2話 ブラックアウトと転移
無理やり通貨を設定してみました。毎回読んでここを変えよう、設定を治そう、試行錯誤です。
3 ブラックアウトと転移
「さて飯は食ったしトイレはOK準備万端ログINするか」
ゲームを起動、ベッドに横になると意識が遠くなる目を開けると真っ白な部屋にいた。
ようこそROMSの世界へ、ここであなたの基本の設定をしてチュートリアルを開始します。
ゲームのナビゲータが答えていた。
「おぉ~凄い、とてもCGと思えない」ナビゲータの姿は不思議の国に出てくるウサギそのものだ
「では、種族を選んでください」設定を始める。
キャラ設定、種族、職業を決め名前を入力
「トウっと、どうだ、良し!登録出来た。で次が動作のチュートリアルか」
次に進もうとした瞬間真っ暗になった。
「クッ、頭が重たいな 」目を開けると開けた草原にいた。
「ここは???確かチュートリアルの途中だったはず」
体を触り感触を確かめる特に普通だが「ん~」腰にタガーと皮の袋、服の上に革の胸当てと腕に籠手、足に脚絆、革のブーツをはいていた。
「何じゃこら~」思わず叫んだ。おぉ落ち着くんだ深呼吸をしてもう一度確認する、
「これはタガーだよな、革の袋中身は うわぁ」
袋に手を入れるが感触が無いだが頭の中に情報が流れた
「ふむ、いわゆる魔法の収納袋か、リュックの中身はっと」
傷薬が5個、水の筒、ロープ、小さめのナイフ、乾パン、小さい石2個
革のマント、毛布、卵?が入っていた。
「魔獣の卵、確か1日1回魔力を込めて7日だっけかとりあえず <ムゥ!>」
魔力を卵に込める
「変な始まりだな、チュートリアルが途中だったし、バグなのかな~運営に確かめないと、コールはどこかな、あれだ、説明がされてなかった、ログアウトも~βテスト同じなら表示」
何も起こらなかった。突然
「%&#$」
いきなり叫び声がして何かが飛び込んできた。トウは体を斜めに構えたがわき腹に痛みが走る
「いって~何が?」通り過ぎた先を見ると猪?牙が水平に生えている其処に血が、自分の腹部を見ると内臓には届いていないがナイフで切られたような跡があり血が噴き出していた。
猪?猪だろう、もう一度こちらに向かってきそうだ。
「まともに食らったら死ぬ、どうする」
トウは考える時間は一瞬だが感覚は2~3秒直ぐ行動した。
タガーを抜き向かってくる猪に半身になりすれ違うタイミングでタガーを両手でしっかりつかみ真横に添える相手の勢いで首筋から後ろ足まで切り裂くことができた。
「ふぅふぅ、あぁ~イってーうぅごけね~」
ツルギは血を流し過ぎて動けなくなっている何もしなければ死んでしまう、だが何をどうしたらよいかさっぱり分からずそのまま気を失った。
「フウレ、誰かが死んでいる。牙猪にやられたみたいだ。」
「牙が鋭いからな、急襲されたら防具無しじゃ死ぬだろう」
「アプタベ、死んでいるなら使える物は剥ぎ取れ」
「はい、」
3人のパーティの荷物持ちアプタベがトウに近づく
「イチャンは牙猪の解体を手伝え、オボロは周りの警戒、私は少しこの辺りを調べる」
アプタベは遺体と思っているトウの胸当てを外そうと体を起こそうとしたとき「うぐっ」うめき声がでる
「フウレさん、生きています!」
「何だって、見せてみろ」アプタベに近づき一緒にツルギの状態を見る。
「腹部を切り裂かれている。内臓までわっと、大丈夫みたいだ。血が止まって無いな、血止めあるか?」
「はい、これを」血止め薬が入った広口壺をだす
切り裂かれた傷に塗ると斬り口がふさがり血が止まった。
「血が流れ過ぎたな、助かるかは本人の体力次第だな」
「フウレさん、血止めの薬も唯じゃない!助からなかったらどうするの」
「みぐるみを剥いで、持ち物と一緒に売ればトントンだろうよ、それに牙猪の素材を売れば消耗品の補充には十分だろう」
「こいつが助かったら?」
「そりゃ請求するよ、払えなきゃ奴隷商に売るか俺たちの荷物持ちにすればいいし」
「え!私は首ですか?」
「アプタベはそろそろパーティの雑用から卒業して戦力になってもらわなければな」
アプタベは教会にいた孤児で偶々寄進した時に懇願されお試しにメンバーに加えた、だが雑用や無理な命令も愚痴をこぼさず真面目にこなし今では狩った獣や魔物の剥ぎ取り、荷物持ち、消耗品の管理等で必要な人材になっていた。
「本当ですか、フウレさん」
「あぁ、だから奴隷か改めて荷物持ちを募集するつもりだった。こいつが使えれば金もかからないしな。」
アプタベは小躍りしながらトウの状態を確認し簡易タンカに移した。
「この先に水飲み場があったはず、解体が終わり次第、其処に移動して休憩だ」
「イチャン、アプタベとそいつを引っ張っていってくれ、オボロは私と周囲を警戒」
一時間ぐらい進むと井戸がある小屋が現れる、誰が立てて井戸まで掘ったか分からないが休憩するには十分な場所である。
小屋の中のベッドにトウを寝かす、アプタベは火をおこし井戸の水を汲み食事の用意、汚れた服や道具を洗い乾かす。
「フウレさん、スープが出来ました。パンはここに」
「ありがとう。アプタベもゆっくりしろ、それとこれ剣帯に刺しとけ」
短刀を渡す「え!」
「練習しとけよ」嬉しそうなアプタベ
剣を装備すると何度も抜いたり刺したりし始めた。
「アプタベ、後で稽古を付けてやるからまず飯食え」
皆で飯を食べ茶を飲んでいるとボウロが
「助かりそうか?」
「う~ん、傷は塞がったが血を流し過ぎた、今夜持てば助かる」
「そうか、運が良ければ、明日になれば分かるか。今日は疲れた最初に見張りに立たせてもらう」
そう言うと小屋の前にある岩に腰かけた。
「次はイチャン、で最後は私でいいか?」皆頷いた。
「うぅ~ん、ここは?」トウは目を覚ます、起きようとしたが腹部に痛みが走り思わず天を仰いだ
「気が付いたか?もう大丈夫だ。体力が戻れば療養の運動で元に戻るだろう。」
行き成り声が聞こえたのでそちらに向くと革鎧を纏い剣を携えた人?が居た。
「ここはどこだ!あんたは誰だ?」
「おいおい、助けてやったのにその口ぶりはどうかと思うぞ。」
「すまない。いきなりの事で混乱している。改めて聞いていいか。」
「混乱?まあ仕方がない、何が聞きたい。」
「まず、直前の記憶だが猪?かに襲われて死んだはずだが蘇生魔法を使ったのか?」
「はあ~??蘇生魔法?なんだそれ、そんな魔法があればこんな仕事してないな。」
「へ、ㇸ~無い」
「無いぞ、傷を治す回復ぐらいか、まぁ~治り具合に差はあるがな」
「じゃあ俺は助かったのか魔法で?」
「いや!傷薬だ」
「薬? ポーション?」
「お前、何処のお坊ちゃんだ。そんな高価なもの知らない奴に使えるか!塗り薬だ、効能は低いが一応切り傷や骨折だったら治せるからな」
「そうか、ふ~、助けてくれてありがとう。」目をつぶり痛い場所をさする。
「落ち着いたようだな質問するが名前は?」
「あ!すまんトウだ」答える
「どこから来た。」
困った、ここが何処か分からないし曖昧だと不審者扱いされる、少し考え
「ニホン」と答えた。
「ニホン?そんな国や街あったかなぁ~」
「地図にも載ってない国で東の端の孤島にあると思う」
「東の端?ノースランド王国より東か?とするとピンネリ国か?だがどやってここまで、ここはノースランドの南東にあるクランツ国のサイコ平原だ、仲間かお付きの者はどうした。」
どうする、どう答えたら
「ダンジョンは分かるか?」
「おお、魔物が湧き出る洞窟でボス部屋あるあれだろ」
「そんなもんだ、そのダンジョン探索で罠にはまって飛ばされたみたいだ、今考えると転送トラップだと思う。」
「そんな罠があるのか?聞いたことが無い。」
「俺も初めてだ、だから余計混乱している。」
ツルギはなぜ荷物が少ないのか、世情に疎いのか一つ一つ答えた。
「ツルギがここで暮らすにしても街に帰るにしてもとにかく治療費を払ってほしい、貴重な薬だからな」
「分かったいくらだ!」
「50銅貨は欲しいな、だが持ち物を売っても5銅貨にもならないと思う、奴隷商に売れば50銅貨に・・」
「待ってくれ!奴隷になれと?ほかに選択肢はないのか?」
「そうだな、冒険者は知っているだろう、で俺達は荷物持ちを探している、体力は必要だし雑用全般の金にならない仕事だ1カ月働けば返せるだろう、その後はまた考えればいいどうだ」
なんだこのゲーム表示坂は使えないチュートリアルは受けられない一体どうしたら・・・だが奴隷の選択肢はないな
「すまない、奴隷になるくらいなら、荷物持ちでも何でもする。あんたのポータにしてくれ。」
「トウの国では荷物持ちをポータと呼ぶのか?だが決まったな、明日から仕事をアクタベから引き継いでくれ。これから仲間に伝える、歩けるなら街に戻るいいか?」
トウは頷くしかなかった。フウレが出ていったのを確認した後もう一度ステータスが出るか確認するが出なかった
「しかしどんなクエストだいきなり怪我して売られる?下手したら死に戻りだ」
そこでふと思う
【待てよ、ステータスがでない、ログOUTできない、情報が見られない、運営に問い合わせ出来ない】
青ざめた【魔法は、灯】反応なしだ
なんだ、一体何が起きた。ゲームじゃないのか、頭の中で考察するが答えがでない。
「フウレ、気づいたか?それで」
頷いた後「アクタベあいつトウに仕事を教えてやれ年は聞かなかったお前が先輩だからな(笑)」
「あい#$ はい。」
「ほう、納得したのか」
「ああ、奴隷は嫌だとさ」
「治療費いくら請求した。」
「50銅貨だ、良心的だろう」
「全く悪い野郎だ、一般的は10銅貨だろ5倍も請求するとは」
「街ではな、だがここは外であいつは直ぐ治療しなきゃ死んでいた打倒だろう。」
「そうですよ、ボウロさんフウレさんの判断が遅かったら死んでいたんですから貰って当然です。」
「イチャンはフウレのいうことは絶対だな。(笑)」
フウレはアクタベに荷物の整理と持ち方と素材の剥ぎ取りをまず教える事を指示した。その後、剣の稽古を始める、アクタベは嬉しそうだった。
次の日アクタベがツルギの元に行き状態を聞き歩けるかどうか確かめた。
「う~ん、大丈夫かなじゃあついてきて」
土方はどう見ても子供にしか見えないアクタベを見ながらついていく、だが頭を金づちで叩かれたような衝撃を受けた、荷物が多い。
「ちょっと待って、これどのくらい重いんだ」
「え~こんなの普通だよ、そうだな君を襲った牙猪は見たよねあれの2頭分かな」
トウは驚いた、どう見てもあれは100キロあったと思うその2倍だと200キロそんな大男でも無理だろう。
そんな俺を見たアクタベはひょいと背負子事担ぎ上げ歩き始めた壁まで行って戻り荷物を降ろす。眼が克げと言っている
背負子を担ごうとするがびくともしない、それをみたアクタベは残念な顔をしてフウレに話をしに行こうとするのを止めた
「すまん!少し待ってくれ」
帯剣に括り付けている袋を外し背負子に近づけて【収納】とつぶやく
目の前の荷物が消えた。 思わずガッツポーズしたアクタベが余りの出来事であたふたした。
「ト、トウさん、に、荷物はどこに」【出庫】すると荷物が現れた
フウレさんと叫びながらアクタベがダッシュで出ていった。
遣っちまったか、収納のアイテムは無いのだろうか?アクタベと他3人は小屋に入り何があったか最初から説明させられた。
眼をぎらつかせてボウロが袋を取り上げるがいきなり重量がかかり危なく足に当たりそうになった、袋を持ち上げようとしたが全く動かなかった
「トウ袋を持ち上げてくれないか」ひょいとつかみ上げる
「荷物は入るのか?」
「ああ、【収納】」荷物が消えた。
「重さは?」
「変わらない」
「出してくれ!」
「分かった【出庫】」荷物が現れた
「アクタベ中身を確認してくれ」荷物をほどき、一つ一つ確認していく
「フウレさん傷もありません壊れたものもありません」フウレは困った「ツルギ少し俺達で考えさせてくれ」
「貴重な魔道具持ちだ(本人固定道具の総称)!しかも容量はかなり多そうで本人しか使えない」
「くっそー誰でも使えれば、治療費がわりに分捕ったのに」
「ボウロさんそれはいくら何でも」
「フウレさんイチャンさん、仲間にしてはどうですか?」
「アクタ!そうなったらお前は雑用係に戻っちまうぞ。」
「仕方がないです、俺はこのパーティが好きなんです。要るのなら雑用でもなんでもします」
「アクタベ、あいつが居ても居なくても雑用からは卒業だ」
アクタベは目を潤ませる、「どうする、フウレ」
「あいつがパーテイに入れば助かるが、信用がおけるか分からん、とりあえず話をしょう」
収納の魔道具は、高く貴重な品で商人や冒険者に諜報がられること等々説明した
だがトウは、ゲームの中のNPCや冒険者は嘘つきが多い、なのにこのパーティは正直だ、だいたい重症を負った見ず知らずの人間なんか助けず身ぐるみはがすのが普通だ、こんなNPCにはいつ会えるか分からない一人でも生きていけるぐらい強くならないと思い
「フウレ、アクタベお願いがあります、私をパーティに入れてください」土下座した
フウレ達はびっくりした、いきなりの土下座だ、おのおの顔を見合わせて息を飲み
「トウ君、さっき話した通り収納の魔道具は貴重でそれを持っている君は街に行けば商人や他の冒険者に多額のお金で雇われることが出来る。私たちはそのお金を払うことが出来ない。」
きっぱりいった。
トウはどんなクエストだと思う。シナリオを進めるにはこのパーティに入った方がいいに決まっている。
「すいません安くても構わないです、助けて貰ったお礼もかねて入れてください。」
フウレ、ボウロ、イチャン、アクタベは収納の魔道具があればパーティにとって損はないと思い
「分かった。但し魔道具を持っていたとしてもパーティの新人だ報酬は安いがそれでも?」
トウもパーティで新人なのだからと了解した。トウも痛みはあるが歩けるため荷物を収納して歩き出す。晴れてパーティの一員となった。