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冬馬君の秋と冬  作者: だかずお
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まだまだ アイルビーバック




冬馬君の秋と冬




『まだまだ アイルビーバック』



無事に多網家に帰って来た一同「ああ、この見慣れた景色、やっぱ安心する」きみ子が言った。


「おうち」と多網も何だか、ホッとしているみたい。


「あー、ようやくホッとした」冬馬と大喜も一安心。

そして、何より、誰よりも嬉しそうなのは言うまでもないこの男


サー


心の中叫んでいた。

オー 神よ仏よ ベリーベリー グラシャス カムサムニダ

パイパイ ペチャ ペチャ 言語を統一してくれ。

てか、最後のはなんぢゃ〜〜?


やはり、我が家は落ちつく、明るい電気の下、涙が溢れるサー。ニンマリ笑顔が浮かぶ。


多網母が「随分遅かったね、電話も出ないし、心配しちゃった」


サーは言った「あっと、ちょっと道に迷っちゃって」


地獄から私は生還したんだ、偉大なる私の名はサー。

ただの、山から帰っただけであるが。


とにかくホッとした。

「さて、お風呂につかろう」


ここで、寝ていた、まったく出番のない多美が何故かキレた。


ちゃー ちゃー(だから、私を目立たせて)


ちゃー ちゃ ちゃ ちゃー(あっ、そうだこれ、私からの提案なんちゃーけど、私が目立つ回をつくるのどう? タイトルは ちゃー)


ちゃー ちゃー ちゃー(ちゃー ちゃー ちゃー)


以上。


我が家は落ち着くなぁ、サーは、お風呂に浸かりながらまたニンマリ あーあの真っ暗森から、無事帰れて良かった、一時はどうなるかと、サーは今、至福である。あったかい、見慣れた、お風呂場、くつろげる最高〜 この瞬間がまた和むんだなぁ〜。


子供達も、多網の部屋でくつろいでいる「あー、良かった、帰ってこれて」冬馬君が微笑む。


「でも、楽しかった」とポツリ多網


見慣れた部屋の中、布団の上で寝そべり、皆で語り合う、なんてホッとして、最高の瞬間なんだろう。


「じゃ、引き続き部屋で怖い話」ニヤリ多網

どんだけ好きなんぢゃ〜〜、だがワクワクする。

まだやるんかぃ〜〜。

電気を消し、布団にもぐる ヒャッホーウ。


するときみ子が「そう言えば、さっきの山の中で変な音したじゃん」


「ああ、そう言えば」


「私あの時、実は見ちゃった」


「えっ?」みんなは何だか怖くなり、身体を寄せ集め

、布団にもぐる。


「あの時、あそこでは、さすがに怖くて言えなかったんだけど」


皆は息をのむ。

「見ちゃった、野糞してた人」


「えっ?」


「それって、お化け?でも、あんな森であの時間に野糞してるなんて、確かに違う意味でも怖い」


「本当ビックリしちゃった野糞してる、半透明の人」


半透明? ヒョエーー 幽霊じゃん、しかも野糞してたとは〜〜 どうでもいいが、ウンコも半透明になるのだろうか?


「あれやっぱ幽霊だったのかなぁ」

何だかゾッとした子供達であった。


みんなで、多網の部屋で、寝ながら語り合う、この瞬間はやはり、たまらないものがある。

はやく、冬休み来ないかなぁ、そんなことを思う冬馬君。みんなで過ごす、この時、心落ち着き、リラックス最高の瞬間である。

すぐ寝てしまうのが、もったいない気がするのだ。


「あの、婆ちゃん家の旅行から、もうすぐ一年かぁ。

今年も、行けるかなぁ」と冬馬君


「楽しかったなぁ。あの懐かしのビデオレンタル屋」

きみ子の発言に、みんな、あの旅行が懐かしくなり微笑んだ。

「ああ、ビデオ屋さん懐かしい」(冬馬君の冬休みより)


「今年の冬休みは、どうなることやら。楽しみだ」大喜が寝ながら、身体を揺らしながら、ワクワクしている。


ザーッ ザーッ 外はまだ雨が降っていた。

「結構強い雨、まだ降ってる」多網が耳をすます。


「あの、山奥じゃあ、焦ったけど、ここじゃ安心」ニッコリ冬馬君


だが、こんな時に奴は帰ってきた。


まだ、終わらんぜぇー アイルビーバック

ゴロゴロゴロゴロ〜〜 そー、雷様である。


「ヒャあっ出たーっ」風呂場で裏声をあげたのは、そう、もっちのろん サーである。

「なんで、まだひっぱるんだよ、このネタ」訳のわからんことを言ってやがるなサーよ。


サーの、さっきまでの、和んだ気持ちは何処へやら、全裸のまま、速攻で風呂から飛び出す ドヒューン。

彼は言った「まずい、風呂場じゃやられてしまう、はやく人の居る場所に行かなければ」


雷様は叫ぶ ゴロゴロゴロ〜〜(させるかあっ)んな、バカな。


その音にサーはすっ転ぶ、ドテンッ

これらの音を聞いた、多網母。ああ、いつもの雷一人テンパりがでた。うるさいのよねー、ああなると。

「あなた、多美が起きるから、こっちに来ないでね」


サーは嫁から、かいしんの一撃をくらう。ズクシュ


どうしよう、それじゃあ、ここは明るい山の中ではないか。訳が分からなかった。

サーは服を着て、多網の部屋にかけこんだ。


「あれっ、どうしたのおじちゃん?」きみ子が部屋の入り口に来た、サーを発見。


「みんな、雷大丈夫?怖がってると思って、心配で見に来たんだ」サーはかっこいい自身の自画像を破壊しないように、クールを装い、言った。


「全然大丈夫だよ」まさかの子供達の返事にサーは焦る。


「えっ、ほんと、こんなに叫んでる(鳴ってる)のに?

」一体サーは雷をなんだと思っているのだろう。


その時、ピカッ 窓の外が光る


「ひやああっ、ピカッた」焦っちゃっちゃったサー


ジロリ 子供達の視線がサーに。

「おじちゃん、まさか雷怖いの?」


「えっ、きみちゃん、いやだなぁー、僕は大人だよ、なに言っちゃってるの」


ゴロゴロゴロ〜〜


サーは思った。まずい、一刻も早く、皆の布団にまざりたい。

どうすればいいんだ?


ビカッ 凄まじい光が再び、窓をてらす


サーは思う、こいつはぁ まずいっ 来るぞっ。

この時、サーの脳みそが革命的な奇跡を起こす。


「ええーいっ、修学旅行ごっこ〜〜〜〜〜〜〜〜」

と発して、同時に冬馬君の横にサッと潜り込んだのである。


おおーっ、これには子供達も、大興奮。大人をまぜた修学旅行ごっこかぁー。目を輝かす。

「それ、最高」みんな喜んでいる。


サーは心の中叫んだ。しゃああああああっ、布団にはいれた。

なんちゅーしょうもない、革命的な奇跡。


「じゃあ、サーも入る、夜中の語り合いだぁ」冬馬君が言った。

この初めてのパターンに、みんな大喜び。


ザーッ ザーッ ザーッ 激しい雨は降り続ける。

ピカッ ゴロゴロ〜〜

「何だか、このシチュエーション最高だね」冬馬君と大喜は顔を見合わせる


「父ちゃん、怖い話」多網の一言に乳(父 なんぢゃこれ)は思ふ、何故こやつは、こんなに怖い話をせがむんぢゃ?我が子ながら、それが怖かったサー。


「怖い話じゃなくて、面白いのにしようよー」と頑張るサー


「やだ、燃えない」すごい一言である。


「じゃあ、そーだなぁ」 ピカッ


「ひやぁっ」 ジロリ


「おじちゃん、どうしたの?まさか、雷の音?」


「やっ、やだなぁ、雷なんて、屁でもないさ」


ザーッ ザーッ ザーッ サー サーッ


サーは思う、仕方ない、適当な話をして、とにかく面白い話にしちゃえばいいんだ」


サーは、作り話を考えながら、語り始める。

「えっと、昔ね」


すると、多網が「どれくらい、昔?」


「あっ、えーっと、んーっと」 ピカッ


「ヒャアッ」


「えっ?」子供達の視線がサーに集まる


頑張るサー「ヒャアッく日前」


「なんだ、そんな昔じゃないね」と大喜


「えっと、100日前に、おじいさんとおばあさんが、旅行に行きました」

サーは思った。自分は何を話しているんだ?この流れに一体どんなオチをつければ?いいんだ。


「そして、温泉に浸かりました」


「今のところ普通だね」期待しながら話を聴いている子供達。怖い話だから、ちゃんと布団に入っている。


「そして、えーっと そーだなぁ、部屋に戻って」


ピカッ


「オオオオオオオオーッ」またも驚き、叫んでしまうサー。


「えっ?」ジロリ


まずいっ 「オオオオオオーッふだが、部屋に貼ってあったのです」


「おふだ?」サーの話に、更に期待高まる


サーは、まずいっ なんか本当に怖い話ちっくに、なってきてしまった、と焦る

「その、おふだを、えーっと 、おばあさんが、はがしてしまいました。そしたら」


窓の外が激しく光った ピカッピカッ ビカッ


「ぎゃああああああああああああああっ、出たーっ」


ゴロゴロゴロゴロゴロ〜〜


「うぎゃあああああああああああっ、窓の外に怪物ーッ(雷)」指をさし、叫び上がるサー。


あまりの迫力に子供達は震えあがる

「うわあああっ、ビックリしたぁー」


「話は全く怖くないけど、見事な演技ね」きみ子が額の汗を拭う。


一応成功であったそうな。

時は過ぎ、ようやく雷も去って行く。


秋の夜、サーも加わり、みんなで布団に入って眠った

楽しい、思い出に残る一日だった。





つづく



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