夢の中で
一面見渡す限りの菜の花畑だ。確かここは王都近くの丘だったかな?しばらく探せば目的の少女は丘の上で花畑を見下ろしていた。
「お嬢様?」
少女がこちらに振りかえる。
「あれ?執事?あれ??」
どうやら混乱しているらしい。
「ここは夢の中ですよ。お嬢様が心配であなたの執事は夢の中でまで働いているのです」
少し冗談めかして言う。
「なにか悩みがあるのでしょう?ここは夢の中です。どんなことでもあなたの執事が解決してご覧になりましょう」
大げさにお辞儀する。キザっぽすぎたかな?
「そうじゃないのよ。あと3ヶ月で王都の学園に通わなくちゃいけないでしょ?お兄ちゃんと離れ離れになるのが私は嫌なのよ」
ああ、そういうことか。この国では貴族は10~15歳の間学園で教育を受ける義務がある。逆に平民は8~10歳の間学校で読み書き・計算・簡単な国の歴史を無料で学べる。官僚を目指したり将来商会を継いだ時の横のつながり、貴族相手に交渉するような仕事に就く者は学園に進学するらしい。金のある貴族は学校で学ぶ内容は常識として教えておけということだ。うまく分けられてるとおもう。
だが、世話係として1人だけ連れて行ってもいいとも聞いている。
「ミリー?それなら一緒についていきますよ?」
こちらも合わせるように口調を崩して提案してみる。
「だめよ。その…男性だし」
世話係は洗濯や料理はもちろん慣れないうちは湯あみの世話も入る。確かに異性で付き人もないわけではないが年頃の少女に男の執事は無理か。
「なにか方法があるかもしれません。奥様に相談しましょう」
「お母さんに?」
「ええ、メイド長から聞いたのですが学園の卒業生だそうです。目が覚めたら一緒に聞きに行きましょう」
「うん!」
さて、悩みはわかった。あとはこの夢を忘れるように調整してスキルを解除すれば…
「ねえ?これは夢なんだよね?」
「はいそうですよ?私はお嬢様が作ったイメージですね」
嘘だけど。なんとなく嫌な予感がして執事モードになってしまう。
「えへへ~」
いきなり抱き着いてきたお嬢様は顔を近づけてきて…
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危なかった。スキルの解除が一瞬でも遅かったら接吻されているところだった。…よし、お嬢様はまだ寝てるな!今の夢を忘れさせられなかったのは痛いが所詮夢だ。大丈夫だろう。
優しく頭をなでる。ヨダレで酷いことになっていたので【クリーン】もかけておく。このままずっと見ていたいがそうもいかない。身体を起こし「私」は執事の仕事の準備を始める。
~朝食後~
「いいわよ?」
あっさり許可が下りた
「確かに気にする人もいるけど少数派よ?それにお付きに頼りすぎないようにする訓練もかねての学園だもの。
それにあそこは学食があるから食事の準備もいらないから極論してしまえば護衛さえできればいいのよ」
「……」
お嬢様は茫然としていた。おそらく混乱しているのだろう。許可されないとおもってたみたいだし
「あ、執事やメイドとは同室よ?平民は大部屋に2~3人くらい押し込まれるけど貴族の部屋は室内にタタミ4畳くらいのお部屋があるの」
親方どのぉ!?おもわず辺境伯に目で訴えてしまう。つーかタタミあるの!?転生してから見たことないけど!?
「まあ大丈夫だろ。間違いも起こさないだろうし…もし起こしてもキミなら連絡してくれればいい」
それとなくお嬢様のほうを見る。そうだね。珍しく俺の部屋で寝てずっと顔が赤いままこちらをチラチラ見てればなにがあったのかって思うよね。
「それは信頼してもらって大丈夫です。お嬢様さえよければ護衛として学園についていきましょう」
「…!!(コクコク)」
頼むから普通にしてください。
「あと三ヶ月ですか。王都まで馬車で3週間ですしみっちり教え込まないといけませんね」
「そうですね。書生相手の気配りは特にキッチリ仕込まないと」
執事長とメイド長がものすごくやる気です。
「よ、よろしくお願いします」
そういうしかない。もう逃げられないなコレ。
「じゃあ話はここまでね?ミリー、私の部屋にいらっしゃい。お話しましょう?」
誤解がとけるといいなぁ
あああああああああああああああ後書きに書きたい設定が多い!むしろ設定だけ考えていたい!
あ、ノクターンのほうで名前変えて別連載始めたので不定期になるかもしれません。と言ってもこっちは下書き段階から清書するだけなのでもしかしたらそこまで更新変わらないかもしれないです。
王都の冒険者ギルドマスター
現在登場した唯一のエルフ。の予定だったのに13話で作者がすっかり追加するのを忘れていて作中時間で1~2年ほど出番が遅くなる予定の人
学園長
六尾の狐人。狐人の獣人の中でも希少な多尾タイプの女性。
レベル20×尻尾なのでレベル120相当とかなりの実力者




