012『ファーストコンタクト』『孤独の鳥』
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『孤独の鳥』/20☓◯詠み人知らず
私の魂星のカケラ その半分をもつ貴方から
私のもとへ 想いのこもった 孤独の鳥が放たれる
私は小鳥にこう答える
「私を乗せて 螺旋の気流に乗って
透明な宇宙高く 昇ってくれませぬか?」
胸の中に イロトリドリの光があふれた
――さあ 孤独の鳥よ
青緑の森へ おかえり――
私の魂星のカケラ その半分をもつ貴女から
私のもとへ 孤独の鳥が放たれる
私は小鳥にこう答える
「私を乗せて 螺旋の渦に乗って
ピンク色の海深く 沈んでくれまいか?」
心の中に イロトリドリの何かが溢れた
――さあ 孤独の鳥よ
青緑の森へ おかえり――
魔法のような青と緑の 色彩を纏って
私とあの方のもとへ 風に乗って
今ここから 翔び立とう
二人は虹色の季節に包まれ 幻想的に溶け合った
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『あの方』が私を予感している予感がした。
『探知』『同調』
あの方の感情が伝わりシェアされて私は泣きそうになる。
――時間空間共に不明――
――私はそう感じた。
時間軸ではきっと少し未来なのだ――。
――時間を超えられるなら今この瞬間、リアルタイム。
《同期され現象化が進んでいます》
――いつかのどこか――
『あの方』はここにいる。
あの方は『予感』を感じた。
それよりも先に大切な誰かの『存在』を感じた。
ようやく双方向にリンクされた。
あの方は膝丈くらいのスカートを履いていた。それはフレアでもなく、タイトでもなく――。
窓から光が差し込んでいた。あの方はゆったりと少し動き始めた。
――私――
私は少し色のついた映像がみえている。
そこにあの方――がいる。
あの方は膝丈くらいのスカートを履いていた。それはフレアでもなく、タイトでもないような。
あの方は窓から外を眺めた――瞬間、眩い光が一斉に流れてくる。まるで、待ってました!というかのように、堰が切られたかのように流れてくる。部屋を満たし、別の窓から溢れでるように。
あの方はその光の流れに乗っていた。
――そこから邪推が入ったせいか、映像の内容はアニメのような、漫画のようになってしまった。
『やっとみえたー!』
《Congratulations‼おめでとうございます》
「でもスマホいじってたからか、邪推でたー!」
《スマホ使うの趣味ですものね》
情報端末として球体ホログラムが使える為、スマホはすでに必要ない。
球体ホログラムがデジタル、スマホがアナログみたいな感覚だ。物質は時代遅れ――ということになる。となると人間も時代遅れなのか――。
せめて血管リンパ神経は、無線であってほしい。それがまだ叶わぬなら、有線無線併用だ。
「光に乗った後、天に昇ったり、光が龍になったり、漫画かー!自分で色をつけようとしちゃった……」
「でも鳥さんは邪推する前から観えてた!漫画かー!って少し心の中でつっこんじゃったけど――」
『ガイダンス』は何も言わなかった。
私は『同調』『テレパシー』で、はじめてあの方と話してみることにしました。
ドキドキドキドキ
「――こんにちは」
私が言う。
「…………」
声が聴こえない
「…………」
「…………」
何か――は感じる。
「踊りましょう」
私はそう伝え、私たちは手を取りあった。
くるりと回ったり、ゆーらゆーらしたり。
ハグして、そのまま空中に浮かんでくるくるした。
泣きそうになる。
あの方は白いドレスを身に纏っていた――。形はくるぶしまでのロングフレアでひらひらしながらも、数枚はレイヤー――重なっているようだ。パニエではないらしい
まわりにつばがついた帽子をかぶっていた。
全身は真っ白というイメージもあれば、どこかクリーム色とうすいピンクのイメージもあった。
私は黒のタキシードのような――ドレスのような衣装を纏っていた。時にうすいブルーのドレスにもなった。
音楽はメリーゴーランドで流れるような曲がながれていた。
私たちは少し離れて、お互いに別の動きをしながら、呼吸をあわせて一緒に踊っている。
私は踊りながらメロディを口ずさんだ。あの方はそれにこたえた。
しばらく踊り続けて映像が止まった。
(今私はこんな現状です。ごめんなさい)
私はそう伝えてしまったけれど、すぐに。
(そうだ。私はポテンシャル枠なのだ)
そう感じた。
そしてお互いにポテンシャルを感じあった。