デート後の夜
「しゅこおおおっ」男達は寝ていた。
言うまでもない、黒マントにアウストラロピテクス、スーである。
小夜さんと五里羅さんが、タクシーを呼び、黒マントとスー、子供達をタクシーに乗せ、スーに住所がわかる物を出させる。
何故か最初、舌を出したスーであった。
「みんな、後はよろしくね」
「任せて」きみ子が言う、そして続けた「小夜さん、スーおじちゃんとまたデートしてくれる?」
「えっ?」
一瞬の沈黙
返事にドキドキしている冬馬君達。
「うん」
「コヒョォオオオオオオオオオオオオオオオーッ」
この雄叫びは子供達ではない。
まさかの五里羅であった。
「やったーーーーーーっ」みんなはニンマリ
「じゃあまたねー」小夜さん達に手を振る。
無論、スーとサーの意識はない。
もちろん、小夜さん達が乗るタクシーのアウストラロピテクスも。
意識はないのだが、外から少し奴の声が聞こえる。
「アウストラ、アウストラ〜」
「まだ言ってるよ」と、大喜。(普通にアウストラってすげーな、聞く人は全くの謎であろう)
「しかし、このデート大成功じゃない」きみ子がガッツポーズを決める。
「スーに小夜さんの返事教えたら、絶対大喜びだよ」冬馬君もニンマリ
子供達は、小夜さんと五里羅さんに再び手を振り
「ありがとうございました〜〜」
ちなみに支払いは、倒れたアウストラをよそに五里羅さんがしてくれていた。
アウストラ〜〜 アウストラ〜〜
もちろん、黒マントとスーも意識を失い、ぐっすり眠りについていたのだ。
スースースースー、サーサーサーサーサーサー。
「なんだか楽しかったね」タクシーの窓から、夜の街の景色を眺めながら冬馬君が言った。
「エキサイティング」多網が頷く。
「スーは今どんな夢見てるんだろう?」大喜は想像し夢の中まだ、黒マントとアウストラロピテクスとスピリタスを飲むスーを発見した。
「とにかく、スーの結婚に一歩近づいた」きみ子が右拳を前に突き出し「ファイ」と叫ぶ。
恋のキューピッド大作戦は、一応成功した。
タクシーの中、大人達はぐっすり寝ていたので、なんだか子供達だけでタクシーに乗ってる気がして、少し大人になった気分がしたのは嬉しかった。
時刻は20時を過ぎたばかり、とけたみ家にタクシーは到着する。
全く目を覚まさない二人にタクシーの運転手さんが「お客さん困りますよ、起きて下さいよ」
二人は全く起きる気配がなく、家から心配した、とけたみさんのお母さんが顔を出す。
ニュル(効果音 おかしいだろ)
「どうしたの、生きてるの?」二人の変わり果てた姿に驚く母。
「たっ、多分」苦笑いの子供達。
タクシーの運転手さんにも手伝ってもらい、なんとか二人を家に運んだ。
息子と、その友の想像を越えた姿を目の当たりにして、とけたみさんの父は言う「一体何をしていたんだ?確か今日デートに行ったんだったよな?」
「確か、そうだったような」苦笑い冬馬君。
「で、どうだった?」とけたみ父は興味津々。
その時だった「小夜さん、まだ僕飲めるよ」スーが目を覚まし「だって僕、サーよりお酒強いもん」
その言葉に眠っていたサーも目を覚ます。
「んぬおーーーっ」
なんちゅうライバル意識の高い二人。
するとスーは気づく「あれっ、この見慣れた景色は家?馬鹿なデートは夢だったの?まさか小夜さんなんて存在も夢だったの?」
スーよ落ち着け、大丈夫である、確か居た(おいっ)。
「あれっ、サーにみんな?あれっデートはどこ行った?」
焦り続ける とけたみ。
「まさか、僕は一体何をしていたんだ?」必死に記憶を辿っている。
頭をボリボリかくサーも思ふ「僕は何してたんだ?」(安い挑発にのり意識を失っていたのである)
「えっ、あっ、はっ、スー」スーの記憶を辿り、着いたその先は。
猿と踊っている自分であった。
「何故?僕は小夜さんと一緒にいたはずなのに?何故
猿なんかと?」動物園行ったっけ?
それに、変な黒マントもいたような?
スーはハッとする、目の前の黒マントを見て。
サー だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ
黒マントの正体はサーだったのか。
って事はあの猿は?まさか?
小夜さんのお父様〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ
「ハチャーーーーーーー」
スーはとりあえず叫んでいた。
「みんな、僕は小夜さんに何かしてしまったかい?」
一部始終を知る子供達に気づいたスー。
すると多網が「小夜さんの返事きいた」
「ぬおおおおおおんおおおおおんおおおお〜〜」知りたいけど怖かったスー。
父と母も息を飲む。
多網はいったん目をつむり、カッ!!と見開き言った。
「スー振られた」
ズクシュ、スーのお尻の穴に激痛が走る(何故お尻?)
とけたみさんの両親、サーもため息をつく。
「あがががががががががががっ」唸るスー。
「ちょっと多網、駄目だよ」冬馬君達が言う。
「また、会いましょうだって」きみ子と大喜が本当のことを伝えてあげるとスーは。
あっ、はっはっは、本当?
スースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースースーのお尻の激痛は消えた。
ホットする一同。
「みんなありがとう〜〜〜〜〜〜」家中に拍手が湧き上がる。
「ちょっと僕のご馳走で、これからご飯行こう」スーが言った。
「ヒャッホーウ」飛び跳ねる子供達。
「でもいいの?」冬馬君が言う。
「もちろん、何でも好きなの食べに行こう」
多網ときみ子が即答で「焼肉」何故か声までハモっていた。
「それ最高」冬馬君と大喜も大賛成。
「じゃあ、タクシー呼んであげる」と、とけたみお母さん。
「でも、スー悪いよ!今日はもう酔ってるし、疲れてるだろ、それにデート代 結構使ったんじゃない」サーが言った。
「何を言う友よ、まだまだこれから」
スーもさすがに疲れている様だったが、子供達に何かしてあげたかったのだ。
優しいスー。
が、ハッとする
「僕、最後のお店、お会計払ったっけ?」
「大丈夫だよ、五里羅さんが払ってたから」
五里羅さん?
「お母さ様がああああああっ」
スーの両親は思う、何故デートに向こうの両親まで来ていたのだと。
すぐにラインでメッセージを送信するスー。
すいません、記憶が。
お支払いの方、次回払います。
そのメッセージになんと ピコン
すぐに返事が!!
スーはこの世の幸せを全て得た様な顔をしていた。
ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャホーッ!!
「スー、小夜さん何だって?」サーが言う。
「今日はありがとうございました。また会いましょうだって」
そのスーの言葉に皆は飛び跳ねた。
「ヒャッホーウ」
なにげに一番飛び跳ねたのは、父であった。
「アガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ」
ピンポン
「タクシー来たみたいですよ」とけたみ母が言う。
「じゃあ、みんな焼肉食べに行こう」
「ヒャッホーウ」多網ときみ子の鼻息が荒くなる、フガフガフガフガ。
玄関を出るとき、とけたみさんのお母さんがそっと、とけたみさんに手渡した「ほら、これでご馳走してあげなさい」
「いいよ、大丈夫だよ」
「良いから、ほら」とけたみさんのポケットにしまい込んでいた。
とけたみさんは心の中思う。
いつも本当にありがとう。
マッマ!!
家族や友達、本当にありがたいものだ。
共に心配し、自分の幸せを自分の事のように喜んでくれ祝福してくれる。
とけたみは思う、自分は本当に幸せ者だ。
そんな事を感じ、人生で当たり前にある有難い事、これらを忘れちゃいかんなぁ。
感謝の心、それはとても有難く、本当に大切だと思った。
皆はタクシーに乗り込み、焼肉屋さんへ。
家の中では「一安心ですね、お父さん」
「そうだな、でもそれはデートがうまくいった事じゃない、そりゃ本音で言えば、あいつが結婚して孫の顔が見れたら嬉しい、でも一番大事なのは、あいつが幸せでいれる事、さっきの表情見て安心したよ」
「そうですね、お父さんはとけたみが振られたらどんなに落ち込んでしまうか、ずっと心配してましたもんね」
「まあな、俺たちだっていつまでもあいつの側に居れる訳じゃないから、後に一人ぼっちじゃ寂しいかなってな、この歳になると、そんな心配があるからなぁ」
「そうですね」
いつになっても、大事な子供を想う、親心であった。
少し感動してしまった、そこのあなた!
今日は親に感謝の言葉やメールでもしてあげては、いかがかな?(誰だよ)
一方、冬馬君達は焼肉屋さんの席についていた。
「みんな今日は本当にありがとう、僕はこんな素晴らしいみんなに囲まれて本当幸せだよ、遠慮なくどんどん食べて」
そんなスーの気持ちに、一同嬉しくなる。
「こっちこそ、良い友達持って幸せだよ、ありがとう」サーが言う。
「なんだか熱くなって来たね」と、大喜。
「うん」頷く冬馬君
だが、こやつらは違う意味で熱くなっていた。
「カルビ、ロース、タン塩、ハラミ、野菜焼き」多網ときみ子はプップ屁をぶっこきながらメニュー見るのに必死である。
「じゃあ、僕らも今日と言う日を記念して、また飲み直そうか?」サーが言った。
「そうだね」
テーブルには生中のジョッキが運ばれてくる。
「よーし、今日はとことん語るぞ〜〜」スーが意気込んだ。
冬馬君と大喜は顔を見合わせ、ニンマリ笑う。
「こりゃ、まさかのサーとスーがまざる、焼肉屋さんでの夜中の語り合いみたいになりそうだ」
焼肉屋でのひと時が始まる。
多網は、ハチマキを頭に巻き、きみ子はヨダレを垂れ流している。
「ハッ ハッ ヘッ ヘッ ハッ」その姿はまるで、エサを前に我慢出来ない犬のごとし。
「しかし、スーも結婚するのかなぁ?」
「まだ気がはやいよ」照れるスー
「次デート出来るってだけなんだからさ、そんな先の事考えてないよ、だけど」
スーは続ける。
「子供は3人くらい欲しいな、名前は棒林具に酢戸雷区、あっそれと、他愛黄住まいはやっぱこの近くで、挙式はハワイなんて良いね」
サーはずっこけた。
めちゃくちゃ考えとるやんけ!!
なにより、名前のセンスが凄く良い。
自分よ何故に気づかなかったんだ。
次もし生まれたらうちは、巣ぺ亜しかないじゃないか。
子供は、たまったもんではないだろう。
グビッ グビッ グビッ「かはーったまらん」
多網ときみ子は目をつむり、瞑想していた。
食べ物が来るまで精神を統一しているのだ。
「この光景、冬に行った婆ちゃん家の旅行をおもいだす」と、冬馬君が笑う。(「冬馬君の冬休み」より)
すると、テーブルに肉到着。
二匹のハングリーモンスターは目をカッと見開く。
「じゃしゃーーーーーーーーーーーあーー」
「よーし、サー 今日はこれからだ」
「おーーーーーーーーーーーっ」
何だか盛り上がって来た。
何かが起こりそうなそんな予感!!




