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Part60 フェルバ砂海



 輝剣クラウソラスと覇王鎚ウルトロゴスを獲得した後、星獲りの弓(スターキャプチャー)をダンジョンの宝箱から獲得し、残すは爪武器のみとなった。

 槍と刀に関しては、まだ考えているところだ。

 普通の武器は多腕機神の刃影(ヘカトンケイル)へ吸収させると取り出せないので、あまり適当にやるのは勿体無いし。



「さて……カスタマイズしてみるか」



 メニューから多腕機神の刃影のカスタマイズを選択し、武器種の選択へと移る。



「うわあ……ほんと多いな」



 なんかもう突っ込む気にもなれないが、相変わらず武器の種類が多過ぎる。執念というか狂気というか……本当になんなんだろうな、このゲーム。

 まあいいや。

 並んだ武器種の中から弓を選び、一先ず星獲りの弓(スターキャプチャー)を吸収させることにする。



[一度吸収した武器は取り外せません よろしいですか?]


「やっぱこういうのは出るか。『はい』……と」



 実際に目の前でズブズブと吸収させていく感じではなく、あくまでもメニュー内で行われることなので実感はないが、とりあえずこれでカスタマイズは出来たらしい。

 多腕機神の刃影(ヘカトンケイル)を取り出して弓へと変えてみると、それは何時ものような黒いものではなく、流星が尾を引くようなデザインのロングボウへと変化した。


 星獲りの弓。

 攻撃力や射程、連射性能などが高水準にまとまったこの武器は、弓使いのメインウェポンとして重宝されていると聞く。

 扱う為にはかなりのステータスが必要だが、防御力を犠牲にしているだけあって要求される分は問題なく確保できていた。



「さて……次は剣とハンマーだな」



 剣の項目を開いて輝剣クラウソラスを吸収させようとすると、[この武器は取り外しが可能です]と先程とは異なる表示が出た。


 覇王鎚ウルトロゴスには弓と同様に取り外せないという表示が出たので、やはりユニーク武器であることが取り外しの条件なのだろう。

 まあ確かに、このクラウソラスは消滅したらクエストの進行が不可能になるだろうし、そういうのも含めた措置なのだと思う。



「これで三種類か。あとは……爪だな」



 ギターはまだ作成に時間がかかるようだし、刀と槍はいい感じのものがまだ見つかっていない。

 爪武器は確か、銀棘竜爪(ぎんきょくりゅうそう)という名前のものだったはずだ。その名の通り、銀棘竜の素材が必要となっている。

 調べてみると、素材を落とす銀棘竜エルヴォルクはかなり討伐難易度が高いらしい。

 特に、棘を撒き散らす弾幕系の攻撃は、一発一発のダメージは少ない分回避が困難そうだ。つまり俺の天敵である。



「うーん……どうするかな」



 誰かを誘うべきだろうかと一人クランハウスでウンウン唸っていると、不意に天井が開き、何者かが勢いよく降下してきた。



「お困りのようね!」


「うわっ、ミーティア!」



 飛び出してきたのはブロンド髪の美女だった。

 一人だと思っていたのだが、いつから居たのだろうか。

 というかこの床開くのかよ……と思っていると、今度は天井がバタンと音を立てて開き、二人分の人影が素早く降りてきた。



「俺もいるぞ!!」


「あっ、えっ……わ、私もいる……ぞ」



 カッコよくポーズを決めるGOODの横で、御兎姫がキャラじゃないことをして赤くなっていた。

 無理に乗らなくてもいいのに……。



「何なんだこのクランハウス」


「他にも色々と仕掛けがあったりするが、それはいい。エルヴォルクの話だよな?」


「ああ、そうだけど」


「それなら俺たちも手伝うぜ」


「ちょうど私も用があったのよ。迷惑じゃなければ、どうかしら?」



 思ってもみない申し出だ。

 正直言って、キルカと二人で挑むには、エリアそのものの難易度から言ってかなり難しいと思っていた。

 廃人達の手を借りると少々オーバーキルになるかもしれないが、武器はとっとと集めてしまいたいのでやむを得ない。



「じゃあ、よろしく」



 そう言うと、ミーティアとGOODが笑顔で親指を立てた。

 うずくまっている御兎姫や、ソファで丸くなって寝ていたキルカも連れて、俺たちはエルヴォルクの待つエリアへと向かったのだった。



——————



 ツヴェルヘイムから西に向かい、二つ小さな街を経た先に、そのエリアはあった。

 果ての見えないほどに巨大な砂の大地。

 太陽の光を受けて輝く砂は、海流のように流れ、落ちて瀑布の様に飛沫を上げる。


 フェルバ砂海。

 銀棘竜エルヴォルクの棲む、未だに未踏破領域の残る高難易度エリアである。



「……あつい」



 コールドドリンクをごくごくと飲みながら、御兎姫は呟いた。

 気温があまりにも高いエリアでは、暑さをどうにかするアイテムや装備などがないとスリップダメージを受けてしまうらしい。

 事前に言われなかったら絶対忘れてたな。



「俺の調査によると、エルヴォルクはこの辺りを回遊しているらしい。まあ、少し待ってれば来るだろ」



 GOODの知恵袋に従って、俺たち五人は岩陰で待機する。


 果たして、それはすぐに現れた。


 黄金の砂海を斬り裂く、巨大な銀。

 全身に無数の棘をもち、太陽の光を受けてギラギラと輝くそれは、俺たちを見て大きく吼えた。


[レアモンスター 銀棘竜エルヴォルク]


 熾烈な戦いが、今、始まろうとしていた。

 

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