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Part15 三匹のコウモリ

短めなので連続で投稿します



 黒板を爪で引っ掻くような音が鳴り、一瞬身体が硬直する。その隙を突くように別のコウモリが突撃し、豆腐のような俺の装甲に鋭い牙を突き立てようとする。



「お前さっきそれ使ってなかったじゃねえか……!」



 行動を阻害する超音波攻撃は、効果が一瞬であることを考えるとおそらく複数体いる場合にしか使わないのだろう。



「リンネ!そっちは大丈夫か!?」


「1匹くらい、何とかして見せますわよ!」



 バッファーとは言え、姫という職業はある程度の攻撃スキルも持ち合わせている。

 上級職はクイーンを選ぶようで、そうなると純バッファーとして攻撃スキルはほとんどなくなってしまうようだが、その分バフの効果量が凄まじくなるらしい。



「すまん、バフ頼む!」


「よろしくってよ!《属性号令:光(オーダー・ライト)》!」



 コウモリの目前に掲げた刀が再度光を強く放つ。

 二体を巻き込むように《一閃》を使い、更に《鎧貫》で弱っていた一匹を貫く。

 


「キィッ!?」


「死んどけ!」



 コウモリがポリゴン的に消滅するのを横目で見つつ、もう一体のコウモリの三連噛み付きを回避。



「もうそれは見切った!!」



 《兜割》を脳天に叩き込み、怯んだところに追撃を数発入れてようやくコウモリは消滅した。



「雑魚敵の強さじゃねーな……リンネ、大丈夫か?」


「こちらはなんとかなりましたわよ!」


 リンネの方も問題なかったようだ。

 何だかんだでプレイヤースキルも高いし、そもそも俺より前に始めたのだからステータスもある程度上がっているのだろう。



 コウモリのドロップアイテムを拾ったところで、ふと気になるものを発見した。

 一見ただの岩のように見えるが、その表面は他とは違う輝き方をしている。

 近寄って調べてみると、どうやら鉱石を採掘することが出来るようだ。金属類は武器を作る為に必要なので採っていくことにしよう。



「ここ採掘できそうだぞ」


「ま!本当ですわ!ツルハシの出番ですわね!」



 インベントリから事前に買っておいたツルハシを取り出し、強く打ち付けると、カンッという音と共にアイテム化された鉱石が足元に落ちる。

 拾いつつ何度も試してみると、一発で採れることもあれば三発で採れる場合もあった。



「何が採れたかなっと」




・鉄鉱石

 ごく普通の鉄鉱石。

 さまざまなものに用いられる。


・青鉄鉱

 水の力を宿した鉄鉱石。

 この鉄鉱石で作られたものは同様に水の力を得る。

 

・ルクト鉱石

 微かに光を放つ鉱石。

 魔力を通しやすいという性質を持つ。



 

「いかにも序盤の鉱石って感じだな。そっちはなんかレアっぽいの採れたか?」


「全然採れませんわ……!?」


「えっ?」


「わたくし、まだ鉄鉱石一つしか入手できてませんのよ……」



 泣きそうな顔でツルハシを振るうリンネだったが、一向に鉱石が出る気配はない。



「ステータスが関わってるのかもしれないな……多分物理攻撃力には筋力が含まれてるだろうから、その辺りだな」


「うう……あまり物理攻撃力は高くありませんの」


「じゃあ俺が採るよ。ツルハシ貸して」



 攻撃手段があるとは言え基本はバッファーなリンネに比べれば俺の方が物理攻撃力は高いだろう。

 10回ほど採掘し、アイテム化した数個の鉱石を渡す。上ルクト鉱石なるものがあったのが気になるが、まあ全部渡してしまおう。



「感謝致しますわ!」


「おう、んじゃ進むか」



 この後も所々で採掘をしつつ、俺たちは洞窟の奥へと進むのだった。




————




「結構奥まで来ましたわね……」



 コウモリ以外にもトカゲや鬼火のようなモンスターを撃破しつつ、洞窟を進む。

 もう洞窟に入ってから1時間が経つのだが、周囲の様子に変化はない。



「そろそろボスが出て来てもおかしくないとは思うけど、ダンジョン型だから迷ってる可能性もあるんだよな」



 VRゲームのフィールドにはいくつかの種類がある。

 その中でもこのダンジョン型はかなり厄介だ。

 ひと昔前、ディスプレイを通してゲームをしていた頃であればそこまで難しくもないのかもしれないが、実際に自分がダンジョンを歩くというのはかなり場所を見失いやすい。


 ケチらずにマップ買えばよかったかな……でも高いんだよな、フィールドのマップ。

 ゲームそのものが生まれて間もない頃には、人々は方眼紙にマップを描いていたとも聞く。その方法であればマップで無くとも紙だけで何とかなるので割といいかもしれない。



 さて、そのまま更に十分ほど進んだところで、俺たちは広い空間に出た。

 様子を見る前に一瞬ラグが入る。ストーリーモンスターのような同時に複数体存在させられないモンスターと戦う場合は、見た目が全く同じ別空間に転移して戦うというシステムになっているらしい。

 まあ確かに大量に囲んで殴るというのはゲームシステム的には避けたいところだろうし、かと言って挑戦する為に待たなければいけないというのもプレイヤーからすれば嫌だろう。



 改めて辺りを見回すと、ドームのような半球型にくり抜かれたような空間のところどころに水溜りがあることがわかった。

 さらに一番外側には、フィールドを囲むように深い池がぐるりと円形に広がっている。

 ダンジョン内にあったものと同じく、水は全て光を放っていた。


 おそらくこのボスに関連するギミックなのだろう。

 それがボスにとって有利な物なのか、それともプレイヤーが活用することで優位に立てるものなのかはわからないが、気に留めておくに越したことはない。



 鞘に収めた刀のつかに手を掛け、ゆっくりとフィールドの中央へと進む。

 そして、ある一点に差し掛かったとき、点在する水溜りが急に沸騰しているかのようにゴポゴポと蠢き始めた。

 俺の前の方に存在する一際大きな水溜りが、間欠泉のような勢いよく水を吹き上げた。



「きゃっ!?」



 悲鳴を上げたリンネをかばうように位置取りをしつつ、刀を抜いて構える。

 吹き上げられた水は、空中で水のまま固形化し始める。

 何かしらの魔法が働いているのであろうそれは、だんだんとその姿を明らかにして行った。



「これは……デカイな」


 

 [ストーリーモンスター 龍水ワルトレーネ]と表示されたそれは、まさしく龍の形をした水であった。



 あの、これ物理効く?

システム上はどんなジョブでもソロで倒せるようになっています。

魔法完全無効とか物理完全無効みたいな奴らには攻撃を通せるようになるギミックなどがあったり。


でも普通にシビアになります。

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