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2.誕生日

旅の説明を求めたのに質問されたエマ。施設の疑問何て…

疑問は沢山ある。特に教会ここの施設の孤児はみんな同じ誕生日なのが不思議。幼い頃は誕生日は1日しかないのだと思ったくらいだ。そして何故か忌み嫌われる零の日だし。

レヴィに素直にそう答えると何故か安心したような表情をした。レヴィの意図が分からず戸惑いながら養護施設に何かあるのではないかと思い施設について再度考えてみた。

教会にある養護施設ではシスターが母親代わりとなり0歳から17歳までの孤児が生活し、成人を迎えると施設を出て自立していく。私も親が無く物心つく前から施設でお世話になっている。

施設そこが家で小さい頃は疑問など無かったが、色々分かる様になりシスターや神官と接する内に施設に疑問を持つ様になった。それは


『施設の子はみんな同じ0月0日(零の日)生まれでおり、ほぼ全員生まれて直ぐに施設に入れられている』


普通の親がいる生活を知らなかった私は、仲良くなったシスターから一般家庭の話を聞き、自分が育った環境が普通でない事を知った。しかし知るのが怖かった私は偶々だと思い…いや思う様にしていた。だって成人すれば施設を出て社会に出て自由に生きて行けるから。だから理由なんて知ろうなんて思わなかった。後2年すれば成人するし…


私の話を聞いたレヴィは座り直し神妙な顔をして


「質問や疑問は後で聞くので、私の話を最後まで聞いて欲しい。出来るかい?」

「分かりました」


そう返事すると隣に座るアメリアが何故か私の手を握り緊張している。そしてレヴィが


「エマは太陽神フレア様の啓示により、運命フェクトの子を捜す役目を受けたんだ。その運命フェクトの子は破壊神シーヴァルの復活を阻止する事が出来る重要人物なんだ。だがその運命フェクトの子は身体的特徴や生まれや生別等情報が無く見つけ出すのは困難」


子供の私でも重要な事なのは理解できた。しかしなぜ私が関係するのか未だ話が見えない。するとアメリアが


「毎年零の日に教会の裏にある滝で祈りを捧げるでしょう。そしてあの後いつも身体検査があるよね」


そう年の始まりの零の日に施設の子の健康状態を確認する。大神官様は施設の子達を大切にされ、健康に育っているか確認されるのだ。身長や体重そして教会に属する医師が健康状態を確認し、最後にお腹に大神官様が手を当て無病息災を祈ってくれるのだ。それが何の関係があるのだろう?


「昨日大神官様に祈ってもらった時。エマのお臍の横に小さい痣を大神官様確認されたのよ」


そうだ私もびっくりした。前日お風呂に入った時は無かったのに、検診で大神官様に指摘されて初めて知った。それは黒子のように黒く小さいが五星の形に似ている。


「その痣はフェクトの子を捜す役目を担う子に出現する印なんだ。それが現れたエマは太陽神フレアの啓示のもとフェクトの子を探さなければならない」

「!」


秀でた才も無く平凡な私にフレア様はなんて役目を背負わせたのだろう。信じられず固まるとレヴィは私が成人するまでの2年間でフェクトの子が見つからなければ、この世界に破壊神シーヴァルが復活し、まだ破滅の日を迎えると脅した。


「何の才もない平凡な私にそんな重荷を背負える訳ないわ!何かの間違いよ」

「これは神がお決めになった事。我らフレアの子は御心に従うまで。私達がサポートするから安心しなさい」

「…」


ショックが大きくてそれ以外何も言えなかった。部屋は重々しい空気になり沈黙が続く。すると窓から外を見ていたイアンがレヴィに耳打ちをすると、レヴィとイアンは部屋を出ていき、代わりに部屋の外にいたケイデンが入って来て、部屋に戻るように言いアメリアと部屋に戻る。

部屋に入ると明るい口調でアメリアが湯浴みを勧め、大きなバスタブに浸かり天井を見ていた。


「今頃誕生会でご馳走をたらふく食べて、大浴場で皆んなでお風呂に入っている時間だ。アンは誰に髪を洗ってもらっているんだろう」


アンは人見知りが激しげく、私と少し前に施設を出たテレサにしか懐かなかった。風呂では他の子が触れるだけで大泣きしてしまう。アンの心配をしている状況にないのに、施設の皆んなとの日常が次から次に浮かび涙が出てくる。


「あれだけ早く成人して施設から出たいと思っていたのになぁ…」


そう呟き湯に顔をつけ泣いた。



「湯当たりするまで入っちゃだめよ」

「…」


湯当たりしアメリアに叱られながら冷やしたタオルで頭を冷やす私。アメリアは母親の様に世話を焼いてくれる。弱っている私はアメリアに弱音を吐くと


「私もまだ修行の身で詳しく知らないけど、エマに出た印を持つ子が見ればフェクトの子は直ぐに分かるそうよ。だから気負わずタダで世界を旅を出来ると思えばいいのよ」


呑気な返事に少し心が軽くなり笑えた。同行してくれたのがアメリアで良かったと思ったら、急に睡魔に襲われそのまま眠ってしまった。

お読みいただきありがとうございます。

更新は不定ではありますが、ぼちぼち書いていきますのでよろしくお願いします。

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