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イノセント・ローカリー  作者: 焔夢
7/9

easyaround

包帯の男が持って居たもの、それは銀縁の眼鏡だった。

チェーンを付けたそれを私は視点を変えて振り子のように、弄んで中央玄関から真っ直ぐに歩いて行く。

「残忍な遊びをしているね」

左右から声を掛けられて、私は狼狽する。ページに挟んである手紙を双子に差し出す。

双子の片手には包帯。髪型はツインテール。服装はピエロのような英語の綴りのショッキングカラーのカーディガン。

「…ふむふむ…」

「これは頂けないね」

私はサンゴから頂いた手紙を受け取ると、少しだけ泣いた。

「それでOKですよ」

「通れますよ」

合意の上、エレベーターで上に上がることが出来るようになった。

私は眼鏡をかけると、手紙を破り捨て、思い出とサヨナラをする。『支配するインセント』は金のカバーを外すと、白い表紙の本体の傷を隠して、上の階へ登る事にする。

双子は揃いの靴を三回鳴らし、笑顔で見送る。

「行ってらっしゃーい」

「あなた達もね」

少しだけ眼鏡をかけた目を凝らし、『支配するインセント』の傷を撫でて、

「殺さなくても良い相手に出会えて、良かったわね。サンゴ」

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