燐音と麗亜
二人は毎日一緒に登校して学園へ向かうと生徒達が胡桃と燐音の登校している姿を見て騒いでいた。その中には胡桃をライバル視をしている麗亜の姿もあった。
すると一人の女の子が燐音に近づいてきた彼女は折原咲季だ。
胡桃の同級生でクラス委員長を勤めている眼鏡をかけていてお下げ姿の真面目な女の子だった。
「進藤先輩!おはようございます!彼女の胡桃ちゃんを連れて教室へ行きますね」
「おぅ!咲季ちゃん!いつも胡桃と仲良くしてれてありがとな」
咲季は燐音に挨拶をしつつ、頭を下げてその場を立ち去る。胡桃と咲季は仲良しの様子だったが、胡桃は寂しそうにしている。
燐音の同級生で元不良仲間の茶髪のショートカットヘアーの篠原麗亜が玄関先の廊下に現れて咲季と胡桃とすれ違いのように麗亜は燐音に近づき、後ろから抱きついてくる。
胡桃は親友の咲季に連れて一緒に二年生の教室に行ってしまい、燐音は麗亜にべったりされながら三年生の教室に向かう。クラスメート達は、麗亜がいつも燐音にベタついているのを気づいていた。ホームルーム前で先生が不在の中、3年2組の教室は騒がしい。
「燐音君!彼女の胡桃ちゃんは有名人だよね!お互い中々会えてなくて寂しそう想いしてんのは胡桃ちゃんだよ!私なら寂しい想いさせないから付き合って」
「ごめん!胡桃を寂しい想いさせてんのは分かってるよ。麗亜とは付き合えないんだよ」
燐音が胡桃と仲良くしていることが許せなかった。
麗亜は燐音に『麗亜が好き』と言わせたいが中々言ってくれないし、想いが通じないようだ。
「燐音君が好きなの!お願いだから付き合ってよ」
「無理だって!オレは麗亜のことは好きじゃねぇ!しつこいぞ」
しつこく粘りっこい麗亜に少しキレ気味な燐音にクラスメートたちも冷や冷やしている。