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第十九話

「どう?」

「なんというか……言葉にしづらいです……」


 敢えて言うならば、変な味だった、薬ですから当たり前ですけど。

そんな感想を言っているのもつかの間、気が付くと、私の肌が、雪のように白くなっていることが分かった。


「え、え……? なんですかこれ……?」

「あ、目の色が赤くなってきてる」

「え、えぇ!?」

「アブラム、鏡持ってきて」

「……はい」


 先ほど笑いをこらえていたアブラム様は、寝室にある引き出しから手鏡を取り出し、カグラ様に渡した。


「あ、あの……私は一体どうなっているのですか?」

「こうなってるよ」


 カグラ様は、今の私がどうなっているのかを、鏡を見せて伝えた。


「こ、これが……私……?」

「凄いね、どっからどう見ても吸血鬼だ」


 鏡から見えた私は、髪の色はそのままに、白い肌に赤い目、口には牙が生えていた。


「でもまさか本当にそうなるなんてね! びっくりだよ!」

「え、えぇ……」


 まさかカグラ様も本当にこうなるなんて予想してなかったのですか!?


「おそらく、姫様が毒見をした影響で……」


 笑いをこらえていたアブラム様が咳払いをして、そう推理した。

毒見をした影響……?


「あぁ! なるほど! 大体わかった!」

「……」


 ……私も分かってしまった、恥ずかしいので黙ってしまいましたが……。


「はいじゃあこれ、私の服!」

「え?」

「ほら、その服装じゃ怪しまれるでしょ? 里の人には私の友達ってことで!」

「え、えぇ……」


 カグラ様から渡された服は、私が幼いころに来ていた服を真っ黒にしたような……とにかく、可愛い服装だった。

 私にこのような服が似合うのでしょうか……?


「ほら! 早く着替えて! 薬の効果が切れちゃうよ!」

「は、はい!」

「アブラム! 手伝ってあげて!」

「かしこまりました」


 アブラム様が、私の服に手を掛ける。

その表情は、恥ずかしがっている私を嘲笑しているようだった。

 もぉ~! 一体何なのですか!

私はアブラム様の手助けを借りて、服を着替えた


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