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⑼『残像の行く先』ー類推ー
⑼『残像の行く先』ー類推ー
㈠
群衆の中に、我々は埋没するが、それぞれが、輝きを放っている内面がある。直射日光によって、照らされる顔を傘で隠す人々、直射日光を浴びて、肌を焼く人々、もうすぐ季節が変わるというのに、自分はまた、前の季節の残像に、捉われているのだろうか。
㈡
鮮やかなる闇の在り処によって、逆照射的に、照らされる未来は、未来永劫の世界を待ちわびているのだろうか。残像は、果てしなく、未来へと行く。影を操って、影踏みをし、バス停で待ちぼうけをするような、不自然な時間を過ごしている。
㈢
素晴らしき日常というものがあれば、其れだけで、我々は納得するのに、自分にはその様な日常は、適していない様だ。もっと、ペシミスティックなほうが、気質に合う様でもある。影が在る世界だからこそ、世界に光を描写するような、小説世界を、生きるのである。