お姉様と隣国のお姫様の喧嘩がなんかオカシイ
夢と希望と妄想全開の2話目。
はぁ、姉が欲しい…
やっとの思いでお姉様から解放された僕は廊下を歩いていた。
すると後ろから声をかけられたので振り向くと綺麗な人が立って居た。
彼女の名はエリザベート・ルイス・クレイサム、隣国のクレイサム皇国のお姫様である。
僕も何度かパレードでチラッとお目にした事はあったけれど近くで見るとやっぱり綺麗だった。
「貴方がひょこっと出てきて玉座を自分のものにした隠し子王子のルーク・ヴィ・アルセナートかしら?」
間違ってはないけれど、その言い方だと悪印象しか持たれてないみたいだな。
「は、はい。僕がルークです。お見知り置きをエリザベート様」
一応紳士的な挨拶は心がけたけれど…緊張してぎこちなくなってそうだな…
しばらくの間、彼女は僕を見つめては唸ったり悩んだりして居た。
「決めたわ。私は貴方と結婚するわ」
………
「ふぇ?」
理解出来なかった、完全に脳がフリーズして時間が止まったかのような感覚だった。
そして少しの間を置き間抜けだ声を出した僕に彼女は更に追い討ちをかけるがの如く話し出す。
「私ね、お父様に貴方と結婚する様言われたの。政略結婚ね。で、貴方がどんなものか見に来たのだけれど…なんでかわからないけれど気に入ったわ。だから貴方と結婚してあげる。」
話が急展開過ぎてわからない…僕にはついていけません。
「許さないわよ!ルークは誰にも渡さないわ‼︎」
そう声を荒げながらお姉様が現れた。
理解しきれない僕を置いてく気満々で話が進んでいっているのだけは理解出来た。
「あら、誰かと思えばパツキンアメリアじゃない」
「だからその頭の悪い言葉はやめてと言っているでしょう腹黒エリザベート」
……
「誰が腹黒かしら頭お花畑」
「腹黒よりはマシでしょう」
今にも殴り合いしそうな勢いで言い合っている。
なんか凄く怖いです…
「私のルークは貴女みたいな腹黒には渡さないわ」
「あらあら、ルーク王子も大変ね、頭のおかしい姉が出来てしまって」
話を振ろうとしないで下さいおねがいします。
「頭おかしいのは貴女の方でしょう?小国の田舎お姫様」
「貴女我が皇国まで愚弄するとはいい度胸ね打ち首にされたいのかしら?」
「やって見なさいここは私の国よ貴女の方が打ち首になりそうね」
怖い…うふふとか笑ってるけど2人とも目が笑ってない…
「あ、あの…僕の意思は一切無視ですか…ね」
恐る恐るそう口にした。
もんの凄い震えながらも頑張りました。
「怖かったかしら?ごめんなさいねルーク。よしよし、お姉ちゃんが撫でてあげるわ」
ガバッとお姉様は僕を抱きしめ撫でてくれた、でも恥ずかしいです苦しいです…
「貴方の意思も尊重はしなくちゃいけないわね。いいわ少しの時間をあげるからじっくり考えなさい。その頭のおかしいブラコン姉かこの可憐で気高い私か」
………僕この人苦手です……
次回はまさかのお母様が大暴走です。
ルークが結婚を申し込まれた事を知ったお母様の暴走ぷっりをお楽しみに。