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⑸『残像の行く先』ー類推ー
⑸『残像の行く先』ー類推ー
㈠
懸命なる、情緒の変遷に、心象風景は今日も変遷している。残像は、絶えず脳内の不可思議を克明に映し出すし、世界には様々なる現象が、光を有していることが、残像の行く先を明示しているかのようだ。歩道も車道も、これらの近代文化の既存概念を、過去の道に戻したいものである。
㈡
脳内に日々響く、残響においても、過去からの聴き慣れた音像が、耳鳴りの様に、脳内で反芻される。景色にない音像というものが、存在する以上、我々の世界には、成程、視覚を塞いだ現象が存在していることを確証に至らしめるし、それは、残像の行く先である。
㈢
例えば、その残像は、類推すれば、例え様のない、不可思議な空間の、空間的価値とでも言おうか、それは、光の存在を存在足らしめる訳である。残像の行く先は、この様に、様々に捉えられるのであって、風景画に、表出しなくても、空間に昨日の後影の様に、残像は明滅しているのだ。