Part17 水の都殺人事件
タイトルを変えました
あと改行も若干多くしてみてます
——【アルゴノーツ】メンバーチャット——
[ナツレン]:ペンテローネが見えてきました
[リンネ]:[写真]
[リンネ]:わたくしに相応しい美しい街ですわ!
[ミーティア]:あら、良いわね水の都。私も久しぶりに行ってみようかしら
[超人マン]:おつかれ様〜。龍水は四種類の中で一番面倒なんだけど勝てたようで良かったよ
[ミーティア]:ワルトレーネはほとんど味がしないから好きではないわね
[リンネ]:味、ですの?
[御兎姫]:気にしないでいい
[超人マン]:そういえば、ナツレンくんってゲーマーとの交友関係広いよね?
[ナツレン]:そうですね
[超人マン]:出来たらでいいんだけど、ゲームが上手い知り合いで誘えそうな人がいたら誘ってくれないかな
[超人マン]:ゲーム代は私が払うから
[ナツレン]:ゲームが上手いやつなら結構いますよ
[ナツレン]:どんなのが良いですか?
[御兎姫]:むさくるしくない奴
[GOOD]:俺への当てつけかな?
[御兎姫]:GOODみたいなのは、お呼びでない
[GOOD]:酷いなあ
[超人マン]:うーん、このクラン、攻撃役だらけなんだよね。
[超人マン]:バッファーはリンネちゃんがいるから、デバッファーかヒーラーが欲しいかな
[超人マン]:あとAliceちゃんに攻撃されなければOK
[ナツレン]:最後の判断がめちゃくちゃ難しいんですけど……
[ナツレン]:まあ、とりあえず何人か候補いるんで今度呼んでみます。
[超人マン]:うん、よろしくね〜。
——————
チャットを終えた辺りで、ちょうどペンテローネに辿り着いた。
「ここが水の都、ペンテローネですわね!」
道幅よりも広い運河が張り巡らされ、ゴンドラが行き交う風景は、まさに水の都の名に恥じないものであった。
街の中央にそびえ立つ巨大な塔のような建造物からは、そこからペンテローネの全ての水が賄われているのではないかというほどに止め処なく水が溢れ出ている。
「すげえな、これ」
運河の水は異様なほどに透き通っており、底に敷き詰められた石がはっきりと見えるほどであった。
行き交うゴンドラの漕ぎ手が手を振って挨拶をしてくる。本当に観光地だなこれ。
風景を見ているだけでも全く飽きる気がしない。
人を乗せた赤いゴンドラ、林檎などの果物を運ぶ青いゴンドラ、変に赤く染まる水、流れる死体…………。
死体?
「いや何で!?」
「どうかしましたの……って何ですのこれ!?」
ぷかぷかと浮かぶプレイヤーの死体は運河の水を赤く染めながら流れのままに進んで行った。
基本的にこのゲームはプレイヤーから血が出ることはないのだが、水の中に入ると違うらしい。
もしかしたら血の匂いを嗅ぎつける敵……サメのようなモンスターがそのうち出てくるのかもしれない。
……はい、現実逃避です。
「ちょっと見に行ってくるわ。リンネは?」
「うーん、覗きたいお店がありますの」
「オッケー、じゃあ今日は解散ってことで」
「はい、またよろしくお願い致しますわ!」
リンネと別れ、心の中で見知らぬプレイヤーの冥福を祈りながら、上流の方へと向かってみる。
どうやら何かあったようで、何人かのプレイヤーが離れて様子を伺っていた。
一番近い魔法使いの女性プレイヤーに話を聞く。
「なんかあったんですか?」
「ああ、【自警団】の奴らだ……のよ」
取ってつけたような語尾で聞きなれない単語を言う彼女に……多分「彼」なのだが、まあとにかくその【自警団】について聞いてみる。
「【自警団】……?」
「知らないのか……ですよ? その名の通りゲーム内の治安を守るってクランなんだが、疑わしいプレイヤーまで誅殺しやがる……のわよ」
ちょっとロールプレイに無理があるのでは?別に男口調の女魔法使いがいてもいいと思います。
それはともかく【自警団】というのは何かヤバそうだ。
何故か意気投合したネカマ——ぷりちーと言う名前のプレイヤーとフレンドになった後、【自警団】というものを見てみることにした。
「あれが【自警団】の奴だ……ですわ」
「ここで人を殺した輩!出てこい!!息の根を止めてやる!!!」
「うわあ」
何あれ、暴徒?
巨大な刀を振り回しながら叫ぶ女性のステータスを見てみたところ、所属クランが【自警団】であると分かった。
アレが自警団って酷すぎるだろ。
「よーし、出てこないと言うのなら今から一分ごとにプレイヤーを一人ずつ殺していく!!!!」
「完全に悪役のセリフじゃねーか!」
「おいっ!?」
「なんだあ……?」
やべっ、つい突っ込んでしまった。
いやきっと俺だってバレてないはず……いや思いっきり見られてるな。終わった。
「成る程、貴様らが犯人か!!!」
「いや違えから!」
「俺たちはただの善良なプレイヤーだ……わよ!」
大太刀を振り上げながらじりじりと近づいてくる鬼武者の様な女性に二人揃って弁明するが、聞き入れてくれる気配はない。同じ言語を喋っているはずなのにコミュニケーションが困難だ。
「疑わしきは誅殺!!!!」
勢いよく振り下ろされた大太刀がぷりちーを両断した。
「ぷりちいいいい!!?」
「まずは一人……貴様もだ!!!」
ヤバいぞこいつ、ガチだ。
「くそっ、死んでも恨むなよ」
「誅殺!!!」
「マジで話聞かねえな!?」
刀を抜いたものの、正直言って勝てる自信はない。
まずステータスが隠されている時点で上級者だろうし、表示されていた職業は剛天——侍系統の上級職だ。
「ふんぬッ!!」
「そのスピードで振り回していいもんじゃねえだろそれ……!」
人の背丈を越えるほどの大太刀を、俺が刀を振る速度以上の速さでぶん回す女。
どうせ食らったら一撃で死ぬので武器の威力はどうでもいいのだが、やはり攻撃範囲が広すぎる。
何となく死んでも物を取られる心配は無いように思えるが、だからと言って大人しく斬られるつもりはない。
プライドが許さないというか、単純に溢れ出る殺気に俺の身体が徹底抗戦を選択したのだ。
こいつに殺されたら現実世界でも死にますと言われても納得できそうな程には殺気を感じる。シンプルに怖い。
「《嵐獄斬》ンン!!」
「スキルはやめろって!!」
一瞬刀が大きくなったかのような錯覚さえ見せるほどの、圧倒的高エネルギーが放たれる。
飛ぶ斬撃に追随するように渦巻く複数の斬撃を、すんでのところで横に跳んで回避する。
しかし、足に掠ってしまったようで、俺の生命力は一気に減少した。
「掠っただけで瀕死とか無理ゲーだろ……」
「疾く死ねい!!!」
「お前やるゲーム絶対間違ってるって!」
テルモピュライとかに送るべきだよこいつ。
こうして悪態をつきながら斬撃を避け続けていたのだが、流石にスタミナ管理にまで意識を回すことができず、《グライドステップ》を発動したところでスタミナが切れ、膝をついてしまった。
そんな俺に、容赦なく大太刀は迫る。
「やべえっ……!」
「チェストォォオオオ!!!」
オイオイオイ死んだわ俺。
振り下ろされる死から逃げるように目を瞑り……
「何をしているのかしら?」
ミシッ、と。
そんな音がして、バーサーカーの振るう大太刀は俺の寸前で動きを止めた。
いや、止められたのだ。
それも、上から振り下ろされた大太刀を上から掴んで止めるという異常な身体能力によって。
「間に合ったようね」
「ミーティア!」
ブロンドの髪を風にたなびかせながら、ミーティアは微笑んだ。
そして、何が起きているのか理解できないという表情を見せる女を、冷たい目で見据える。
「【自警団】ね。私はプレイヤーキルには興味ないのだけど、可愛い後輩をいじめるのなら容赦しないわよ」
頼もしすぎます、姐さん!
【アルゴノーツ】は火力だらけ
GOOD:鈍足遠距離火力職
リンネ:純バッファー
超人マン:生産職だけど高火力
ミーティア:近接火力職
御兎姫:打たれ弱いがオールマイティ
アポロ13(未登場):火力職
Alice:通常攻撃が自動発動で全体攻撃で超高火力な少女は好きですか?




