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blackcompany
誰かの悲鳴が聞こえた。
私は振り向くと、狭い路地裏に立ち尽くしている1人の男を見つける。
手には見覚えのある小さな水晶玉を持っている。
繋げてブレスレットにすれば良いものを。
この男はいつもそうなのだ。
「また、使ったの?そのタイガーアイ」
「今回だけは仕方が無かった」
その男の傍らには1人の青年が倒れている。
「うーん。クリスタルにしたほうが良かったかなぁ?」
「へぇ…あなたにも、慈悲の心と云うものがあったのね」
男は青年を担ぎ上げると、路地に停めてあった車に放り込む。
「待って、その男は組織の人間よ。攫って行ってどうするつもり?」
「勿論、生徒にするつもりだけど…」
私は少しだけ考える。
組織の人間にこの男の存在を知らせてはならない決まりになっている。
「暗殺者たるもの、1つの組織の上に立つものになりたいと思うのは極々、自然な事だろう?」
私もその意見には賛成だが、私の武器はイノセントである以上、この男の上をゆくのは無理だろう。
部屋に戻って作戦を練るとしよう。