雄猫
詩? 散文? ……雑文、かな。
雄猫の家出は、習性なんだって。
ちょっとのあいだ、旅をして、
傷をつけて帰ってくるんだってさ。
でも、その傷ってただの傷で、
成長も後退も、ただのそれでしかなくて、
久しぶりに見る家の景色や、坊やが心配そうにお帰りって言う声は、
形として残った傷をなめて、外から抱きしめることしかできなくって。
誇りも後悔も、こっそり持ち帰って、庭に埋めるのさ。
だれか目撃者がいたとして、
そいつらには到底掘りかえせない深さまで埋めてやるのさ。
隣のあの子が待ってたよって、坊やは言うけれど、
知るか、
って思うんだ。
雄猫にとって、家は家でしかなくて、
あの子もあの子でしかなくて。
そして、坊やのお膝を枕にして寝るんだ。
坊やでしかない坊やの、雄猫には小さすぎる、そのお膝で。
「みてみん」の、猫写真の多さよ……
トイプードルとチワワ合わせても太刀打ちできない数じゃないかしら(笑)