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決戦に行く桜

一気に駆けだしたことはよかったのだが、心也の肉眼で確認すると、足を止めざるをえなかった。


心也「数が多すぎる…」


 敵総数は約1万。大半が雑魚妖怪なのだろうが、それでも1万対1はさすがにキツイ。

 そこで敵を遠くで消し去るため、心也はある案を思いついた【土を操る程度の能力】を使って広範囲に罠を設置し、【記憶を実物にする程度の能力】を使い、祖父から銃について学んだときに使用した火薬を作り一気に爆破、それで大体の雑魚は消せると思いついた。

 まずは敵の100m地点に土の罠を作り、150m地点に大量の火薬を配置しておいた。敵が罠を踏み、トラップが起動する。このトラップは踏むとその地点から高さ2mの土の槍が生え、相手を串刺しにするトラップだ。設置したトラップは1300個ほどなのだが、実際にかかり、消え去って行った量は1000と少しほどだった。そうして行くと相手は火薬を踏み、【火を操る程度の能力】で起爆させる。かなりの広範囲に大量に配置したおかげで、敵は約6000ほどにまで減っていた。だがその爆風が当たらず、生き延びた者たちもおり、心也は一冊の魔導書を取り出し、魔法陣が描かれた付箋を1枚自分の周囲に投げる。そして特大の魔法陣を出現させる。


心也「魔軽魔法起動。魔砲『Ultimate spark』!」


 永琳の家に住んでいたときに開発した魔力使用軽量化魔法陣。ただしこれでは長すぎるため、心也は魔軽魔法と呼んでいる。その魔軽魔法を使って魔法発動時の魔力の使用を軽減させる魔法を使い、元々魔力使用を極限まで下げていた魔砲を、さらに下げて5分の1ほどの魔力で発動を可能にし、元々の魔力で撃つとどうなるか。結果は通常の魔砲の5倍の質量で発射され、周りの妖怪を蹴散らすどころでは済まず、地形自体を変形させるほどの威力を発揮させた。

 ただその中に、2つの影が存在した。1つは術者、心也。もうひとつは黒い霧状の影。


??? 「ふー危なかった。闇にまぎれなかったら消えてたぞ。俺」


 そう言って霧が霧散していく。中から現れたのは、黒い大剣を担いだ男だった。


心也「あれを避けきるなんて、あなた何者なんですか?」

??? 「名乗るときは普通自分からなんだが、今回は無視してやる。俺はルヴァ、闇妖怪だ」

心也「ご丁寧にどうも。自分は神代心也、桜妖怪です」

ルヴァ「桜妖怪?聞いたことが無いな。それより妖怪が人間に加担していることが驚きだ」

心也「あなたも自然系の妖怪でしょう?それなら分かると思いますが」

ルヴァ「人間が消えても俺達は消えねぇってことだろ?だがな、消えなくても人間からの恐怖が消えるとその分俺達も弱体化する。俺はその阻止と、ただ戦いたいから来た。まぁ一つ目の理由はどうでもいいが」

心也「ただ戦いたいからって、あなた戦闘狂ですか」

ルヴァ「間違ってねぇかもな」


 そう言ってルヴァが体を低く構える。心也はそれに対して槍を取り出すだけで、何も構えない。


ルヴァ「面白いな、その能力」

心也「別に面白くもないですよ。自分の物しか出せませんし」

ルヴァ「そんなことより構えなくて良いのか?」

心也「残りの妖怪があなただけなら問題ありません。元々自分は護衛のために残っているんですから」

ルヴァ「それじゃ、始めますかぁ!」


 そう言ってルヴァはノーモーションで突っ込んでくる。それを心也は横に避けると、時間差で大剣が振られる。心也はそれを槍で逸らし、柄でルヴァの腹を叩く。


ルヴァ「へへ、やるじゃねぇか。もっと弱いかと油断してたぜ」

心也「別にあなたを殺すことが目的じゃないですし、必要最低限の事しかしませんよ」


 言いながら槍を回し薙ぎ払う。ルヴァはそれを屈んでかわし、ローキックを当てに来る。心也はそれをジャンプしてかわす。心也は飛んだまま槍でルヴァを刺しに行くが、それを大剣で受け止め上に逸らされる。そのまま予備動作無しの蹴りを脇腹にされ、心也は地面を転がっていく。そのまま自分で作った魔法障壁にぶつかり、止まった。


ルヴァ「それで終わりか?」

心也「そんなわけないでしょう」


 突如ルヴァの耳元で心也の声が響く。そしてそのままルヴァが心也と同じように吹き飛ばされた。


ルヴァ「貴様…何をやった」

心也「能力を使ってあなたに幻影を見せてただけですよ?」


 心也はルヴァに蹴られる直前に【光を操る程度の能力】を発動し、ルヴァに蜃気楼を見せ、蹴りを回避していた。回避し、ルヴァが油断したところで全力の蹴り。魔法による身体強化で通常よりかなり強力な力を出していた。そこで心也は自分の周囲の違和感に気づいた。


心也「周りが…暗くなってる?」

ルヴァ「今日は日食だ…暗くなっていても不自然ではない…」


 壁にぶつかり、大きなクレーターを作っていたルヴァから返答が来る。日食ってなんだ?と聞こうとしたところで大きな爆発音が鳴り始め、ロケットが飛び去って行った。


心也「これで自分の仕事は終わりです。あなたも立つことくらいは出来るでしょう?」

ルヴァ「ちっ、久々に良い相手かと思ったのによ…強すぎるじゃねぇか」


 そこで心也は、日食で暗いものかと思っていたが、さらに暗くなっているのに気付き、ルヴァに話しかける。


心也「日食ってここまで暗いものなのですか?」


 心也はルヴァに聞くと、ルヴァは空を見上げ、顔を真っ青にした。


ルヴァ「日食なんてものじゃねぇ…あれは隕石だ!」


 心也は隕石と言われ記録を全て読み取る。時代は恐竜、大きすぎる隕石、そこから導かれた答えは、時代の終結。


心也「急いで逃げてください、自分はあの隕石を破壊しますから」

ルヴァ「そんな訳に行くか!もしあれが直撃してみろ!いくら自然系とはいえ、死ぬぞ!」

心也「ほとんどの物が死に、消えて行くよりはましです」


 ルヴァは心也がどれほど行っても逃げようとはせずに、此処にとどまろうとする。そこで心也は魔導書を取り出しルヴァに一枚の付箋を貼る。


ルヴァ「何すんだ!」

心也「転移魔法です、これを使います!」

ルヴァ「仕方ねぇ、俺より強い奴が残るなら俺はもう止めねぇ。ただし、お前の事は子々孫々に伝えて行くからな!」

心也「別に大丈夫ですよ。それじゃ行きますね!」

ルヴァ「さらばだ!」


 そう言って転移魔法を起動させ、ルヴァを被害の少なそうな所へ飛ばす。残った心也は、ありったけの魔軽魔法の付箋を取り出し、自分の周りに配置させる。その枚数20枚。


 心也「準備はできた。後は魔砲を撃つだけ…」


 魔軽魔法を使って魔砲をいつもの魔力で撃つと、今の状態なら100倍の威力で撃てる。元々魔砲に使われている魔力量は軽減なしで全体の50分の1だから、半分使うと通常の5000倍の威力になるので、さすがに500倍だと隕石を破壊しきれるだろうと考え、魔砲の発射用意をする。


心也「消えてくれ、魔砲『Ultimate spark』!」


 心也が今まで撃った中で最高峰の威力の魔砲は、隕石を包み込み、大量の煙に包まれた。これで隕石を破壊出来たかと思ったのもつかの間。煙が晴れ、光が入ってこないことに気づき、それを見上げると、全体の4分の1ほどしか破壊されていない隕石の姿があった。


心也「嘘、ですよね…」


 嘘ではなく、実際に起こっていることに混乱していると、一つの案が思い浮かぶ。魔力、妖力による魔砲。いやいや駄目だ、妖力の魔砲への使用はしたこともないし、妖力には魔軽魔法のようなものも作っていない。なら、作れば良いじゃない。残り時間は約10分、5分ほどで作りきれるだろうか。結局案が無いのだからこれで良いだろう。そう考え魔軽魔法の発展、妖軽魔法を作り始める。数は30、妖力のほうが量が多いため、妖軽魔法の数を増やす方が良い。

 妖軽魔法を完成させ、魔軽魔法同様周りにばら撒く。そこであることに気づく。


心也「魔砲みたいに、レーザーだと長距離が限界じゃないのか?さすがに2kmオーバーだと威力が足りなくなるんだ。それなら何かに魔力と妖力をこめて撃ちだす方が確実に良いはずです…」


 そこで心也の頭の中に、一番適している物が思い浮かぶ。槍、心也が一番使いこんでいる槍の【暁】、あれは投的用にも近接用にも設計していたはずだ。そう思い【暁】をとりだす。


心也「これで失敗したらすべてが終わりです…たくさんの恐竜や動物が死に、それの恐怖で生きてきた自然系の妖怪も消えます。これだけは成功させて見せます。魔軽魔法、妖軽魔法起動!」


 軽量魔法を起動させ【暁】に魔力、妖力をこめる。活動の限界ギリギリまで流し込む。そこで、心也は投的用意を開始し、助走をつける。投げる瞬間に残していたすべての力を【暁】に流し込み、投的する。


心也「すべてを貫け!超越『final lance』!」


 心也の創りだした心也のすべてを超越した最後の槍は、隕石を破壊し、宇宙へ流れて行った。


心也「これで…終わった…………………」


 この青年は知らなかった。この隕石の破壊が、記録通りに行われたことを。

 破壊された隕石は、破片となって降り注ぎ、もう誰もいない街や、色々なところを破壊していった。濃密な砂煙が晴れると、青年のいた所には、1本の桜が生えていた。


心「いや、消えてますよ!私」


作「大丈夫だ、問題ない。この桜が後でだいぶ関係してくる…と思う」


心「思うだけですか!」


作「ついでだがこの桜には心也が持っている魔導書の中で一番固い魔法障壁が使われていてな、あの人でも解除に10年は費やした」


心「あの人って誰ですか…」


作「それは、たぶん次に出てくる。話に出てきたルヴァは、お(幼い)か(可愛い)し(少女)を守って非難していったぞ」


心「それただのロリコンですよね!?」


作「おお、すまん。間違った」


心「こんなコーナー続けても意味がない気がしてきた…それではまた次回!」



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