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第十八話

「あ、ちょうどいい!」


 カグラ様は、お茶を見るや否や、台車に向かって歩き……片方のカップに薬品を入れた!

ちょ、ちょっと! アブラム様も止めてくださいよ!


「さ、飲んで!」

「飲んで! じゃないですわ! 何をやっているのですか!」

「いやだって、そのままじゃ飲みづらいだろうし」

「そ、そんな……」

「大丈夫だって、死にやしないよ!」

「そ、そんな……」


 助けを求める視線をアブラム様に向けるも、アブラム様は笑いをこらえてこちらを見た。

まるで、いい気味だと言うように。


「じゃ、わかった、毒見してあげる!」

「え?」


 カグラ様は、薬品を入れた紅茶を一口飲んだ……。

すると、カグラ様の瞳の色が……青に変わった。


「ね? 凄いでしょ?」

「瞳が……青に……って、それで森の外に出るんですか!?」


 変わったの瞳だけじゃないですか!?


「いやいや、別に髪の色とかは異国の人だと思えばそう見えるでしょ?」

「ま、まぁ……」


 そう言われればそうですが……。

数秒もたたないうちに、カグラ様の瞳は元の血のような色に戻った。


「さ、リブラも!」

「い、いえ! 別にこのままいけば……」

「そのままだと変な目で見られるって! ほら!」

「で、ですから……」


 人の飲んだものを飲むなんて……恥ずかしいじゃないですか!


「ほら、早く! 日が昇っちゃうよ!」

「日が昇る!?」


 日が暮れるじゃなくてですか!?

なるほど、吸血鬼はそういう考えなのですね……。

 ……まぁ、カグラ様が毒見をしてくれたわけですし! 飲みましょう! 私は伯爵家の令嬢! 腹をくくります!

 私はカグラ様からカップを受け取り、一気に飲み干した。


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