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⑵『残像の行く先』ー類推ー
⑵『残像の行く先』ー類推ー
㈠
残像は、秋の日中の木々が作る影に似ている。夕闇では見られない、光による影、それは、未来永劫の心理を断ち切るし、そしてまた、人生が終わり有るものとして、存在していることを、実感させられるものだ。物事には、終始、始まりと終わりがある。
㈡
しかし、生きるということは、その残像を追うことではないだろうか。例え、終わりがあっても、我々は始まりという、光を見る様に出来ている。寧ろ、影が光を創造している。生命は、どれだけ願っても、終わりがあるから、生が輝く様に、出来ているのだろう。
㈢
ビルとビルの間の道を歩いている時に、向こうから自動車が遣ってきて、咄嗟に歩道へと避難する様に、我々の人生は、一方通行ではない。例えば、その、避難したビルの影が、残像の様に夢に現れて、良質な夢へと自己を誘う瞬間に、瞬く間に、残像の行く先が、凝視出来ると言える。