。
【お詫び】
私の手違いで、こちらの部分を誤って投稿を忘れてしまい、読者の皆様に、混乱を招いてしまいました。
今後はこのようなミスが無いよう、チェックを怠らないよう尽くします。
この度はご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございません




