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晴れのうち桜  作者: カッパ君(小説家モード)
1/1

来る日も来る日も考えていた。晴れた日も雨の日も大好きな桜の日も、だけど結局分からなかったなぁ………あの子の気持ちは。


第1話 猫





[えぇーーー、先週にかけて太平洋を北上した低気圧は今朝がた関東付近に接近し………]


「おかーさん!今日のお味噌汁おいしッ!!作り方変えたでしょ〜!」


「お!!さっすが日和!!よく分かったわね!それこそ倉本家の娘よ!!」


台所から母、京子がエプロン姿で身を乗り出して来た。


「まぁあねぇ〜〜!私もあともう一年したら高校生だし!お嫁さんに行くために色んな本とかで勉強してるんだ!!」


「何!?!?日和!!お前、お嫁さんだって!?男ができたのか!?あ、あのなぁ日和、日和はまだ14歳だろ、パパはそういうの早いと思うな!!」


漁師である父、和彦が、普段は決して見せないような冷や汗を流し、声をあげた。


「父さん、隣の家の山田さん家まで聞こえるだろ、朝から大声出さない。」


「翔也はどうなんだ!漁師になる気ににはなったんか!?」


「それになりたくないからなりたくないから今頑張って勉強してんの」


強引に少し熱すぎる味噌汁を飲み干しバックを手に取った。

「ご馳走様。」

「はーい!お粗末さま〜!」

「お兄ちゃん!!九桜祭の準備はすすんでるー??」

日和がいつになく爛々と目を輝かせて聞いてくる。


「んー…まぁまぁって感じかな…。それなりに頑張るよ。んじゃ、いってきまーす。」


「はーい!気をつけてねー!」


外に出ると隅々まで晴れた晴天だった。道路には猫が何匹か集まってみんなで日向ぼっこをしている。風も肌寒い冬の空気から一変して暖かい温もりが体をつつんできた。


ーーー桜木商店街ーー


この街は世界でも有数の桜が降る町として有名だ。「桜が降る」というのは単に桜の木から花びらが落ちるのではなく、空からヒラヒラと桜の花びらが降ってくるのだ。その光景は見るものを癒し、毎年多くの人々がこの街に来たくなる理由である。この街ではその特殊な気候を生かして毎年、九桜祭というお祭りを開いている。そして昔からそのお祭りの手伝いをしているのが俺、倉本 翔也が通っている九華島高校である。


しかし…

一つ彼にはこの祭りにおいて今年、大きな役割が任されているのだ…

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