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第二十二話

「す、すごいです! 屋台が端から端まで……こんなに大きい催し、王都でも無いですよ!」

「そう? 里の事褒められると、自分の事のように嬉しいな」


 圧巻だった。

 カラフルな屋根の屋台が、まるで虹のように繋がっている。

人々はそこで、一喜一憂をしている。


「そういえば、この催しの主役、見たいよね?」

「え、えぇ!」

「ママは挨拶終わったけど、私はまだだから……行こ!」

「あ、ちょっと……」

「あ、ごめん……私ったらつい興奮しちゃって……」


 私はカグラ様にエスコートされ、「主役」のもとへ向かった。

 ちょうど、この虹の中間の広場に、灯りが集中している場所があった。

恐らくそこに、「主役」がいらっしゃる、私はそう考えた。



「姫様! お越しいただきありがとうございます!」

「いいって、そんなにかしこまらなくても」


 男性がカグラ様に頭を下げる。

カグラ様、やはり慕われているのですね……。


「し、失礼ですが、こちらの方は……?」

「あぁ、こちらは私の友達のリブラ!」

「あ、あの、カグラ様のお友達をやらせていただいているリブラです! この度はご出産おめ、おめで……」


 ちょっと! なんですかお友達をやらせていただくって!

というかこちらの殿方が産んだわけじゃないじゃないですか!

何を言ってるのですか! 私は!

恥ずかしくなって、私は後ろを見た。

 すると、後ろから着いて来ていたアブラム様が、笑いをこらえているのが分かった。

それを見た私は、また恥ずかしくなってしまった。


「ははは! リブラったら緊張しすぎ! ごめんね、人見知りな子だから」

「いえいえ、祝福のお言葉、ありがとうございます、リブラ様」

「あ、その……はい!」


 もう! 気を使わせてしまったではないですか!

全く……これではコーヴァス伯爵家令嬢という威厳が……今はただのカグラ様のお友達ですが!


「それで、あちらが主役の男の子とお母さん!」


 カグラ様が手を差した方を向くと、大き目な椅子に座る女性が座っていた。

女性の腕には、赤ちゃんが抱えられているのが、ここからでも分かった。


「それじゃ、またね!」

「はい! この度はお越しいただきありがとうございます!」


 カグラ様がそう言うと、私たちは女性に向かって歩き出した。

男性はお辞儀をして、私たちを見送った。

お待たせいたしました。

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