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⑷『残像の行く先』ー類推ー
⑷『残像の行く先』ー類推ー
㈠
残像は、行く先を選ばないだろう。そしてまた、光を待つ影の様でもある。世界の光と言う光を集めても、人一人の生命を救えないことが辛いことでもある。それは、残像の成果でもあり、また、残像の罪でもある。残像は、我々が、行く先を導かねばならない。
㈡
さして言えば、人間の人間活動というものは、残像によって、全て解読出来るだろう。つまり、過去のことの、幻影のことを言っているのだが、世界のありとあらゆる現象は、過去を眺めれば眺める程、残像だらけの。世界だからだ。
㈢
しかしまた、心象風景に、光は残像の様でもある。太陽光から届いた光は、時間を経て届いている訳であって、太陽にとっては、地球での我々への光は、最早、残像に過ぎない。分かっているつもりであっても、我々には、残像の行く先は、導けはするが、選べないのである。