復活する桜
この頃受験へのやる気が全くなくなり、本当に堕落し始めたカニカマです。受験についてはどうにかなる程度の学力で生きてますが、正直アールグレイさんとかがなかったら不登校になってたかもしれませんね。
どうでもいい話はさておいて、見に来る人も物好きですね、こんな駄作品または駄作者をどうか見守っていてください。それでは始まります。
青年は眠っていた。1本の桜の中で、何億年も何億年も、起きる時期は誰にも分からなかった。
青年は過去を振り返っていた。遠い昔、青年がまだ祖父と暮らしていた時の事だ。祖父の隣には必ず誰かいた。それは自分だったり、小柄な金髪の人だったり、いつも帽子をかぶっている南蛮風の服を着た人だったりと、他にも色々な人がいたが、詳しくは思い出せない。
青年は思い出していた。遠い日の記憶。小さい自分が、大きな事故に遭った日の事だ。いつも帽子の人が駆け寄ってきてくれて、色々手当てをしてくれた。帽子の人は、早くよくなるようにと、血をくれた。そのせいか、事故での大怪我もすぐになくなった。祖父はその人をきつく怒っていたけど。
青年は目覚め始めた。誰かがこの結界に干渉しているからなのだろうが、普通の人間や弱小妖怪には干渉することすら不可能。だから人間や弱小妖怪ではないだろう。
青年は違和感を覚えた。自分の中の結び目が解かれていくほどの違和感。それと自分の体に何かが生えてくる違和感。さらに妖力がかなりの速度で増えて行くような違和感。それに少しずつ思い出していく記録ではない記憶。
その違和感が無くなると同時に青年は、覚醒した。
???「あら、御目覚めかしら」
心也が目覚めると、そこは丘だった。
心也「あなたですか?自分の封印用妖結界を破ったのは」
??? 「そうよ。あなた、かなり大物の妖怪みたいだから封印を解いておこうかと思いましてね。感謝ならいらないわよ」
目の前にいる金髪に帽子をかぶった南蛮風?の服を着た女性は、胡散臭い笑みを浮かべてこちらを見ていた。
この女性はどこかで見た気がするが…
心也「別に感謝はしませんよ。あれは元々自分が張った結界ですから」
??? 「あらそうなの?それならいつか自分で出てくる予定だったかしら?」
心也「別に予定はありませんでしたけどね…それと失礼ですが、八雲紫さんですよね?」
心也には八雲紫にあった記憶があった。自分がまだこちらに来る前に、祖父と暮らしていたときに祖父と何やら難しい話しをしていた人だった。
紫 「よく知っていたわね?結界の外の情報を仕入れることも可能なのかしら?」
心也「そういう訳ではありません。自分は元々この世界の妖怪じゃありませんし、そこの紫さんとは会ったことがありますので」
紫 「へぇ、興味深いわね…」
心也「そんなことはどうでもいいのですが、自分に何かしました?」
心也は結界が解ける前に感じた違和感を紫に話した。すると紫は分かっていなかったかのような顔をして、逆に疑問で返してきた。
紫 「え?あの封印とは全く関係ない術式は結界の罠を解除するものじゃなかったの?」
心也「いえ知りませんよ。自分も何されたか分からないんですから。ちょっと待って下さい、確かめますので」
そう言って心也は頭の中のデータベース(封印中に名前を付けた)で検索する。するとこちらに来る前の記憶の他に、大量にあった自然系の能力が【自然を操る程度の能力】にまとめられていて、さらに妖力がかなり増加し、他に何かしらの付属品までついたそうだ。付属品を確認するために試しに付けてみる。
紫 「何なの、それ…」
データベースを閉じ、紫が凝視している自分の後ろを見てみると、6本の狐の白銀の尻尾に、茶色から薄桃色のグラデーションの大きな翼が生えていた。
心也「いえ、翼の方は色で桜妖怪と分かりますけど、尻尾の方は全く分かりませんよ。紫さん何かしました?」
紫 「何もしてないわよ。それに六尾なんて…最後は九尾かしら」
心也「知るわけ無いでしょう…」
紫 「それじゃ、今までに誰かの血を飲んだことある?」
心也の記憶には一度しかない。自分が事故に遭った時、あの時だけだ。その人が妖怪かは知らないが、紫さんが言うには血を飲めば種族が伝染することも確率は低いがあるという。
心也「それじゃ、片付けますよ」
そう言って尻尾と翼を片付け、永琳から貰ったピアスを使い妖力を霊力に変換する。それに紫は凄く残念そうな顔で見ていたが無視することにした。
心也「それじゃ紫さん、自分はどこか人がいるところに行きたいので、どっちの方向に行けばいるか教えてくれませんか?」
紫 「珍しいわね、人間と暮らす妖怪なんて」
心也「珍しいだけで実際いるものですよ、自分みたいに」
紫はその言葉に納得したように人のいる方向、今の時代では都の方向を教えてくれた。
心也はその方向に霊力をまとわせた足で一気に駆けだした。
都へ向かう途中、妖怪にしばしば襲われることもあったが、特に大きな出来度とは無く夜の始めには都に着くことができた。そして心也は都に着くと同時に都の住民に陰陽師の組合というものを聞き、その組合の建物まで来ていた。
心也「陰陽師ですか…実際自分はどちらかと言うと魔術師や魔法使いが正しいのですが、さすがにこの時代にそんなカテゴリは存在しませんしね…」
そう言いながら魔力、霊力を能力を使って直して建物の扉を開き、中に入る。すると簡単なカウンターと思しきものが設けられており、そこの椅子に座っていた男が近づいてきた。
男 「どうした?見ない顔だな、妖怪退治の依頼か?」
心也「違います、陰陽師の組合にここで入れると聞いたので」
男 「そんな細い体じゃ無理だな、鍛えなおして来い」
心也「陰陽師に体は特に関係ないでしょう?それとも実力ですか?」
そう言いながら霊力で2m近くの槍を作り出し、右手に握る。その槍を見てか、男は口の端をかすかに上げ、奥に来い、とだけ残して奥へ歩いて行った。
槍を消して言われた通り奥へ進むと、大きな道場のような部屋で大勢の陰陽師が集まっていた。その中に先ほどの男もいたので、部屋の中に入る。
男 「坊主、少しはやるようだから一つ試験だ。俺の合図から半刻以内に、此処にいる陰陽師を何人倒せるかだな。今は実力者しかいないから2人以上倒せたら合格、倒せなかったら諦めて帰るんだな」
そう言って男は御符を数枚取り出して言う。周りの陰陽師からはそれなりに高い霊力があるようだが、心也の霊力の半分もない。一撃でし止められるような術は記憶してないから、負ける確率はほぼゼロ。
男 「それじゃ、始め!」
心也「半刻もいりませんね、閃光『flash bomb』」
開始と同時に能力で一枚の札を取り出し、床にたたきつける。発動される術式は名前から分かるように光。半刻どころか一刻の間は視界が真っ白な世界になる閃光、それの発動と同時に槍を霊力で作り、一瞬で約20名の陰陽師を気絶させ、最初にあった男だけは目を庇えたみたいなのでそこで止まる。
心也「こんなものでどうですか?」
男 「いや…これで十分すぎるくらいだ。正直一人も倒せないと思っていた。名前を聞いて良いか?」
名を聞かれ少し考える、本名を名乗ってもいいが、何かの拍子に自分が妖怪として見つかるかもしれない、そう考えると偽名を使った方が良さそうと思い、とっさに思いついた名を出す。
心也「十夜 六月です。あぁ、そちらは名乗らなくていいですよ」
とっさに作った偽名を名乗り、建物から出る。十夜六月の名前は、現在出ている月が十六夜の月だったからという凄く簡単な理由からである。
その日は都の外れに家を借り、次の日から陰陽師として都を馳せて行った。
作「あまりにも短すぎたので付け足しました」
心「これでやっと2500文字超えましたか…」
作「受験という壁はきついな。なければまだ次の話までかけたんだが」
心「まぁ、受験終わったら春休みにいっぱいストック書けばいいのですけどね」
作「もちろんそうする。あぁ、次の例大祭で東方の新作でねぇかな…」