3話 卵とダンジョン
トウは卵に魔力を込める作業を毎日し7日目変化が起きる
「ぴし!ピシ・ピリビリ・・・」
「お!孵るみたいだ。」パリン
「クーン、クゥーン」
子犬いや狼の子のようだ
「トウ、犬?」
「いや!狼?まだわからないな。」
「可愛いな~」
「そう思う」
ROMSの、ゲームの中では魔獣を使役するのに2つの仕方がある。一つは魔獣を従えるスキルを持っていること、もう一つは卵に魔力を込め産ませる。前者はスキルを持って条件が整っていれば強い魔獣を従わせることが出来る。後者はスキルを持っていなくても従わせることが出来るがどんな魔獣なのかは選べない
「思い通りに成長させることが出来れば頼りになるんだけど」
「だが、卵から孵して従魔にしているのはせいぜい番犬止まりだけだけどな」
「グゥッ、グヮッ、ワォッ」吠える、見ていて微笑ましくなる。
「狼じゃなさそう・・・フェンリル、」
「前足がごついし背中の膨らみは?後ろ足は馬?」
「グリフォンだね」イチャンが答えた
「グリフォン?巣からどうやって」フウレが疑問に思い訪ねた
「ダンジョンで拾った。普通に落ちていたんだけど。」
イチャンが横から「トウは運が良いんだよ」
トウは生肉を与えてみた「グッ、プウ」
「強くなるまで人前に出さない方がいいな」
グリフォンを従魔にしているのは一部の冒険者と騎士ぐらいしかいない、希少の為小さければ盗む輩がいるから警笛をならす。
「でも卵から従魔にするには簡単だけど魔力を込めて孵すから他人には殆ど懐かないよ」
「絶対ではないな、従魔スキルが高ければテイムされる可能性はある」
「うんでもこれを見て」手の甲を見せるとそこにマークが
「それが?」
生まれたグリフォンの首の後ろの毛をかきあげると同じマークあった。
「そうだった、従魔にすると従属の紋章がついになったっけ」
従属と言っても対等の関係では合った
トウは名前をフォンと付ける、フォンも一緒に狩りをしていき傷魔石を錬成で火、水、風、土、光、闇属性の魔力の籠った魔石にしていく。
「トウ君その魔石は何に使うんだ?」トウは大型タガーを出し持ち手と鍔の間の半球の窪みを見せ
「此処にはめ込む」トウは火の魔石をはめ込み魔力を流し振った。
火を纏う、目の前の木を切ってみると切り裂き燃えた。
「ト、トウそれは?ま」言いかけるがトウが
「純粋な魔法剣ではないんだ、刀鍛冶が余興で造ったもので魔力消費が凄いんだそれをあらかじめ魔力を充填した魔石を使えないかと提案したら威力は劣るけど近いのができたんだ俺達は魔力刀って呼んでるけど」
「魔石を入れ替えれば半永久的に?」
「そう言うことになるかな。でも気を付けて魔力を込めないと魔力枯渇を起こしてしまう」
「トウもしかして鎧や盾にも使えないか」
「出来るけど造る職人がいるかどうか?それと値段がね」
魔力が流しやすく頑丈な素材は値段が総じて高いからだ
「値段が高いのか?」だが魔法武器や魔法防具に近いものが手に入ると知ってメンバーは力が入った。
黒の団はトウを加えてから狩りが安全で素早く行え実力が上がっていき。やっと街の入り口に付いた。
其処には衛士が人々の検閲を行っている水晶で犯罪歴=殺人を行っているか確認をしている為時間が掛かっているらしい。
魔道具の水晶で2足歩行の生き物を殺生しているかどうか水晶の色でわかるらしい。殺生していれば赤く、していなければ青くと
「トウ!人や2足歩行の魔物を殺したことは?」
「無いな、飛ばされて以降一緒だったし。」
台車を引きながら門に近づく。
「冒険者なら、証明書を。」フウレ達はランクと冒険者の印ドッグタグを見せる。
「よし、通って、あそっちは?」
「新しく仲間になった者だ」
「念のため水晶に触れて、それと入城税と人頭税100ルーン」
水晶は青く光る。その後に100ルーンを払い街に入るとギルドに向かった。
「トウ、ギルドで登録するから」
ギルドに登録すると人頭税と入城税が免除になり(登録料が1万ルーン)身分照明のドッグタグを身に着けることになる。
入り口から大きな通りを真っすぐ進むと広場右に大きい建物がギルド本部である。その正面の開き扉押し中に入った。手前に酒や食事のフードコート中央奥にカウンターが並んでいる。
フウレはカウンター窓口に行き買い取り依頼をする。
「買い取りの依頼なんだが少し量があって台車に積んでいるんだ、何処に出せば?」
「それでは裏の解体所までお願いします。」
外にでて台車を裏に引っ張っていく。
「フウレ珍しいなってなんだ、此の量は!」
解体所責任者のカムクウ驚きながらも精査していく。
「全部で1660万ルーンだ、明細はいるか?」
「要らない、全部金銀貨で貰えるか?」
「分かった。これをカウンターに出せ。」
流通貨幣はルーンで1種類これが重たい合金で持ち運びが大変である、1枚で水筒と同じ重さがある、なので持ち運ぶ為金銀貨に交換するが大きい商店では両替して使える手数料が発生するので冒険者はギルドで交換するのが通常である。
ギルドカウンターで10金貨と660銀貨を貰う
「それとトウの登録をお願いしたい」と1銀貨を渡す
「分かりましたこちらに記入して最後にタグに血を流してください。」
「ランクEと認めストーンのタグをどうぞ。規約や冒険者の説明を求めますか?」
「その前にこいつの従魔登録をお願いします」フウレはもう1銀貨を渡す
「え!グリフォン」流石ギルドの受付咄嗟に小声になった
「少々お待ちください」後ろから金属の鎖の輪と登録書を持ってきて
「これに従魔の名前、金属の鎖の輪に貴方の魔力を込めてください」
トウは言われたとおりにする、受付係は登録書を首輪に近づける登録書は金属の鎖の輪に吸い込まれる
「これで登録完了です、この首輪を従魔の見える場所に嵌めてください」
「小さすぎませんか?」
「大丈夫です、自動で大きさが変わり従魔に負担はかかりませんから」
トウは頭に触れさせると大きくなったのでそのまま首元にまで降ろした。
「本当だピッタリだ」
「では説明をお願いします。」トウは仲間に聞いても良かったが、抜けがあるかもとギルドの説明を求めることにした。
「トウ!俺達は飯を食ってるから終わったら来てくれ」離れていった
内容はランクと失敗した時の賠償や違約金、依頼の等級制限、免税や特権、個人責任等々多岐にわたった。
「後はこれで確認してください」冊子を渡された。
一通り終わり既に宴会状態の黒の団のテーブルに向かい席に座る。
「来たなトウ、飲んで喰え!」
今までで一番の稼ぎになった、浮かれるのも当然だった。
「さ~て、お待ちかねの金を分けるぞ。」2金貨と132銀貨を渡していく。トウは価値を訪ねる。
「悪い、金貨1枚でどのくらい生活できる?」
「そうだな、一般の街の人で1年は暮らせる。」
「俺達冒険者は宿泊、旅料金、消耗品、装備やらで、3~4カ月ってところかな?」
しゃべりながら皮袋にしまう。
ボウロはエールを一機に飲み干しアクタベは肉の丸焼きにかぶりつくフウレ、イチャンもエールを飲んでいた。
そこに、「よう!フウレ帰ってきたか、稼げたのか?」ニヤニヤしながらエール片手に傍にフォレスト(森の狼)がくる。
「ままかな。ダンジョンに行く装備が揃えるくらいはね!」
ダンジョンは一角千金の場であるが危険と隣り合わせしっかりとした準備が必要でそれに金貨10枚はかかると言われている。
「ほ~そんなにか?じゃあ俺達が手伝ってやるよ、メンバーが足りてないだろ。」
ダンジョンには2パーティで挑むのが一番いいとなぜなら荷物が大量にいるのと見張りが必要とされている。休憩で3時間ずつ2人の交代制6人を順次回すのが理想とされるからだ。
「いや、俺達だけで行こうと思っている。」
「たった4人でか?」
「5人だ!」ボウロが答える
「5人?死に行く気かよー俺達が行ってやるからな、取り分は4分6などうだ(笑)」
森の狼の面々も隣でニヤついている。
森の狼はランクCのパーティで実力はあるが素行が悪くトラブルをよく起こしている。協力を要請する他パーティがいない。
「必要ない!しかもフォレストこの間討伐で逃げたそうじゃないか」
「何だと!あれは途中で分け前を渋ったから協力を破棄しただけだ。」
分け前でもめたうえ討伐中にその場から帰ってしまった。おかげで残されたパーティは何とかしたが大怪我を追った為半年は行動できなくなっている。
「途中で破棄され残ったパーティがどうなったか知っているのか?」
「知る訳ないだろう」
「これだ!そんな奴らに背中を預けるなんて出来ない、関わらないでくれ」
「泣きついたらその時は9割貰うからな、楽しみだ」
フォレストは薄笑いで自分のテーブルに戻った。
「フォレスト!もっと強く言えよ」
「そうだそうだ、ダンジョンに潜ると怪我だけじゃすまないって」
もうああだこうだ依頼がある前提で話盛り上がっている
黒の団は気分が悪くなりそうそうにギルドを出ていくその道中に「あいつらに邪魔されそうだな、どうする。」
「準備を直ぐそろえて明日出発しよう。必要な物は薬とポーションをアクタベとトウ、野営の必要品はボウロとイチャン、俺はダンジョンの情報を再調査する、すり合わせは宿でな解散!」
トウは解毒麻痺系をアクタベは回復系を探し集めていく、イチャンはテント魔除け用の魔道具等、ボウロは有用な魔道具を買う、フウレはダンジョンに最近入ったパーティとギルドの職員から魔物や罠等の情報を集めていく。
夜になり宿に戻った面々
「フウレ、ダンジョンの最新情報は?」
「薬草が高騰している。後、魔銀鋼が発掘されたらしい量は少しだったみたいだ。後は未到達の場所にはなるべく近づかないってとこか」
メンバーは皆頷く「イチャンとトウは」
「ポーションオールが5本手に入った、後はポーションヒールが30本、解毒麻痺治療薬が50個と解毒薬が2瓶で解麻痺薬が3瓶」
野営用具は足りない物を補充する程度で済んだ。翌朝まだ人が起きない内に宿を引き払い出発する