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お嬢様の執事  作者: 天然ソーダ水
俺がお嬢様に仕えるまで
6/58

目覚めはお嬢様が

やっとお嬢様出せた

 唇に触れる冷たい感触で意識が覚醒していく。身体がとてつもなく重い。ゆっくりと瞼を開くと、濃い金髪の少女がこちらを覗き込んでいた。


「おきた?」

「あ、ああ。」


 ここは……。


「お嬢様、まだおつらいでしょうから寝かせてあげましょう。

 冒険者だとお見受けしますが、今は日が落ちた頃です。明日の朝また参りますので、それまで休んでいてください」


 妙齢の女性はそういうと、少女を促してこの場から出て行ってしまった。扉の外に人の気配がするので、誰かは待機しているのであろう。唇に触れる。さきほどの少女が看病してくれていたんだろうか?きっと水分補給か唇が乾かないように…末期の水じゃねーか。よし、大人しくもう一度寝るとするか!




 微睡みの中で夢を見ていた。突貫した勢いの儘に龍王と共に地面へ叩きつけられた後のことだ。俺は身動きすら出来ずにいた。わずかに回復した魔力を介して低位の回復魔法なんとか唱え、魔力欠乏でまた気を失い、次に起きたときには、ようやく腕が動かせるようになっていたので、アイテムボックスの中からライフポーションを取り出し、なんとか口に含むことが出来た。ようやく身じろぎ出来るようになり首を辺りへ巡らせば、すぐ傍に龍王が横臥していた。


『ようやく起きたのか。死ぬ前に少し話をしたかったのだ』

「は…なし?…というか死ぬのか?げ…んきそうだが?」


 少し喋りにくかった。肺に傷でもついたのだろうか?寝そべりながらも、もう一本ポーションを飲み干す。


『ああ、我は死ぬ。最後の攻撃で心臓と魔石の間にあった剣が心臓まで達していてな、落下の衝撃で剣が心臓へ深く沈み込んで、致命傷を負ってしまったからな』


 ああ、それで地面が黒ずんでいたのか……龍王の血とか素材としてはもったいないな。

 敵意は感じられなかったので話をすることにした。どうも姫を攫ったのは自分の好みドストライクだったのと、悪役プレイに興じていたけどそろそろ転生しようと計っていたかららしい。龍王は世界のバランスをとる神の使いでもあるので、数百年程度ならいなくても大丈夫らしく、転生前に神のいる場所でいろんなゲームをするのが楽しみらしい。特に戦闘前に敵を回復させて正々堂々戦う『さあ人類よ。この俺を越えて見せろ』的なプレイが大好きらしい(本人は回復魔法が使えないが)。

 姫を攫ったのってそれが理由かよ。他の龍王がほとんど転生しないのに数百年おきに転生してるのってそれが目的か?

 お互いに起き上がれないまま。少しずつ声が小さくなっていく龍王を看取りながら、俺は立ち上がれるようになるまでずっとその姿を見据えていた。傷つき血に塗れながら、それでも人類の越えるべき障害として死んで逝ったその姿を。

妙齢の女性

 本来は若い女性をさす言葉だが主人公は結婚適齢期を過ぎたくらいの女性という意味で使っています


末後の水

 仏教にて臨終前か臨終の直後に唇を濡らす行為。きっと純粋に喉が渇かないようにやってくれただけで少女はそこまで気づいてないと思う。きっと。タブン


龍王の転生

 世界のバランスが大きく崩れたとき、もしくは自然に発生した大災害が起こったときに長年溜めこんだエネルギーを世界に還元することでバランスを取ろうとする。ただし死ぬ。

 そのさい巨大な魔石(大きさ的にはガ〇ツの黒い玉くらい)が残るが壊せば復活の期間が長くなり残せば100年以内に復活する

 裏話として闇の龍王が500年ほど(ゲームに熱中しすぎて)復活しなかったことがあるがその際復活に使われるはずのエネルギーが魔族の身体に入り込み魔王になった設定がある。

 というか自然災害以外の災害はだいたい闇の龍王のせい。そんな気高い存在じゃないから目を覚ませ主人公 

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