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お嬢様の執事  作者: 天然ソーダ水
学園編
51/58

転送魔法陣と嫌な予感

カンナ

単眼族の黒髪少女


ルル


青い長髪の少女。魔術師。

 王都との中間の街、ハーフニルで起こった騒動から一晩たって二日目。

 特に用事もないので(というか下手に面倒ごとが起こらないうちに)王都まで転移することにした。


 が、ここで待ったをかけたのが我らがお嬢様である。

 転送魔法陣を使ってみたいと言い出したのだ。


 転送魔法陣は転移スキルよりも安全性が低い。

 これはスキルが神から与えられたものなので安全装置がついている(と言われている)のに対して転送魔法陣は人が造った物なので安全装置がついていないことからそう言われている。


 簡単に言えば【転移】は転移する座標になにか物体があってもそれを避けるように転移できるが転送魔法陣はなにか物体があればそれを押しのけるようにして転移する。『いしのなかにいる』ってやつだな。

 ちなみに押しつぶされるかどうかは強度によるらしい。土の中に石を転送すれば土が盛り上がるが、石をの中に卵を転送すればグシャッと潰れる。


 まあ、長々と説明したが開発されたのが500年ほど前なので安全策は十分に練られている。


 と、そんな説明を受けてから同意書に全員が名前を記入してから専用の部屋に入る。


「では、この魔法陣の中から絶対にはみ出ないようにしてください。壁にも障らないように」

「わかりました。お嬢様、もう少しこちらによってください」

「はーい」

「ではわたくしも……」

「ハイネさんはくっつきすぎです」


 係員が部屋を出ていった後に、正面にお嬢様が、右手にハイネさんがくっついて来ましたが動かないに越したことはないのでそのまま放置します。

 部屋は円柱形の変わった形で天井の灯りも埋め込み式の魔道具が使われていたります。


「……? 手を繋ぎますか?」

「え、えっと」

「ほら、遠慮しなくていいですよ」

「あ、ありがとうございます」


 ふと、左手の袖が引っ張られたのでそちらを見ると単眼族のカンナさんがいたので手を繋ぐか聞いてみます。

 素直なのはいいですね。


「「「……」」」

「……わたしもくっつく?」

「「「どうぞどうぞ」」」


 皆さんが背中にいたルルさんに視線を送った後にそんな声が聞こえてきます。

 と、背中にくっつくようにしてしがみついてきた感触がしました。多分ルルさんですね。

 ……なんか登って来てますね。少し屈みますか。


「お待たせしまし―――た。準備はよろしいみたいですね」


 と、係員が部屋に入ってきました。ええ、この状況を見て一瞬固まるだけですませたのはすごいとおもいますよ。

 こちらには脇芽も振らずに係員が魔道具を発動させます。


「執事?」

「これは結界をはる魔道具ですよ。安全のためなので気にしなくて大丈夫です」

「よくご存知ですね。では皆さん、動かないでくださいね」


 床の魔法陣が光り始める。そして――――とくに何も起こらずに光が収まった。


「……あれ?」

「もう離れて大丈夫ですよ。むしろ離れてください」

「…………もう終わり?」

「なにをおもってたんですか。転移スキルと同じで一瞬ですよ」


 係員が結界を解除したのを確認してからお嬢様を引き剥がして部屋を出ます。


 ここから係員が室内に誰もいなくなったのを確認してから転送元に連絡をして次の人たちが転移してきます。

 つまりあまりウロチョロしていたら邪魔になるんです。


「ではお嬢様、馬車の手配をしてきますのでおとなしく待っていてくださいね」

「はーい」


 転送部屋から出て、王都に入るための関税を払ってから外に出る。


「……疲れが溜まってるんですかね?」


 なんだかいつもよりも身体が重い気が――――ん?


「ルルさんなにをしているんですか」

「……?」

「いや首をかしげられてましても」


 コテンと不思議そうに頭をかしげた拍子にルルさんの長い青い髪が顔に触れます。

 そういえば転移する前に背中をよじ登って来てましたね。軽いのでスッカリ忘れてました。


「まあいいですよ。とりあえず降りてもらえますか」

(フルフル)

「嫌なんですか」

(コクリコクリ)


 上体を下げて、身体が密着しすぎないようにしようとするもしっかりと首に捕まってくっついてくるので方針を変える。

 そこまでしっかりくっついてくるならお尻に手の甲を当てるのではなく、膝の裏を抱えている形で抱っこをする。

 お尻を持った方がより安定するんだけどね、年頃の女の子のお尻に触るわけにいかないし。しっかり捕まれるなら膝で十分だ。


 若干だが、背中に柔らかいモノが当たってる気がするが子供相手に何もおもうわけがないので問題はない。


「……やわらかい?」

「なにがですか」

「しつじさん、パンツのほうが、すき?」

「あのことまだ根に持ってます!?」


 半年ほど前、ルルさんの目の前で初潮で汚れたパンツを洗ったことがあった。

 もしやまだ根に持ってる可能性が?


「おねがい、あるの」

「なんですか」

「こんど、かいもの、いっしょに」

「そのくらいならいいですよ。ハイネさんとも行きましたし」


 やっぱりお嬢様主体でデート計画とか建てられてるんですかね。

 おっと馬車の予約は……いい馬車が停まってるのが見えますね。大丈夫そうです


「よかった、やっとブラかえる」

「待ってください、今なんて言いました」


 その後、元々無口だったルルさんはお嬢様と合流するまで一度もしゃべらなかった。

 そして一度も背中から降りなかった。


 学校が始まるまでまだしばらく日数がある。それがとてもとても不安になってきた。

初潮云々は33話のダンジョンで問題発生でのことです。

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